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紅の旋風と蒼の雷光  作者: 陽
第1章 ラルク幼少期
10/23

九話目 受諾

少しだけ長くなりました。

2000字位を毎回投稿できたらいいんですがね……

いつもは1000字くらいなんです。

「紅の旋風」という異名をつけられた頃からもう10年が過ぎた。皇帝直属の帝国騎士団に冒険者の中から初めてスカウトされ、その圧倒的な剣技によって様々な武功を挙げた。

 ソハルは冒険者をしながら帝国騎士団に所属していた。何かあれば帝国から伝令が届き、そこから現場に向かうという異例の待遇だった。

 が、ある日ソハルはいつも通り魔物の討伐依頼を受け、その後行方不明になったのである。

 何かが変わっていた訳ではなかった。ただ珍しくソハルの元に手紙が届きその文面を凝視していたくらいの事だ。


 全てを放り出して放浪していた。金はたくさんあった。ドラゴンを1人で狩った時の報酬は十年遊んで暮らしても使いきれるかどうかという大金だった。


 時に砂漠を歩き、時に雪山を登ることもあった。山賊に襲われた事もあったがこちらは撃退することは容易だった。騙され貶められたこともあった。確かに危なかったこともあった。だがそれは守らなければならない者がいた時である。だが今無事に生きていることからも分かる通り、危機を切り抜けてきた。


 様々な街があった。刃物で有名な街、自然の祝福を受け農作物で有名な街、歌が絶えない街、それといった特徴がないがみんなが幸せそうな顔をしている街。それぞれの魅力がありソハルはその度に感嘆した。


 安息の地を探し求めようやく見つけた街は商業都市として栄えていたシャレスティーンという街だった。街の近くの山に自らの家を建て、その魔物を狩る代わりに食料を提供してもらうという契約を街長と結び、今は安定した生活を送っていた。


 滅多に街に降りることは無かった。身元がバレればまたすぐ帝国からの伝令が来るだろう。限りなくその可能性を無くすためにはそれは必要なことだった。


 そして昨日の出来事だ。いつもの事である魔物の討伐に出かけたソハルは双剣を持ち、魔物を探していた。

 途中から雨が降り始め家に帰ろうとした時に近くで吠え声が聞こえた。急いでその方向へ走って向かうと木々の合間からフォレストベアーと小さな子どもが見えた。子供の方は恐怖で動けるような状態では無さそうだった。

 フォレストベアーが腕を振るう。これは間に合わないかと思った次の瞬間、ものすごい音と光が響く。間違いなく雷が子供を貫いた。怯んだフォレストベアーを二刀でばっさりとやる。急いで振り向き子供を見るとなんと生きていた。


 そのまま意識を失った子供を介抱しつつ家に戻り、ベッドに寝かせる。時間が過ぎ雨が上がって夕焼けが窓から差し込む頃になってようやくその子は起きた。


 雷に撃たれたやつを見たことは無かった。だがフォレストベアーが余波で瀕死になるくらいである。普通死んでいてもおかしくないくらいのダメージを受けたはずなのだ。


 ここで一つの可能性に気がついた。加護を持っているかどうか? 持っていたらダメージを受けていなくてもおかしくはない。主に加護の印は上半身に現れることが多いことから、その麻で作られた服を脱がすと。


 やはり持っていた。が、その子は覚えがないと言う。そんなことがありうるのかと笑ってしまった。前代未聞の出来事だった。


 朝、日課の素振りをしているとその子が出てきた。その子は魔法も知らないという。こんな事があるのかと思いつつ飯にしようとした時にその子が俺に言ってきた。


「じゃあ僕が冒険者になるために鍛えてくれない?」

「は?」


 唐突なお願いに戸惑って間抜けな顔をしていたと思う。

 親の仕事を継げば1番楽で安定するしそれが出来なかった俺は最後の手段として選んだ冒険者がたまたま出来ちゃっただけである。なんとか思いとどまらせようと目を見て話そうとすると、その青色の目には決意が満ちていた。

 この目には何を話しても無駄だと知っていた。その後に言う。


「親がいいって言ってくれたらな」

「――両親は、いないんだ……」

「ッ……」


 偶然にも境遇が似ていた。そこに昔の俺を重ねたのか同情する。気まずい沈黙が流れるなか、気づけばこんなことを言っていた。


「――分かった、教えてやろう。そんなに教えられないと思うがな」

「ありがとう」


 と涙声で言ってその子は笑う。子供にはやっぱり笑顔が一番似合う。泣かせるようなこの世の中がいけないのだ。


「じゃあ飯食ったら行くか」

「分かった」


 二人して家に入っていく姿は父と子供のようにも写った。

明日は登場人物の紹介を一番上に入れる予定です。本編の更新は明後日からm(_ _)m

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