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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第三十九章 歌え、愛する先輩たちの卒業式!

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第四百六十七話

 



 はーっ。楽しかった! 春灯ちゃんの歌は聴けたし、ショーはどれもすごかった!

 やばい、意味わかんない! あんなに歌う卒業式なんてみたことないし。

 私立だからありなのかな? それとも、士道誠心ならでは? どちらにせよ最高だった!


「すごかったねー」「来月、士道誠心に入学したら……あの中に入れるんでしょ? あがるなー」「青澄春灯やばかわ……」


 中学生の見学者たちが楽しそうにはしゃぎながら離れていく背中を見送って、目を細めた。

 あーそっか。

 私みたいに春灯ちゃんきっかけで入学する奴もいるのか。

 んー……尻尾が出ちゃいそうだなあ。我慢、我慢。私が一番とか、そういうことを思う暇はない。もっとずっと、春灯ちゃんのことを考えて自分の幸せに変えたい。

 バスで駅前に移動する。友達だらけで固まっているかと思いきや、そうでもない。なのに見学であがったテンションで同じ見学者に声を掛けている子がちらほら。

 私? 立沢理華としては……ねえ?


「……あの野郎、いなかったな」

「そーだねー」


 仏頂面でいたくご不満なルイとふたりで、最後尾の端にふたりで並んで座ってだべっていたよ。

 こういうとき、悩む。

 あの輪に入ってきゃいきゃいはしゃぐほうが、楽だし自然だし今後のためになる。女子の社会はグループ社会。どのグループにどう属してどう立ち振る舞うかは大事なポイント――……なんだってさ。

 まあそれはいいや。


「ルイはこのあとどうすんの?」

「電車に乗って帰るけど」

「あっそ。じゃあ駅前で別れよっか」

「……またタクシーでどっか行くんすか?」

「なーに? 一回デートしたくらいで彼氏面? あは! 超うざい!」

「そっ、そういうんじゃねえし。ただ……家に帰るんならいーっすけど。そうじゃないなら、なにすんのかなーって。俺の話はしたけど、あんたの話は聞いてないんで」

「なーにー? 理華のこと知りたいの? 彼女にしたくなっちゃいました?」


 からかう。コートの分厚い布地越しに肩で肩を押す。

 甘さはなし。むしろからかいバカにするトーン。ルイはちょろいし、年頃の男の子丸だしだからさ。


「べ、べつに! そんなんじゃねーし!」


 ほらね。膨れて赤面してそれっきり。楽勝すぎて笑える。

 たぶんだけど、きみみたいな純で素直な男子は前のほうできゃっきゃとはしゃぐ女子たちのほうがよっぽどお似合いだと思います。

 だからって友達として付き合いたい気持ちには変わりないけどね。


「次は終点――……学院都市駅前、学院都市駅前でございます」


 そろそろ終点だ。下りて自分の生活へ飛んでいかなきゃならない。

 そうして――……来月、はじまりの季節に飛び込む。

 左手の薬指に嵌めた指輪に口づけて、その手で別れ際にルイの頬に触れた。


「な、なんすか? 急に」

「んー。男の子の肌ってどんなかなって……ひげ生えてないんだね?」

「そりゃあ、まあ。毎日剃ってるんで」

「生えることは生えるんだ? 何歳から?」

「それは……中二くらいっすかねえ。なに、お、俺のこと気になるんすか?」

「べつに? ただの知的好奇心」


 笑ってルイのお鼻をきゅっと摘まんでから、頬をぺちぺち叩いて告げる。


「じゃ、始業式で」

「は、はいっす」


 忍びとかいってたけど、年頃の男の子だ。

 ぽぉっとした顔で私が触れたところを意識しながら、ぎこちない足取りで行っちゃった。

 可愛いと思うこともできるし、鮫塚さんクラスになるまでには時間がかかりそうだと見ることもできる。

 人生に必要なのは、広い世界を把握することと、自分の生きる世界の枠組みを決めること。そして知識だと思う。知識は学力とイコールではない。なにせ学校じゃ恋愛については教えてくれないし、人付き合いも基本的には個人の裁量で任されているし、生き方だってみせてはくれない。

 多様性、個性は邪魔。それをどこまで排除して、均一化された教育と人生のレールに従わせられるようにできるか。それが大事。

 なにせほら。自分が教える立場になったら、どういう生徒だと楽? 学生だけの話じゃない。会社にとってもそう。

 みんな同じほうがずっと楽だ。そんなの当たり前。うるさいこと言うな、だまってしたがえ、ただ勉強するか運動に励め。そう言っていられれば楽ちんだ。同じように、みんなこういうルールで生きろと押しつけて、従わせちゃえれば楽ちんなこと、このうえない。

 じゃんけんやって、いきなりへんてこな指サインを出して「これ最強だからお前らの負け」ってやられてもこまるでしょ?

 あるアメリカの弁護士ドラマで、一流の弁護士事務所の雇用条件にハーバード卒というものがあった。ほかにもね。ハードも販売している、あるゲーム会社の入社条件には帝都大卒ないし四大卒である必要があるという。

 みんな、わかりやすい条件を求め、そのルールに従って生きている。

 けれど――……繰り返す。広い世界を把握することは大事。

 じつは自分の見ているルールは、世界の共通言語じゃないからだ。

 たとえばゲームが販売されるためには大勢の人間が必要だ。個人でやっているケースもあるというけれど、企業があって、その企業の人員に真に求められるのは学歴じゃなくてゲームを販売し、確実に売り上げをあげるための能力。学歴至上主義なんてくだらないと声高に叫ぶ世界もちゃんとある。

 でも反対に、そしておおかたの予想通り、そもそも学歴が入り口の条件として求められる社会もまた、数多く存在する。だってほら、就職サイトの条件を見れば書いてあるでしょ? 「大卒以上」って。たくさんの企業が求めているよ。「大卒以上」って。

 そしてそういう場所においても競争社会が続いている。地方の天才は都心の凡才なんて、よくある話だ。

 でも学歴不問という企業もあるし、そういう仕事が社会にとって不要かっていうと……断言する。そんなことはない。ちっともね。

 結論。万能なステータスではない。結局どこまでいっても能力が求められる。あるいは所属する社会に必要な精神が。

 単純に言えば立ち止まって能力が上昇しない、たいしたことない人は淘汰される。けれどその人がだめかっていうと、そんなことはちっともない。適職じゃなかった、会社とそりがあわなかったっていうだけ。

 そんな当たり前の現実を、大勢の大人と会って遊んで飲んで話している私は痛感するのだ。

 ゴミ処理をしている人たちに求められるものは学校じゃ学べないだろう。彼らがいなければ私たちの社会は悲惨なことになる。

 トイレ掃除をしている人たちに求められるものも学校じゃ学べないだろう。

 学べるものはずっとわかりやすくていい。

 医師、弁護士、学者、農業従事者、工業関連の職種、自動車整備師――……。

 ホワイトカラーとブルーカラー。どちらもいないと、機械が取って代わらないうちは困るわけだ。人ってほら、資源だし。

 だから例えば……探偵、極道、性風俗産業などなど……そういう仕事だって大事。

 端的に言えば学歴だけで食っていける世界を見つけ出した方が楽だし、そうじゃなくても世界で生きる術はあって、あらゆる業界で働くためのハウツーは存在するだけ。それがどこまで具体的にマニュアル化されているか、研修制度が充実しているかは別だけどねー。

 そのへん弱いと企業そのものが淘汰されるだけだよね。同業他社とかに。

 だから簡潔に言えば、どんな仕事でも生きていけるっていうことは適応力が高いっていうことだし、それは生存力につながる。いまの学校でそれを鍛える教育はされてないっていうのが、個人的な意見です。

 だってさー。トイレで陰口きかされた時の最高の対処法なんて、誰も教えてくれないじゃん?

 男をその気にさせて、学年一イケてる男子と付き合ったり、誰より最初に性体験を済ませてる女子の生き方だって教えてくれないし、逆に言えばクラスで埋没しているけど漫画雑誌に投稿してデビューしている漫画家の生き方だって教えてくれない。

 先生に嫌がらせをされたときの対処法だって、法律だって教えてもらえない。スマホのほうがよっぽど親切だ。

 残念なことばかりだよね。口を揃えて「勉強していい大学いって、お先はお好きにどうぞ」なんて無責任にも程があるし、翻せば大人たちは私たちの人生の責任なんて取る気はないんだよ。

 先生も、学校も。家庭によっては親御さんさえも。

 誰かがなんとかしてくれるはずだ。今のこの苦しさを。そう思って、だけど助けてもらえなくて、無力な自分に死にたくなるなんて……よくある病気のひとつでしかない。

 気づくだけでいい。

 自分自身しか、責任なんて持てないってことに。

 自分の足で立ってみて初めて、社会的な責任を負わせることならできるって気づく。

 私を襲った先生も、士道誠心に来た時に会ったおじさんを追いつめた会社も、吹田さんも……みんなそう。

 大事なのは、ルール。

 それを見抜き、それを使って振り回せるかどうか。そこにかかっている。でもね。逆に言えば、それを自分よりうまく使える相手は危険。無視して暴れる無法者も危険。

 晒されるから。弱肉強食っていう生物本来のルールが。

 だから見極めないといけない。相手がいる場所、相手の生き方、そのルールがなにか。

 同じ業界でも真逆の方向を見て、正反対の生き方をしている人だって大勢いるんだから。

 見る目が大事。なにより視野の広さが大事。そしてありとあらゆる人の視点に立つ人生経験もね。そこに尽きるかな。

 なので私は今日も知りあいに会って人生勉強を積みたいわけなんですよ。さて、だれにしよっかなー。


「――……ああもう!」


 考え事をしていた私の横で、とても愛らしい声をしたお姉さんがスマホを持つ手を振り上げていた。士道誠心の制服を着ている。童顔だ。スタイルもいい。けど顔は怒りと屈辱に染まっていて、スマホを掲げた手は震えていた。

 ――……こういうのを見過ごせなくなった自分に気づいて、もういい加減ルールを改定するべきなのかもって思ったよね。けどまあ、声は掛ける。


「どうしました?」

「――……ほっといて。うちはいま、最悪な気分なの」


 まばたきをした。

 一人称は西の方で聞きそうなもの。けれど喋るトーンは標準語のそれ。

 不思議な女の子だ。ちょっとだけ興味が湧いた。


「でもスマホを叩きつけようなんて、ちょっと尋常じゃないです。いらいらしてもいいことないですって。気分を変えて、お茶でもしません?」

「……なんで」

「デートしません? お姉さん可愛いし、お話ききたいな。あと、できれば素敵な笑顔が見たいかも」


 頬に触れた。指輪が熱を持つ。お姉さんの視線がさまよった。彼女はあわてて頭を振る。


「い、いまの、なに……」

「ね? いきましょ。ほらほら!」


 手を取って引っぱる。

 駅前の喫茶店に連れ込んで、飲みたい物を奢った。年上のお姉さんだろうと、ホストがお金を払うのはむしろ礼儀。


「はいこれ」

「――……初対面の、それも年下の女の子のおごりなんて気が進まないんやけど」


 あれ? やっぱり西の人? まあいいや。


「じゃあ、お姉さんが私にくれる時間の時給ってことで。私はお姉さんの求める飲み物とおやつを。お姉さんは私の求める話を、許される時間だけ。取引しましょうよ。ね?」

「――……変な子」

「よくいわれます」


 笑顔で伝えてから……尋ねる。


「立沢理華っていいます。ねえ、お姉さん。なにかよくない知らせでもあったんですか?」

「――……オーディションに落ちただけ。いつものこと」

「オーディション?」

「若手の……売れない声優やってるの」

「ふうん?」


 声優さんと会うのはこれが初めてだ。


「本当にそれだけです?」

「言い出せばきりがないねやんか……水着のグラビアやれとか。枕を示唆されたりとか。彼氏が仕事先の人といい感じになってて、きっと今夜は何かが起きるっぽいこととか……その人の彼氏やってる男の子は始めた仕事に必死でいい人すぎて、満足させてないっぽいこととか」


 カップを両手で包んで、深いため息を吐く。

 情緒不安定だ。俯いてぽたぽたとこぼれる涙は――……今日が三年生の卒業式で、とびきり素敵な式だったにも関わらず、いやだからこそ? 重たいものなのかもしれない。

 んー。こういうのの対処法は、さすがに知らないかな。

 問題はふたつ。仕事がうまくいかない。恋愛もうまくいかない。以上、終了。

 まあ、強いて言えば鮫塚さんに紹介してもらったキャバ嬢のお姉さま方の恋愛談が使えるかもしれないけどね。

 考えてみる。


「仕事で水着や身体を使うのって、そんなに悪いことですか?」

「――……うちは芝居がしたいの。声の仕事がしたいの。身体を売りたいわけちゃう」


 悔しそうに――……本当に、悔しそうに。


「必死に売り込んで、それでも芝居で取ってもらえないなら……うちが仕事をする意味ないねやんか」


 重たい声で、挫折を語る。

 聞きながら考えたよね。

 いろんな専門学校が声優学科を立ち上げている。ソーシャルゲームからの需要はあっても、アニメに映画にドラマにナレーション。それらの需要には限界があるし、限界があるっていうことは母数を増やせず、ポジションを得るために熾烈な争いが起きているはず。

 ギャラが高いと無理とか。いろんな条件を求められるだろう。その中に特殊な接待があったとして――……男性同士なら飲み、男女ならそれ以上になっても……それが仕事外のコミュニケーションという体裁を取られてしまうと、苦しいけれど抗いにくい現実的な手段のひとつなのかもしれない。

 だからって露骨に求められるっていうのは、それはもう舐められているという一言に尽きるけど。

 いい仕事をするために仕事の領域だけでジャッジする人たちのフィールドにいけたなら、お姉さんのような生き方をしている人はずっと輝くはず。

 でも綺麗な人ばかりじゃない。仕事という領域で自分の欲望を満たすために生きる人もいる。どんな業界でも、それは変わらない。

 ――……だから、競争原理がきらいなんだよね。セクハラ・パワハラって概念は日本じゃまだまだ弱くて、立場が弱い人間は搾取されてしかるべきなんて旧時代の遺物めいた考えで生きている人間を生み出す構造してるから。

 差を理由にハラスメントをする連中が心底きらい。軽蔑するよ。

 でもなー。さすがにアニメ業界の知りあいはいないに等しいし。いたとして、紹介して……それでお姉さんが満たされる道筋も見えない。

 たとえば弁護士さんを紹介して、十代の女の子に無茶な要求をした証拠をおさえて訴えてもねー。それでお姉さんの未来が約束されるわけじゃあないよね。

 世の中は潔癖を求める。

 訴状を抱えているっていうのは、仕事面でかなりきついイメージダウンになる。信用を失うんだ。そして――……ここが本当に日本の嫌いなところなんだけど。

 訴えた人間が完全にシロでも、イメージダウンにつながる。叩く理由になると勘違いするバカがいる。

 刑事裁判における原則は疑わしきは罰せずだ。けれど社会の中には、疑わしきは罰するべし! になってる人も多くいる。悲しいかな、それが現実の一面だと思う。

 なので……訴えて、もし勝っても、お姉さんは苦しめられることになる。裁判が長引くほど、神経は消耗するばかり。

 冷静に分析してみればみるほど……うんざりする一面にめまいがする。いいところももちろんあるけど……いいところばかりじゃないのが、人であり、人が集まる集団であり、集団が住まう国の真実だと思う。完全なシロも、完全なクロもない。

 なぜかって、万能なルールなんて存在しないからだよ。

 だからこそ、大事なのはいつだって――……そんな無理ゲーでどう生きたいかという意思だと思う。まずはね。


「辞めたいんですか?」


 意見はなし。ただ尋ねる。


「……いい加減、無理かもなあとは思ってきてる。同級生は活躍するばかりなのに、うちは全然やし」


 うつむいて、呟く声は重い。

 そりゃあ……しょうがないかもしれない。

 士道誠心はいま、かなり脚光を浴びている。春灯ちゃんだけじゃない。春灯ちゃんの彼氏さんも役者をやるみたいだし、天使のように綺麗なお姉さんことキラリちゃんのファッション雑誌の露出はすごい。写真すべてが煌めいて見える。

 そんなキラリちゃんばり、あるいはもっと凄いファビュラスなお姉さんが、今日卒業した生徒にひとりいる。

 南ルルコさんだ。キラリちゃんと雑誌は違うけど、圧倒的カリスマって感じのビジュアルだった。

 きらきらしている同世代の子たちに囲まれて、自分の結果がでないのは……しかもやりたいことじゃないことを、それでもできればやりたくないことを求められるのは、つらくてたまらないはず。

 そこで――……ふっと、思いついた。けど、まだタイミングじゃない。


「先輩さえ……取られそうになってる。恋も仕事も、うちは……全然だめ」


 どんどん項垂れて――……消え入りそうな声で、


「どないしたらええんやろ……」


 こぼした。けれど、待て。まだ早い。


「……はあ。ごめん、愚痴っちゃった」


 標準語でごまかして、笑う。愛嬌があって、可愛い顔立ちをしている。

 見れば見るほど、魅力に引きよせられる……そんな容姿と、なにより表情がいい。

 お姉さんは目元に浮かんだ涙を指先で拭って、深呼吸をした。

 そして初めて――……ちゃんと、私を見た。


「立沢理華……だっけ。うちはルミナ。ありがとな、話きいてくれて……おかげで落ちついたわ」

「いーえー」


 笑ってみせて、カップの中身を飲んでふうっと気が緩んだの。まさに、いまだ。


「ルミナさん。お芝居がやりたいんです?」

「……まあ、そうやね」

「声じゃなきゃだめです?」

「難しいこと聞くなあ――……いまは、芝居ができればなんでもいいって思ってるよ」


 諦めよりももっとずっと強い渇望。

 報われていないからこそ、露わにされる強すぎる衝動。

 尻尾が生えたがる。

 けれど堪えて、カバンから名刺フォルダを取りだした。

 そして――……最初の一ページ目に入れてある、特別なカードを出す。


「なら――……こういうの、興味ないですか?」

「え――……これって」

「ブラーボ超特急っていう劇団がありまして。座長の潮ユウイチロウさんは日本でめちゃめちゃ売れっ子の監督さんで、最近だとテレビや映画にでる役者さんばかり出るという……ゲストがひたすら豪華で、チケットも完売続きの芝居をやっているんですが……そこの座長さん、理華のお友達なんです」


 思わず名刺と顔を二度見された。


「良い子がいたら紹介して、もちろんガチで試すけど、それでもよければ! ……なんて言われてまして。最初はオーディション。演技がだめならもちろんアウト。それにもし通っても、生半可な芝居ならゲストの華やかさに飲まれて終わり。狭き門ですが」


 尻尾をぐっと堪えて。


「お芝居がやりたいなら……アニメじゃなくてもよければ、こういうご提案ならできますよ? どうします?」

「――……え、え? こ、これ、本物?」

「いますぐ電話して、ふたりで会いに行きます? 理華はいいですよ。飲み友達なんで。まあ私が飲むのはいつもジュースですけどね」


 二度見されたよね。またしても。


「り、理華ちゃんって、なにものなん?」

「やだなあ。ただの中学生……いや、違うな。卒業したんで、ただの女の子ですよ……あくまでね」


 楽しくて仕方ない。嘘や欺瞞で操るのではなく――……人の欲望と夢が叶う瞬間を見るのって、最高に気持ちいい。その瞬間が見られるかもしれない――……。


「やめます?」

「――……や、やる! チャンスやし!」

「よしきた。連絡します。最近は時間が空いているはず。たぶんどっかで役者さんと飲んでいるんじゃないかなあ。だから、アポは取れると思うんで……その前に、抱えている問題を話してくれますか?」


 私的にはむしろ、こっちのほうが――……コイバナのほうが大事。


「先輩とられるって、どういうことです?」

「――……それは、その」


 名刺と私の顔を見て迷う。

 なにより素で、なにより生々しい表情。

 葛藤だ。見るのは楽しいけど、揺さぶって楽しむのは品がないし趣味が悪い。

 あと禍根を残したくはないので、伝えておく。


「言いたくないなら別にだいじょうぶです。連絡も同伴して紹介するのもちゃんとします。会ったらたぶん速攻で試されると思うから、本気で挑む前に気張らしに話しておいたらってだけです。あくまでこれは、気晴らしに話したければぜひっていう、それだけです」

「……まあ、それなら」


 ひっかかっちゃった。

 ――……この人、苦労しているんだろうけど、詰めが甘い。

 私が嘘をついて、ネタを引き出すための探偵とか記者だったらアウトだよ?

 逆に言えば、信頼してもらえているわけで。

 別にいいんだけど……ちょっと心配だ。

 スマホでメッセージを飛ばす。速攻で返事がきた。「いーよー」だってさ。

 働いている人と付き合ってみて実感する。一流だと思える人は慎重で疑り深い。けれどそこを突きぬけた人は異様にフットワークが軽いし、センサーの感度がおかしい。道が開ける可能性を見極める能力が異様に高いのだ。潮さんもそのひとりである。私は何度も会って、いろんなことを教えてもらっている。鮫塚さんと同じ、いやもっと大事なお知り合いのひとりだ。

 彼に下手な人は紹介したくない。私は彼女をいいと思ったけど、私のセンサーはどこまで通用するだろう。

 わからないから、コイバナは大事だ。どんな顔をしてどう語るのかをよくよく見ておきたい。

 そのためにも、スマホの画面を見せて安心させておいた。


「それじゃあ……言える範囲でよければ、どうぞ」


 ひとこと添えたら、それでルミナさんの気持ちは固まったみたい。

 すう、と息を吸いこんでから――……吐き出した瞬間、空気が変わった。

 直感に誘われて、スマホをさりげなく彼女に向けて録画を始めた。


「私の好きな人は、今日卒業したの……あの人、在学中はふたりに恋をしてた」


 不思議だった。喫茶店の音がすべて消え失せて、彼女の声だけが聞こえてくるような――……そんな妙な感覚に襲われた。


「ひとりはね。すぐに吹っ切れていた。諦めていたから。でももうひとりは……ルルコ先輩はちがう。男ってさ。高嶺の花に惹かれたら……その人の居場所を心の中に作るの。理想の人っていう居場所をね。そうして――……付き合う相手と比べる。どんなにいい人でもね」


 染みいるような声が、心に流れ込んでくる。


「最初に気づいたのは、会社の話を彼がしているときだった。やけに名前が挙がるとか、そういう露骨なことはなかったよ? ただ……ただ一度だけ、名前を口にして。うちの名前を呼ぶよりずっと、特別な声で言うの。それで気づいた。ああ……うちを大事にするのと同じか、それよりもっとずっと……大事にしている女の子がいるんだなあって」


 自嘲するように歪んだ笑みさえ、妙に心を惹きつけられる。


「たぶん、初恋なんだ――……悔しいから、脱がしたらいやでも目に入るくらいキスマークをつけたの。卒業式の勢いで、過ちを犯さないように。ふたりが立ち止まるように」


 情念。憎悪。嫉妬。その根底にあるのは、愛。そして――……求めるのは、覚悟。

 キスマークだらけの身体で、それでも初恋に殉じたいのなら……お好きにどうぞ。もういらない。

 そう行動したこの人は、傷だらけでぼろぼろで。夢に打ち砕かれて、心が折れそうで。

 なのに。


「――……私の心に居場所を作ったのなら、もう――……いっそ」


 そう囁いて微笑む。ぞっとするほど美しかった。

 言い終えて――……元の、日常に回帰して笑う。


「なんてね。浮気されたら、諦めて捨てちゃえばいいってわかってる。ただ……夢も恋もこれじゃあ、ちょっと救いがないよねって思っただけ」


 再生を止めた。興奮していた。頬が熱くて、鳥肌が立っていて。昂揚はおさえきれそうになかった。


「いまの、座長さんにみせていいですか?」

「――……撮ってたの? 別にいいけど。ただのうちのコイバナの愚痴だよ?」

「だからこそですよ!」


 即座に送った。呆れた顔をして残りの液体を飲み続けるルミナさんを横目に、私はスマホに表示された新たなメッセージに思わず声をあげた。


『彼女を連れてきてくれる? 会ってみたいし、会わせてみたい』


 だってさ!

 やっばい! あがってきたぞー!

 迷わずタクシーを使って、ルミナさんを連れて都心にあるスタジオへ。

 出迎えてくれたのは脂ののった役者さんばかり。それに、座長の監督である潮さんもいた。

 握手するなりルミナさんに「早速だけど、君の芝居が見たいんだ。エチュード、できるかな?」と言って、テーマを振っていく。

 遠目に見ながら――……楽しみに待つ。

 欲望と夢が叶う、その瞬間がもうすぐ見られるから。

 ただそのときを心の中で尻尾を揺らしながら、待つのみだ――……。


 ◆


 会場にたどりついて卒業生全員が歓声をあげる。

 学院長先生が出してくれたからだ。

 霊力の持ち主は、その霊力に応じて味わい酔える水を。アルコール成分はない。過剰に飲み過ぎても依存症にはならず、肝機能や身体への悪影響もない。

 とはいえ、集まった父兄には説明が難しいので、お水という体裁でみんな受けとった。ジョッキでね。


「それじゃあ乾杯の音頭はメイ! よろしくぅ!」


 ホテルのホールに響き渡るようにマイクで伝えると、渋々メイがあがってきた。

 三学年で最高クラスの霊力の持ち主であるメイは、サユと……南ルルコと同じで、この水にとことん弱い。サユはうわばみ、メイはすぐに酔って顔にでる。ちなみに私は? つぶれて酔ってだめになる。

 こないだの特別授業で学院長先生が差し入れてくれた時に試したから間違いない。


「えー……それじゃあ、ほんとなら会社を興したルルコがやるべきだっていう愚痴は、あとでルルコにやまほど喋らせるからよしとして。みんな、私たちはやり遂げた!」

「「「 おーっ! 」」」

「幸せか!?」

「「「 おーっ! 」」」

「あたしも幸せだ! 今日はめいっぱい騒ぐぞーっ!」

「「「 おーっ! 」」」

「かんぱい!」

「「「 かんぱーいっ! 」」」


 喝采があがる。みんなしてジョッキを重ねる。飲んで、また乾杯して、さらに飲む。

 心が健やかであれば悪酔いはしない。だから――……。


「ユウヤ、大丈夫?」


 早々に飲むのをやめて項垂れてスマホをいじっている大事な男の子に声を掛ける。


「――……まあな」


 ネクタイを締めた首元を手で緩めて、ボタンを開く。見えるのは――……年下の彼女がつけたキスの痕。

 目にして心が揺れた。身体中が震えて、遅れて動揺している自分に気づいて――……年下の彼氏の刀を受け入れた部分が鋭く傷む。


「顔色が悪いぞ……座れ。お前は神水に弱いんだから」


 よろけかけたときにはもう、当たり前のようにユウヤに抱き留められて――……椅子に座らされた。それがちっともいやじゃない。ジロちゃんと同じ? ――……ちょっと違う。

 どきどきしてる。身体が疼いて、心がもっと叫んでる。

 教室で顔を合わせてわき出た、あの鼓動の答えがなにか。


「酔っちゃったかも」

「……惑わせること言うんじゃねえよ」


 ため息を吐いて隣の椅子に腰掛ける。

 ふたりでみんながプログラムに従って馬鹿騒ぎをしている光景を見つめて――……肩を寄せて囁く。


「このままだとさ」

「まずいよな……わかってる」

「なんでかな……ホテルの鍵をだされたらついていきそう」

「俺も雰囲気に流されてふと浮かんだよ、それ……そんなことしたら、取り返しがつかないよな」


 同じタイミングで笑いあっちゃった。


「ルルコのこと、好き?」

「まあな」

「……ルルコも、ユウヤのことが好き」

「けど……お互いに、特別ではあっても一番じゃない」

「……そうなんだよね」


 人はこういう気持ちの片付け方がわからなくて、恋人とするように愛し合ったりしちゃうのかな。乗り換えるにせよ、乗り換えないにせよ、一人で留まるならわかりやすい。けど同時進行ならそれは浮気や不倫になる。

 私もユウヤも、会社を育てている真っ最中だ。

 お互いの恋人たちはまだ幼く、私たち自身もまだまだ幼い。だからお互いの恋人たちはもちろん――……従業員になってくれた、大事な仲間たちの人生を狂わせるようなリスクは犯せない。


「それで、対策は?」

「まず、お前の護衛は羽村にやらせる」

「……でも営業回りでユウヤとふたりで行動する必要があるのは変わらないよ?」

「羽村が仕込めそうなら仕込むし、そうじゃなけりゃあ別の手を考える。とにかく、ふたりきりはよそう。お前のナイトは既にいるんだからな」

「――……ふうん?」


 ユウヤを横目で見て、笑って水を飲んだ。

 心が揺れて昂揚が増してきた。痛みは引いて――……心地よい愉悦が満ちていく。


「やらしい人たちからユウヤが守ってくれたのも嬉しかったけど」

「それがまずいんだ」

「その通りだね」


 またまた、笑いあう。


「でもね……営業はまだルルコだけじゃできないし。ユウヤの代わりはいない」

「俺を口説きすぎだ」

「ほんとのことだから。ただ……この気持ちを形にするタイミングはきっと、お互いが独り身じゃないとね」

「たしかに――……おっと」


 ユウヤの首元に手を伸ばして、年下の女の子が必死に私から守ろうとつけた痕をネクタイを締めて隠す。


「なんか、わるいな」

「べつに? ただ、果報者とは思うかな……羨ましくなるくらい」


 ルミナちゃん。あなたのつけた痕の役割は終えたからもういいよね。

 見たくもないし、もうメッセージは受けとったから、いいよね――……。


「お前の場合、俺より先に真中が待ってるからな」

「メイなら先輩と結婚しちゃうかもよ?」

「それでも……南ルルコをひとりにしない女だよ、あいつは」


 噛みしめるように言って笑う。


「じゃあ、まあ……お互い、人生でもし……孤独になったらってことで……どうだ?」

「うん、じゃあ……そういうことで」


 すっと立ち上がる。


「対策、お願いね」

「明日には羽村に対する書面を用意する。営業回りはもう少し時間をくれ。適任が見つかり次第、なんとかする……それか、外部から雇うか?」

「それはなし。知りもしない大人を雇って行動できるほど、ルルコたちは成熟してない……たとえばもし、ユウヤみたいに異様に顔が広くて、行動力があって、頭も回るような人がいたら……話は別だけど」

「ジロウか北野に頼むか? あれでふたりとも切れるぞ」

「だからこそジロちゃんにはミツハの、サユには遊撃部隊でみんなの調整役をお願いしてるからだめ」

「なら……白兎か双子の妹でも引っぱるか?」

「あのふたりはだめ」

「……なんでだ?」

「ユリアちゃんは腹芸するタイプじゃないし、ラビくんは大事な局面で悪戯しちゃう悪癖がある。引っぱりたいのはコナちゃんだけど、士道誠心の生徒会長は忙しいだろうから……芸能人の仕事もあるのに、これ以上へんな負荷をかけたくない」

「尾張や緋迎は? ほかにも二年生には何人も粒が揃ってるが」

「ふたりはもうちょっと育って欲しいから見守りたいんだよね……むしろ即戦力は一年生のマドカちゃんだけど、まだまだ危ういところがあるから」

「緋迎たちと同じか。ほかの一年生でもだめか?」

「いい子がいればいいけどなあ。社会人を相手にユウヤなみに活躍できる人となると、むつかしい。大人の社会はルルコたちを舐めてくるし、それにかちんとくるようじゃやっていけないの。そうなると、精神的に成熟した大人でなきゃ困る。そんな子いる?」

「そりゃあ……なかなかいないもんだな……」


 どや顔をするんじゃなくて、わりと真剣に悩んでいるところがユウヤのいいところ。

 もちろん有望株はいるよ? 住良木くんとか、月見島くんとか。でも月見島くんはどちらかといえば会社員というより武人だし、住良木くんは住良木財閥の御曹司という体裁がすこぶる扱いにくい。

 彼本人が望んで入ってきてくれるならまだしも、ぽんと利用していいものじゃない。楽だけどね。箔が付くからさ。だからこそ、悩ましくもある。住良木には出資してもらっているけれど、別に子会社になりたいわけじゃないから。だから資本金はルルコの貯金をはたいたんだ。

 議決権を譲りたくはないし、他社の色を出したいわけでもない。なので……やっぱり住良木くんは難しい。ユウヤもそれはわかっているんだろう。唸るだけだ。


「たとえば歌で活躍するハルちゃん級に、営業で活躍できる子がいればいいんだけどね。見つかるまでは保留ということで――……ユウヤ」


 ため息をつくユウヤに自分のジョッキをみせた。

 仕方なくだけど、ジョッキを掲げてくれるから――……重ねる。


「乾杯。これからもよろしく」

「――……ああ。よろしく」


 彼から離れる。

 さっそく酔いがまわって顔を真っ赤にして上機嫌に笑うメイの元へ。

 ちっちゃな身体に抱きついて、ふたりでジョッキを空にする。ひとりでばかすか飲んでいるサユのもとに駆けていって、絡んで笑う。

 みんなでさんざんはしゃいで、先生たちとだべったりして、スマホの容量がうまっちゃうんじゃないかっていうくらい写真や動画をたくさん撮った。

 そうして……当たり前のように、メイとサユと手を繋いでうちに帰ったの。

 さんざん飲んで上機嫌のサユはすぐに寝ちゃった。布団に入り込んで、瞼を伏せる。

 もう……心は痛くない。ささやかななにかのフラグは、そっと下ろす。そうして――……お互いに語れる未来に変えたよ。

 だって、私もユウヤも……もう、大事なものを持っている。

 恋人、愛する片割れ、そして仲間たち……みんながいられる居場所。恵まれすぎているし……これ以上を望んで叶えられるほど、大人になりきれてもいない。

 正直に言えば、やられちゃった。年下の女の子の熱意に。だからかな。わりと吹っ切れてる。

 もし、が叶うような状況になったなら、迷わないとは思う。

 けれど――……それは今じゃないし、こないかもしれない。

 それでいい。それでいいの。

 高校を卒業する。次の進路へ。けれどそれはすべて、人生の上に成り立つもの。


「ルルコ……手がすっごく冷たいよ。だいじょうぶ?」


 ぽかぽかする日向のぬくもりを伝えてくれるメイに微笑む。


「子供を卒業しなきゃなあって思っただけ。だいじょうぶだよ……」


 真ん中に寝ている愛する半身に抱きついて、目を伏せた。

 手にした絆で確実に幸せに過ごせる道をいこう。笑っていたいし、笑顔にしたい。

 奪う暇はない。欠片も。だから――……淡い恋をする時期はもう、卒業しよう。

 そう思うと――……今度は私自身の心が軋む。痛くてたまらなくなる。指先がどんどん冷えて、身体を氷に変えたがる霊力をおさえられない。

 ぎゅっと目を閉じようとした。けれど、ふっと目の前に浮かんだ小さな花火に目を奪われた。

 メイが手のひらを置いて、自分の霊子を放ってくれているんだ。


「ハルちゃんの……みんなの力に触れて、要領を掴んだ。おっきいのはまだ無理だけど、ルルコに楽しんでもらうくらいならできるよ」


 柔らかく微笑んで、ベッドに手をかざす。

 暗闇に花が咲く。涙の雫のように落ちて――……消えていく。

 それでも、何度も何度も輝き続ける――……。


「無理に何かになろうとしなくていい。ルルコはルルコのままでいいの」


 胸に咲いていく。メイの心が伝わってくる。

 そうして――……私の中にある種に、栄養を注いでくれるんだ。

 咲いていく。溶けていく。熱が戻ってくる。

 胸一杯に息を吸いこんだ。そして――……自分を捨てたがる気持ちから卒業しようと思った。

 私は私のやりたいように生きる。そう決めた。

 迷い、惑い、それでも明日に向かって生きていく。これまでのように、これからも。

 だからまずは、


「だいすき」


 ささやいて、私たちの真ん中にいてくれるとびきり大事で愛しいメイに抱きつくことにしたの。

 眠るときには終わる花火。だけどまたあげればいい。

 何度だって。何度だって。

 そうして生きていくんだ。

 まずは――……つながる絆の色から、ゆっくりとたしかめていこう。

 ねえ、羽村くん。

 きみに会いたくてたまらないの。

 デートに誘うから……そのときは、全力でいくから。覚悟していてね?




 つづく!

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