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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第二十章 願う心覗いて、文化祭

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第二百五十話

 



 彼氏の勧めで挑戦! ……なんてタイミングが南ルルコに訪れるとは思わなかった。

 まさか十八歳にしてこんな体験をするとは。

 いやいや。世の中、晩婚化の時代らしいからね。付き合う年齢が三十過ぎという恋愛漫画があるくらいだし。

 舐めてはいけない。ルルコは早い方……ルルコは早い方……。

 だからなんだ。

 どうなの。わかんないよ、もう。

 とにかく、食堂で体調を崩したことを理由におばちゃんのご厚意で作っていただいた雑炊を食べ終えて、どきどきしながらメイの部屋を訪ねた。

 大事な話がしたい。話題はみんなの進路について。そう伝えてある。サユにも。

 二人にどう話そうか、頭の中でシミュレーションはした。シロウさんからいただいたファイルも持ってきた。

 けど怖い。怖いよ。

 二人との間に積み重ねてきた思い出はルルコを支えてくれるかな。

 絆は……離れたりしないかな。

 羽村くんは大丈夫だよって笑ってくれたけど、ルルコは不安でしょうがない。彼氏同伴が許されるなら迷わずついてきてもらっただろう。情けなさ過ぎてしないけど。ルルコの戦いなんだから、ルルコがやらずに誰がやる! だよ。


「よし」


 意気込んですぐに弱る力で、恐る恐るノックをした。すぐに扉が開く。

 そこにいたのは綺羅くんでした。


「遅えぞ。早く来いよ」

「……なんでメイの部屋に綺羅くんがいるの」

「一瞬で殺意が籠もるその顔やめろ、マジで怖いから。だいたい、俺だけじゃねえよ」


 扉を大きく開いたおかげでメイのお部屋が見える。

 強く厳しく美しく、優しい。真中メイの部屋はそのイメージに反してファンシーグッズだらけで可愛い。ペンギンやイルカのぬいぐるみを抱いてだらけていたメイとサユがすぐに声を掛けてくる。


「ルルコ。みんなの進路の話っていうから呼んでおいたよ。サユの発案だけど」

「メイは話の内容がさっぱり想像できてないみたいだけど、私はだいたい予想がついてるから。三年の主要メンバーだけだけど、いいよね?」


 二人の一番そばにいる女の子を見る。

 士道誠心高等部でも徒手空拳最強の呼び声高い刀鍛冶。楠ミツハ。メイとサユとルルコの刀鍛冶になってくれた女性の先輩たちが卒業してからずっと面倒を見てくれる子だ。ブタのぬいぐるみを抱いて手を振ってくれているが、その手が握りしめられた時の威力を知らない侍候補生は三年生の中には一人もいない。

 ミツハは怒らせちゃいけない。

 刀鍛冶の能力強化と改革の主翼を担ってきたのは、他でもない……彼女なのだから。


「ルルコの真剣な話なんて初めてだけど……邪魔なら帰るよ?」


 さすがルルコのことを担当してくれる刀鍛冶だ。

 こちらの性格や考えぐらい、お見通しなのだろう。

 一瞬悩んだけど、わがままになるなら……ここで拒絶するのは違う。


「いいよ。いてくれた方が助かる」

「ヒュウ! 豪儀だねえ。いい儲け話が聞けそうじゃねえか」


 口笛を鳴らす男子はメイのベッドに寝転がっていた。

 元軽音楽部、貧乏神の刀を持つ……周囲の福を吸いこむ男、伊福部ユウヤ。

 異様に顔が利くうえに、だれかの心の弱みや願いを掴むことが凄く上手。それを叶える副業で中学までに荒稼ぎをしたという、やばい奴だ。しかも叶える手段は確実だが最悪すぎるのだ。

 それ以上に最悪なのは、繰り返すけど真中メイのベッドを独占している事実だ。


「ユウヤ、メイのベッドからおりて。凍らせるよ?」

「いやだね。乳臭い部屋で我慢してやってんだ。好きな場所にいさせろよ」


 こいつの笑顔は見ている者の福を吸いこむ貧乏神そのものだ。

 憎らしいのはつい許しちゃうくらい、甘いマスクのイケメンだという事実。だから隠れファンは多い。

 まあ、ルルコは違うけどね。ただただ腹が立つけどね。

 でもユウヤの暴言はいつものことなのでみんなはスルーしてる。しょうがない、我慢だ。


「ねえ、南さん。話の内容次第だけど……ボードとか借りてくればよかったかな」

「あ……ジロちゃん。だいじょうぶだよ、ありがと」

「いいよ。俺でよければなんでも言って」


 大人しい顔をした優男は響ジロウ。愛称はジロちゃん。綺羅くんに負けず劣らず大柄。水泳で鍛えた肉体美をこっそり楽しむ女子は多い。

 彼もミツハ同様に刀鍛冶だ。けど優しくておっとりしているから、もっぱらミツハの参謀役兼調整役におさまっている。

 男女ともに評判がよく、ジロちゃんを嫌いな人はいない。まさに文字通りのいい人だ。

 メイ、サユ、綺羅くんにミツハにユウヤ、ジロちゃん。

 集まって六人。十分だ。

 三年生の顔役は集まっている。

 ……銀のスプーンの漫画であの男の子はどんな気持ちだったんだろうって、ふと思った。

 胸に抱いている青いファイルを広げようかどうしようか悩んで、やめた。


「あの。みんなにお願いがあるの」


 素直な気持ちから入ろう。


「卒業してもみんなと一緒にいられる場所が作りたいの」


 みんなの視線がルルコに集まる。

 表情はまだ、なんともいえないもの。だから続けて言おう。


「隔離世のビジネスが始まろうとしている中で、ただ警察に行くのがプロの形とは思わないの」


 黙って聞いてくれているみんなの沈黙は、あまり固くない。

 ジロちゃん以外は一癖も二癖もあるのに。特にユウヤね。

 でも次の言葉を待ってくれているのなら、言おう。


「社会人になったら社会人の枠組みの中で新しい縁を築いていくのが普通。そんなのルルコだって知ってる。でもね? 今のご時世なら、ルルコたちで身の証を立てられるかもって思うの」

「それで……具体的な話を知りたくて、ルルコはあの狼男と会ってたんだ」


 メイが何かを呟いた。きょとんとしたら、メイはあわてて両手を振って「いいから続けて!」って言ってきました。

 な、なんだろう? 気になるけど、今は話を続けなきゃ。


「調べたの。侍と刀鍛冶の年収……刀鍛冶は個人で仕事もできるけど、侍は警察に入るしかない。それに侍で昇進できているのは今まで緋迎家の人とかごく一部で、それ以外はそうでもないの。そうなると――」


 具体的な数字を言う。

 給料や年金の金額や、福利厚生その他諸々。

 ベースは国家公務員の中でも低めの水準。

 企業勤めの役職クラスに比べると、ちょっと唸っちゃうラインだ。


「それで、刀鍛冶はね? 警察に所属したら侍と同じ金額になるんだけど。個人でやっている場合……正直、それだけで生計を立てられる人はごく一部。できる刀鍛冶ほど人気が集まるからね。人気が集まるなら――」


 年収は結構いい金額になる。

 年に二回は海外旅行に行って、三年に一回は家電を入れ替えられるくらいの裕福さかな。

 ざっくり。適当にね。

 だけど。


「人気が集まらない人は、早々に家庭に入っちゃったり副業にしちゃう」


 そこまで説明し終わる頃にはみんなの顔が渋いものになっていた。

 わかるよ。当然だよ。

 夢を求めて士道誠心に入って掴んだのに、それで現実を生きようとすると……ね。

 あんまりうま味のある仕事じゃない。

 隔離世には夢がある。刀は夢そのものだろう。

 でもそれだけでは食べていけないし、生きていけない。

 そして収入は生活を作る。どう足掻いても。

 所得の楔から解き放たれることはない。現代の日本では難しすぎるんだ。


「枠組みが必要だと思うの。ルルコたちが夢を掴んだまま、それを曇らせることなく活用できる場所が」

「それがルルコの夢なの?」


 サユの言葉に頷いた。


「みんなで一緒にいられる居場所。まだまだ隔離世ビジネスは始まったばかりで、需要は正直まだ全然みたい」


 青いファイルをぎゅっと抱き締める。

 この中に書いてある情報、すべてシロウさんが善意で教えてくれたデータだ。シロウさんが積み重ねた起業するために必要なことが詰まっている。


「だけど世界でも指折りの企業グループである住良木が各国の凄い企業と総力を挙げて、どんどんどんどん現世との影響を科学的に立証していくの。きっと需要は生まれるよ! だから……だから、やるなら今だと思うの」

「いや、まだ早すぎるだろ。そもそも資本金はどうすんだよ」


 真っ先にツッコミを入れたのはユウヤだった。


「運転資金は。事務所は。給与は。誰が働く。誰が依頼人でどんな仕事だ。まさか民間から依頼された邪討伐なんて言わないよな? 南本人が言った通り、まだまだ需要なんて生まれちゃいないぜ」


 ぐぬぬ、と唸る。突っ込まれたくないお腹を全力で刺しに来るから、ユウヤは嫌い。

 損得の話に敏感なんだ。

 だからこそ、これに答えられなきゃしょうがない。


「資本金はルルコの貯金を使う。事務所は……表面上はルルコの実家にして、当面なしの方向。仕事だけど、最初は住良木グループの人からもらう。窓口になっている人への伝手はもうある」


 一年生の住良木レオくん……ではなく。シロウさんから名刺をもらっている。次の週末、時間をもらっているので会いに行ってくる予定だということも、ちゃんとみんなに伝える。


「大企業グループの協力をしながら企業を優先的に相手して、顧客を徐々に増やしていくの。紹介してくれたシロウさんの会社は社員三名。ルルコたちよりも経験値があるから、細々とした仕事に対応しきれなくなってきたんだって。でも」

「私たち三年生が大勢で協力すれば住良木が喜び、私たちもお金ももらえる、か」

「そういうことだよ、ミツハ」


 頷く。よしよし、いい感じだと思った時でした。


「待てよ。じゃあその住良木との契約はどうなる。金勘定は。どの程度の規模が南の会社に所属して、どれくらい赤字になっていつから黒字に転換できる見込みだ? そもそも最初の運転資金がないだろ。融資は受けるのか、受けないのか。数字がなきゃ話ができねえだろ」


 ううう。ユウヤめ……!


「そ、そのへんは……おいおい、これからです。取り付けたら話すよ……」

「ばっかじゃねえの。稼働に保証がないビジネスに誰が融資するんだよ」

「す、住良木グループが相手なんだからきっとなんとか、」

「ならねえよ。契約もこれからってんなら、むしろそのへんも面倒みてくれって言うくらいじゃねえと。住良木にうま味がなければ、そもそも相手にしてくれねえだろうけど」

「う、うう。うるさいなあ! ちゃんとやるもん!」

「子供みてえに怒るお前にできんのかよ」

「じゃあユウヤにはできるっていうの!?」

「はっ、楽勝だよ」


 くううっ。メイのベッドを堪能して好き勝手いいやがって……!


「じゃあユウヤが週末、南さんと一緒についていってそれはなんとかしてもらおうよ」

「はあ!? ジロウてめえ、なにいってんの! 俺がなんでそんな得にならないことしなきゃなんねえの!」

「でも南さんのビジネスがもしうまくいったら……隔離世ビジネスにおける邪討伐の民間企業、第一人者になれたらそうとう儲かると思うよ。ユウヤもそれがわかっているからツッコミ入れてるんじゃないの?」

「まあ……それもそうだけどよ」

「はい、じゃあユウヤが財政や契約回りの担当ってことで決定だね」

「ちっ、ジロウが言うならしょうがねえ。おい、ぶりっこ女! そのファイルよこせ、対策考えるから」


 全力でファイルを投げつけてやったよね。


「南さん、続けて」


 話をまとめてくれたジロちゃん、マジ天使……!


「え、えっと。給料の話をしてなかったね。シロウさんからざっと数字を聞いているんだけど、住良木にとってもかなり巨額の投資をしているみたい。だからうまく交渉できたら、少なくとも……その。仮に三年生全員が協力してくれたとして、今の邪討伐の手当金くらいはみんなに毎月きちんと渡せると思う。頑張るつもり」

「アルバイトかよ」

「ユウヤはいちいちうるさい! みんなのお給料ってなると結構な金額になるんだから、会社がきちんと成長するまでの間はしょうがないの!」

「まあ……そのへんは交渉次第だな。俺らは社会から見たらガキの集まりだから、なんか考えないと舐められて足下見られるに違いない。そもそも実現の可能性も見えないしな。そのために何が出来るか、か。逆に言えば……いいね。儲け話の匂いがするぜ」


 自分勝手に納得して、ファイルを眺めながら黙り込んだ。まったく。


「なあ、南」


 綺羅くんが落ち着かない顔で手を挙げた。


「つまり、俺らにどうしてほしいわけ」

「いや、それくらいわかるでしょ」

「ミツハにはわかっても、俺にはわかんねえの」

「さすが脳筋」

「……悪かったな」


 ミツハには敵わないのか、綺羅くんがぶすっとしながら黙る。

 それよりも気になるのはメイだ。

 サユは楽しそうに話を聞いているけど、メイは無表情。

 だから言うのが怖い。これから言うことは、かなりのわがままだから。

 言葉を選んで伝えよう。


「大学に行ってもいい。専門に行ってもいい。でも……士道誠心の絆を捨てないでほしい。みんな、これからも一緒にいたい」

「言い換えたら? 将来的な進路を公務員から社員に切り変えて、三年生全員でこれからも一緒にこの先どうなるかわからない夢を見ようって」

「……うう。ミツハきつい」

「本質から目を逸らしがちなのが、南ルルコの未熟な癖」

「ううっ」


 綺羅くんのこと言えない。ルルコもミツハ相手には言い返せない。どんな攻撃も跳ね返して歩いてくるミツハはまさに人類最強って感じだから。

 どきどきしながら見渡す。

 ジロちゃんは笑ってくれていて、ユウヤはファイルとにらめっこ。ミツハの表情に否定の色は見えない。サユは楽しそう。綺羅くんはきょとんとしてる。

 そんな中で声を上げたのは、


「どうしようかな」


 メイだった。


「……みんなで一緒にいたいからっていうなら、私はいや」


 その言葉に心が張り裂けそうになった。


「だって、それは私の夢の一つだから自分で叶えたい。その行く先が警察でも、別にいいじゃないって……ルルコの話を聞いてもなお、思う」


 挫けそうだ。


「でも」


 怯える私を見つめるメイの顔に表情が浮かぶ。


「考えてたの。邪を倒して人々を暗い欲望から救おうっていう、先輩の見た夢は……あんなことになっちゃっても、それでも立派で凄かったって」


 メイが言う先輩といえば、もう一人しかいない。

 ルルコたちにとっての生徒会長はただ一人。志半ばで倒れた、あの人しかいない。


「みんなを守るおまわりさんもステキだけど。もっと自由にがつがつやろうっていうなら、ルルコの夢も悪くない」

「……いいの?」

「大学通いながらでも働かせてくれるんならね」

「メイ!」


 飛びついても笑って受け止めてくれた。

 あったかい。羽村くんの熱はおっかなびっくりになっちゃうけど、メイはその段階を通り過ぎているので素直に求めちゃう。


「楽しそうだから私も一枚噛む」

「サユ!」


 抱き寄せて笑い合う。

 それからはたと気づいて、恐る恐るミツハを見た。


「ミツハは……どうする?」

「どうもこうも。刀鍛冶の未来が今のままじゃ苦しいことなんて、言われるまでもなくわかってるから。実現についてはユウヤのがんばり次第のようだけど、悪くない条件を取り付けられたのなら、みんなの説得はジロちゃんがなんとかするよ」

「あはは……やっぱり俺なんだ」


 当然でしょ、と呟いてから、ミツハが俯いた。


「あの人が倒れてから……がむしゃらに強くなろうとしてきた。でもそれだけじゃ、その積み重ねは活かされることなく埋もれて終わり。そんなの嫌だから。並木や佳村たち後輩の受け皿も作りたいし、やるならハンパは嫌だ」


 強い言葉に思わずみんなが黙り込む。


「誰もハンパなんてしないよ。ハンパじゃすぐに潰れる。世界はそれほど甘くない……でも、どうしてかな。俺にはみんなで全力を出したら、そりゃあ苦しい時期はあるだろうけど頑張れそうだって思うんだ」


 ジロちゃん……! マジ癒やし……!


「よくわかんねえけど、なんとかなるならやるぜ。愚連隊の連中にも声を掛けとく」


 綺羅くん、脳筋……。


「ユウヤは?」

「儲け話の匂いがするからやるぜー。じゃなきゃファイルよこせなんて言わねえよ、ブス!」


 いちいちかちんとくるなあ! もう!

 ああ、でも。少なくとも三年生の主軸たるメンバーの意見は固まったようだ。

 まだまだこれからだけど、ルルコはわがままに未来を求めていこうと思う。

 それはそれとして。


「ユウヤ、いい加減メイのベッドからおりてよ!」

「なんでだよ」

「メイの匂いを堪能できなくなるでしょ!」

「うっせえうっせえ。ぶりっこの急所は同性の友達とか、ああめんどくせえ」

「う~~! メイが寝るときユウヤの匂いがするベッドだなんて、ホントあり得ないから!」

「気にしすぎなんだよ。男の匂いが気になるとしたって、真中も消臭剤くらい使うだろ。トイレにあんの見たぞ」

「トイレじゃん! っていうかメイの部屋のトイレ入るとか最低!」

「はあ? クソくらいさせろよ自由に」

「ほんっっっっとにデリカシーない!」

「よかったな。お前との将来が欠片も感じられなくてほっとしたよ」

「くぬぬぬぬ!」


 ぎゃあぎゃあ騒ぐ私とユウヤを他のみんながやれやれって顔で見守っていた。

 この面子で集まるとだいたいこうだからしょうがない。

 ひとしきり言い合ってひと息ついた時だった。

 メイにぎゅっと抱き締められたのは。頭をぽんぽんと叩くようにして撫でられる。


「これからは一緒にがんばるから。絶対に、一人で無理しないでよ?」

「メイ……!」


 気遣いを見せてくれるから、好き。

 サユが肩を竦めて、ミツハが呟く。


「メイ……あのさ。そういうことするからルルコがこじらせるって、そろそろ気づいた方がいいよ」


 いいの! 大歓迎ですから!




 つづく。

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