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紅の旋風と蒼の雷光  作者: 陽
第2章 迷宮編
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二十一話目 迷宮支度

2章突入


マイペースマイペース……

亀のようなスローペースですが見放さないでやってください(T_T)

 ソハルと依頼表の前にある酒場の椅子に座り、話していた内容を思い出す。なるべく目立たないようにって端っこに連れられたのだが視線は感じた。まあ、昨日は結構見られてたと思うし、話題にもなってたから。そんなことは置いといて。



 主に冒険者には二つの稼ぐ方法がある。

 一つ目はギルドを仲介して出される依頼。これには依頼者からの指名依頼もこれのうちに入る。いろいろと依頼はあるがもちろん人気があるものから埋まっていくから要注意。依頼の取り合いになることも少なくないんだ。上下関係に厳しいところと言い換えることも出来る。しかしこれはまあ実力が同じ程度の話だな。

 依頼達成率の高い冒険者はギルドの依頼受付の所に氏名が載る。ここに入れる実力があれば安定して稼ぐことが出来るが、新米冒険者はなかなか稼げないといった事がよく起こる。

 だが、この稼ぎ方主軸の冒険者は、ギルドが判定する依頼危険度というものが設定されているおかげで、死ぬやつが二つ目の稼ぎ方より減ってるってのが特徴だな。


 二つ目は迷宮に入って魔物の素材を持ち帰り、換金するという稼ぎ方である。俺はこっちの稼ぎ方だったな! こっちも依頼表に貼ってある。これをする理由は、誰が迷宮に入っているか分かるようするためだな。どこの迷宮もまだ完全踏破はされていない。階層がいくつもあって今一番進んでるところで27階層だったかな? 5階層ごとに階層守護者(キーパー)がいる。倒して素材を持ち帰れば希少だから高く売れるが、下層に続く階段を降りてしまえば階層守護者は追ってこない。ちなみに上層に続く階段を登っても同じだ。

 なぜだか分からんが迷宮だと魔物が地上の魔物と比べて強い。あと魔物が絶滅しない。研究者達を困らせてる謎に包まれたもんだ。

 だいぶ話がずれたな、この稼ぎ方は実力と運さえあれば短期間で大きな稼ぎが出来る。が、引き際を見誤ると死ぬ。そのくらいに危ないとこだ。一個目に比べてハイリスクハイリターンってとこか。


 これらが冒険者として生きてくためにする仕事だ。もしも新米冒険者におすすめするのであれば依頼の方が安全だからそっちを推す。冒険者は生き抜くことに絞った方が絶対にいい。それで魔物との戦闘に慣れてきたら迷宮に行くべきだが、お前の場合は俺が教えてるし迷宮の方がいいだろう。


 といったことを言っていた。その勧め通りに迷宮探索をするための準備を整えようと、酒場で時間を潰すというソハルを置いて街に出てきたのは良かったのだが。


「すごく広いな……」


 ここは迷宮が近くにあるおかげで商店がたくさんある。迷宮からは貴重な素材が手に入るわけだが、武器や防具をそれで作ろうとしない限り冒険者はその素材をギルドに売る。するとギルドはその素材を売り出すのであるが、近い方が安く買えるのは道理である。すると迷宮の周りに商店が立ち並ぶという訳だ。


 そこらじゅうで客寄せの声が響き、人は途切れなく行き交う。その人達を分かつかのように荷物が詰め込まれているであろう馬車が通る。歩いてもよそ見をしていてはすぐにぶつかるくらいの人の多さには目を見張るばかりだ。


「……とりあえず治療薬とかいるんだろうな」


 そしてこの通りにはギルドの建物が通りに面している北から南への通りと、東から西への通りがある。北から南にのびる通りが冒険者が必要としているものを売る冒険者通りと呼ばれている。


 だからラルクはその通りに沿って探そうと周りを見渡せば案外すぐに見つかった。人に当たらないように気をつけながら店頭に行くとふくよかなおばちゃんが細身の鞘を持った赤毛の冒険者と話している。


「ほら! うちの店は治療薬が19yなのさ、安いだろ? 効果も保証するよ」


「へぇ。突然だけどおばちゃん最近店だした? 初めて見るからそうだと思ったんだけど」


「あ、分かっちゃったかい。まあうちの店覚えてもらわないと客が来ないからね。有名なアンタが宣伝してくれるんなら負けるよ?」


 二人が話している横でラルクは物色を始めた。なんて言ったって治療薬はラルクがまだ小さい頃から取ってきた薬草から作られるものだ。調合の仕方はそれぞれの店で違うようだが、概ね緑色が綺麗に出ているか、溶液を挟んで反対側の物が見えるかどうかがいい治療薬の選び方だ。


「お! おばちゃん俺のことわかる!? 情報通だね」


「だいたい分かるよ。リサーチ済みさ」


「それなら、宣伝したげるから4個で60yはダメ?」


 ちなみにこれは薬草を店に売った時に店の青年が調子に乗って話してくれたものである。帰ろうとした時、青年は店主に殴られていたけど。「何勝手に喋っとんじゃボケ」って。


「……仕方ないねぇ、言ったのは私だしそれでいいよ。でもしっかり宣伝してよ?」


「任せとけって。繁盛するよ」


「ホントかねぇ、任せたよ! ホレ」


「ありがとおばちゃん。また来るよ」


 青年から教えてもらった判断基準に従うとここの店は確かにいい治療薬を出しているようだ。

 なるべく安く売ってもらおうと思ったラルクはおばちゃんに声をかけた。

夏休みってこんなにすぐ終わるもんでしたっけ……

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