第二百九話
放課後、二年生の合戦時の方針を決めようとしたらラビから「カナタ」と呼ばれて、相談を持ちかけられた。
シオリが妙に厳しい顔をしてラビを睨んでいたり、並木さんが妙にすっきりした顔をしていることに原因があるのか。
悩む俺に事情をすべて説明してから、ラビは言った。
「カナタ。君ならどうする?」
「……どうもこうも」
頭痛がする。
モテる男はつらいな、と。気軽な友人なら茶化して話を聞いて終わりだ。
だがラビ相手にそれはできない。こいつは滅多に腹の内を明かして相談なんてしない男だ。
これはよほどのことなんだ。
真中先輩と並木さんの二人の想いに揺れるお前はまるでヒロインのようだな、とか。思いつきはしたが、しかし言うべき言葉でもなさそうだ。
考えてみる。
渦中の人物である並木さんに以前告白された時、俺は既にハルと付き合っていた。けれど大事なのは交際の事実だ、とは言わない。
「お前の気持ちが肝心なんじゃないか」
「……気持ちか」
屋上に人はいなかった。風が冷たい。夏の熱気をゆっくりと、確実に追い払って秋へと変えていく風だ。
「俺なら好きな方を選ぶよ」
「なぜかな」
「……高校生の恋愛は、大概においてどこかで破綻する。若さゆえにか、未熟ゆえにか……それはしらないが」
長く息を吐く。
「それでも結ばれる者もいる。なぜか。どんなことがあっても相手の手を離さず、愛する気持ちがあるからじゃないか」
思い浮かぶのはハルの顔。ハルと過ごした夏休みの日々だ。順風満帆だったとはいわない。ケンカをした日もあった。それでも充実した毎日だった。
「一時の熱病か、それとも揺らがない気持ちなのか。今はどちらか、未来にどうなるのか」
つらつらと喋ってはみたが、それは答えになっているようでなっていない。
結局のところ、
「理屈じゃなくて、お前の気持ちが答えだと俺は思うよ」
「……わかれば苦労しないよ」
珍しい。ラビが愚痴を吐くなんて。
でも説明を聞いた時点で、それほどの事態になっているとも感じた。
憧れて大好きになった女の子へのどう足掻いても捨てきれない思いと、自分で育んできたかけがえのない思い。
人によって答えは変わるだろう。ラビにとっては葛藤するのに十分な選択肢なのだ。
「男の恋は別名保存だと言うな」
「からかわないでくれ」
「いや……たださ。なあ、ラビ」
フェンスに身体を預けて空を見上げる。
「俺たちが捕まらなかった程度で諦めて、並木さんに会いに行った時点で……お前にとって彼女が特別なのは間違いないんじゃないか」
「それは……」
ラビが苦しそうに呼吸する。
「真中先輩を選んだとしても……この先、お前が同じような状況になった時。きっと最初に並木さんを思い浮かべるんだと思う。それは誰にとっても残酷だ」
「二人に失礼、か」
「それ以前にさ。お前の幸せになるのかなって……俺は疑問だよ。切っ掛けはケンカよりもむしろ、お前が並木さんに頼ったところだと思うからさ。それは幸せなのかな」
ラビが不思議そうな顔で俺を見た。
「僕の幸せって……どういうことだ?」
「だって今のお前は苦しんでるだろ?」
「それは……そうだけど。二人に比べたら、」
「比べることないだろ。それぞれに苦しんでいて、それがどういう苦しみなのか理解することは必要かもしれない。だが、それを理由に選んでも先はないと思うぞ」
だいたい、二人はもう答えを出している。
もっとも残酷でもっとも優しい方法で。
ラビの答えに従う、という結論を出しているんだ。
それはラビへの愛情の証だと言えるし、ラビの魂を縛る呪いのようにも思える。
けれどすべてラビが始めたことだから、仕方ないことだとさえ思う。ラビの気持ちに二人が応えた結果でしかないのだ。
缶コーヒーでも買ってくればよかったな。そう思いながら両手をポケットに入れる。
「お前の献身を今更疑わない。だから真中先輩自身がお前に言ってる。どっちを選んでもいいって。でも」
俯く。
「真中先輩を選んで――……このままいったら、いつか間違いが起きる」
「……間違い?」
「夜の海辺にタンデムで移動。挙げ句、二人きりの砂浜で花火をするなんて、絶好のシチュエーションじゃないか」
「僕は、別に」
自覚してないなら、厄介な奴だ。まったく。
「並木さんの心は確かに動いたんだ」
「――……コナちゃん」
俺の言葉にラビが俯いた。認めようとしないのか、認めたらどうなるのかが怖いのか。
きっと後者だろうな。
なあ、ラビ。
俺はもう答えは出ていると思うんだ。それがどんなに後ろ指さされる選択だとしても……当の本人たちが納得しているのなら、もうとっくに答えは出ていると思うんだ。
お前はどうするんだろうな。
俺なら気持ちに素直にいるよ。
二人はどんな答えだろうと、お前の選択を望んでいるのだから。どんな結果であれ、選ぶしかない。
指標の基準は単純だ。
「つらいとき、かなしいとき。くるしいとき……それだけじゃない。幸せなとき、嬉しいとき。真っ先に浮かぶ顔が答えだと思うぞ」
肩を叩いて離れる。
少し考えていく、というラビを置いて、俺は教室に戻ったのだった。
しかし、なるほど。シオリが険しい顔をするわけだ。女子の仲間に相談せずに俺に話したからには自覚があるのだろう。
犯した罪の重さに溺れそうなんだ、ラビは。
だとしてもそれは、すべてが噛み合わなかっただけ。
ラビ。お前はその瞬間に彼女を頼った。
むしろ罪があるとすれば……それは。
「誰かと本気で向き合う機会に気づけなかったことなのかもしれないな」
ラビには言わずに、俺はそっとため息を吐いたのだった。
並木さんの片思いに気づかなかった俺には指摘する資格などないのだから。
◆
並木さんに呼ばれて生徒会室に集まる。
ラビを抜いたメンバーを見渡して彼女は言った。
「二年生の合戦の方針を固めます。さっきラビから一任を取り付けたので……緋迎くん、話を進めてもいいかな」
「あ、ああ。もちろんだ」
なぜ俺に、と思ったが、そう言えば俺は副会長だった。
ラビを抜いての打ち合わせは思っていたよりもスムーズに済んだ。
並木さんの発揮するリーダーシップは凄い。
よく思う。なぜ彼女が生徒会長ではないのか。けれど彼女は立候補せず、ラビを支持した。それが答えだ。
そんな彼女の輝きを誰より真っ正直に信じているのがシオリだ。だから並木さんの視線の先にいるのが恋人がいながら惑わせるラビなら、シオリに許せるはずもない。
ラビは今回、遊撃隊に組み込んでシオリと距離をおいた方がいいかもしれないな。
そんなことを考えていたら向かい側から足を突かれた。
「……ん。んっんー」
見れば咳払いをしたユリアが困った顔をして、視線を隣に座るシオリに向ける。
そっとシオリを見て、ユリアの行動に納得した。
シオリ、ちょっと普通に怒ってる。眉間の皺がすごい。
「――……というわけで、一年生の刀鍛冶覚醒作戦は以上です。何か質問は?」
「「「 ありません 」」」
「よろしい。では次に――……」
三人でそろって返事をした俺たちに気をよくしたのか、並木さんの説明が続く。
明朗に語られる内容を聞きながら俺はもう一度シオリを見た。
皺が消えないのがいい証拠だ。やはりシオリは怒ってる。
ユリアが何度も俺にどうにかして、と救いを求める視線を送ってきたけど、シオリは一旦怒るとしばらく持続するタイプなので今は無理。まずい。タイミングが悪すぎる。シオリの中で状況を整理する時間が必要だ。だから並木さんも敢えて言及しないのだろう。
打ち合わせが終わって、一年生を導く方針が固まった。並木さんは真中先輩と似ているところがあるな。真中先輩のように導くのが得意というか、道を照らすのが得意というか。
けれど違うところもある。
ラビとのケンカのエピソード、いつだったか道を誤ったハルへの指導をはじめ、メイ先輩は強くて厳しくて激しい。だからこそ彼女を中心とする三年生はそのままプロになれるんじゃないかと思うほどに統率が取れているし、それは彼女が侍に向いた資質を持っている証明だと思う。
自分の心に偽りなく生きること。
そうでなければ心は曇り、刀は錆びる。
侍に求められる素直さ、正直さをあの人は強く持っていると思う。
けれど並木さんは違う。
彼女は強くて激しいけれど優しい。だからこそどこか人間嫌いなところのあるシオリさえ心から素直に懐いているのだろう。ハルも彼女が大好きだ。
なるほど、刀を――……心を愛する刀鍛冶に、彼女ほど向いている者もいないのかもしれない。砂浜でのエピソードもそうだ。心揺れてなお、ラビの背中を押せる彼女の優しさは途方もない。その愛は誰よりも深いのかもしれない。
二人の違いを、ラビがわかっていないとも思えない。
そして恐らくその違いこそ、明暗を分けることにも――……気づいていないはずがない。
ふ、と息を吐いた。
俺まで張り詰めてどうする。並木さんに任せっぱなしでもいられない。俺もみんなを支えて、二年生の先頭に立たないと。
そう思って立ち上がった時だった。
「カナタ、ちょっといい?」
怒った声でシオリに呼ばれて、俺は顔を引き締めた。
◆
誰もいない夜の教室で切り出されたシオリの用件は直球だった。
「今日、ラビと二人で屋上に行ったよね。なにを話したの」
「……ううん」
シオリの言葉に唸る。説明するべきか、いなか。
彼女は疑う余地なく並木さんの味方だ。話してもただただラビへのヘイトを稼ぐことにしかならない気がする。それを俺に責めることはできない。シオリは並木さんの味方なのだから。
「……並木さんから事情を聞いているのか?」
「探ればすぐにわかるよ。ボクはラビの目であり耳だ。ラビが学校に関わることで知らないことがないなら、ボクにだってない」
内心で唸りながら、なんとか言い返す。
「なら、わかっているんじゃないか? 俺とラビが何を話したか」
「……はあ」
ため息に身構える。女子の苛立ちは容易く威力を発揮する。男子がそれにどれだけ脅威を覚えるのか、知ってか知らずか。
「捨てた想いなら今更まどわせないでよ。終わったことなら終わったままにしといてよ」
シオリが俯いて苛立ちを言葉に出すなんて、二年になってからは本当に珍しいことだった。
なんでみんな俺に言うんだ、と思うのだが。
「捨てきれなかったんだ、あいつは。並木さんの輝きは褪せることがないから」
「それでも! それでも、なんでほっとけないんだよ」
「シオリだってわかってるんだろう? 決着をつけないと、これは繰り返すし……次はもっとひどいことになるって」
「わかってるよ!」
シオリに怒鳴られたのは初めてだった。
「……わかってるよ。コナが特別好きだけど……ラビのこと嫌いじゃないから、今回の件が大事だってことくらい、わかってるよ」
泣きそうな声だった。不安定なんだ。ラビたちだけじゃない。シオリも。
当然だ。俺たち二年生にとって、ラビも並木さんも真中先輩も心の柱の一つだから。
柱が揺れたら、俺たちだって揺れてしまう。
「好きだと言えたら楽だ。おはよう、という気軽さで君が好きだと告白できたらこんなことにはなってなかったのか。あるいは……」
そうだな。
そこまで言って気づいたよ。
もしかしたら俺は少しばかり考え違いをしていたのかもしれない。
「ラビは言葉にしていたけど、本気でぶつけてはこなかった。並木さんも本気で受け止めてはこなかった」
そうだ。実際、何度となくラビは言っていた。
コナちゃんのことが好きだ。コナちゃんのことが心配で。
いつも冗談だと思っていた。並木さんだけじゃない。みんながそれを冗談だと思っていた。
けど違った。
それだけのことだ。
あいつは何気ない挨拶に自分さえだまして、けれど心が叫ぶままに伝え続けていた。
そんなあいつが全力で愛したのが真中先輩だ。心に残った思いに蓋をして、けれど表出し続けるままに並木さんを意識して。
これは歪で悲しい、三角形の話でしかない。
俺もシオリにいつか厳しい指摘をもらわなかったら、並木さんを変に意識し続けていただろう。俺にはラビを責められない。俺にとってのシオリが、ラビにはいなかったのだから。
……悲しいな。
「気持ちを伝えるのはいつだって……難しいじゃないか」
「――……うるさい」
耳を両手でふさいで、身震いするシオリの様子はただ事じゃなかった。
怯む俺の前でシオリが何度も呟く。うるさい、だまれ、わかってるよそんなこと。
そんな不安定さを見るのは初めてじゃない。
一年生、入学したての頃のシオリはずっとこんなだった。深呼吸して身構える。
きっとこういう時、並木さんなら躊躇わずに彼女を抱き締めるんだろうな、と考えながら。
「やっと向き合ってるんだ。ラビも、並木さんも……真中先輩も」
「……知ってるよ」
その場に屈んで膝を抱き締める。
小さな身体を前に、俺は手を差し伸べることさえできない。
本当に?
そっと近づいて肩に触れる。びくっと震えて、泣き顔を俺に晒す。
ずれた眼鏡の向こう側、瞳を俺に向けて。シオリは心が壊れかける寸前に立つ子供のようだった。
「シオリ。並木さんを大事に思うなら、一緒に見守ってみないか?」
「……コナが傷つくところはもう、見たくない」
「ああ」
頷いて、しがみついてくるシオリを抱き締めながら俺は呟いた。
「……俺ももう、見たくないよ」
いつか見た涙を忘れられるわけがないのだから。
◆
部屋に帰った頃には気疲れで頭痛がする思いだった。
なのに、ハルが難しい顔をしてテレビを睨んでいたから内心で頭を抱えた。
嫌な予感がする、と思った時には遅かった。
「ねえカナタ。なんで男の人って好きな人がいるのに、別の女の人に気を持たせるの?」
ああ……的中したか。
「いや、男だけとも限らないだろ。女性でも気を持たせて振り回す人はいる。問題なのは気を持たせることであって、性別ではないんじゃないか?」
「……それはそう、なんだけどさ」
むすっとしているし、尻尾が不機嫌そうに揺れている。
朝、遅刻してきた並木さんがどうしていたのか知らない。
まさか、とは思ったが。さすがにハルと繋がっているわけもあるまい。いくら二人が仲が良くてもだ。
そう信じたい一心でテレビを見た。三角関係のドラマを放映しているところだ。それもドロドロしていることで最近評判のドラマだった。ラビたちよりもひどい。男は意識して浮気をし、女はそれを恨んで不倫する。
ラビたちがドラマと徹底的に違うのは、境界を越えているかいないかだ。まあ……人によって評価は分かれるだろうが、少なくともドラマのように一線を越えてはいないと俺は思う。超えていたらさすがにラビも俺には話せなかっただろうしな。
とはいえ、なんてタイムリー。
引きつる顔をハルに悟られないようにすぐ制服のジャケットを脱いで食堂に逃げようと思ったのだが、ズボンをハルに掴まれてしまった。
「聞いて欲しいことがあるの」
お前もか。
いや……お前にとっては俺だからこそか。
深呼吸をして心の準備をしながらソファに腰掛ける。
俺の腕をぎゅっと抱いてすぐ、ハルが俺を睨んだ。
「女の人の匂いがする」
ため息を吐いて、それから短く説明した。
「シオリがちょっとつらそうだったんだ。お前が心配するようなことはないさ」
「ああ……って待って。それ、ほんと? 確かに言われてみればシオリ先輩の匂いだけど」
わかるのか。
「なんでカナタからシオリ先輩の匂いがするの?」
「泣いてる仲間を前に放っておけ、と言わないでくれよ? ……苦しんでしがみついてきたから、ハグをした。それだけだ」
「ふうん……じゃあシオリ先輩がつらいってことはコナちゃん先輩のこと、知ってるんだ」
俺をなじるのではなく、シオリに対して理解を示す彼女の言葉に思わず聞き返す。
「待て……どういうことだ?」
「あのね?」
ハルが俯いてぽつぽつと語り始めた。並木さんと朝出会ったこと。部屋へ連れてきて話したこと。
高等部の中心人物の恋愛は俺が思ったよりも大きな余波をもって、学院を揺らがしているのかもしれない。まさか本当に今朝の遅刻にハルが関わっていたなんて。
「……コナちゃん先輩はどうするのかな? ラビ先輩は、どうするのかな」
憂鬱をはらんだ声にため息を吐く。
「自分だったらこうする、これだけはあり得ない。こうしなきゃおかしい。ドラマに対する視聴者みたいに、外野はとかくいろいろ言うだろうが……こればかりは本人たちの気持ち次第だ」
「……うん」
ラビから聞いた話を思い描く。
真中先輩と並木さんは二人とも、らしく強く輝く答えを出したと思う。ラビをなじらず、怒らず、ただ自分がどうありたいのか。愛する人の気持ちを受け入れる、という答えを出せる二人は真実すごいと思う。
だからこそラビにとってはきつい。
あいつの立場にもし自分が立ったらと思うと、心底ぞっとする。
苦しすぎて。難しすぎて。
二人の想いはこの瞬間、確かに一途にラビを向いている。自分の未来に向いている。違いはもはや、二人の少女の心のありようとラビ本人の心でしかない。
仁義だなんだ、理屈はこうだとか。そういうもので答えを出したら必ず長続きするわけじゃない。幸せになれるわけでもない。
正解はないんだ。ラビ。
苦しみ嘆き、喘ぎ。その負荷に誰もが苦しんでいる。
だって正解はないから。答えがない悩みを抱えるのは苦しいことなんだ。
「ハルは……沢城との決着をつけ、俺に答えてくれた」
「あ――……」
「一緒だよ、今回と」
俺もまたハルと付き合い、並木さんの告白を断った。
どうすればよかったのかじゃない。どう納得するかでしかない。
並木さんは選んだ。選び続けている。真中先輩だってそうだ。
人によって意見がわかれるだろう。味方と敵を作るのかもしれない。もしかしたら敵ばかり作るかもしれない。
でもしょうがない。
自分を幸せにする第一人者は自分でしかあり得ない。それは誰かが決めてくれることでは決してないんだ。責任だって、自分でしか取れないことだ。
納得しない答えばかり選んで幸せになれるわけはないんだ。だから兄さんだって五月に至るまでにあれだけの事件を起こした。
俺は知りたいよ、ラビ。
お前はいったい、どう納得したいんだ?
「ねえ、カナタ……ラビ先輩はどうするのかな」
「あいつが決めることだ。どんな答えであろうと、俺はあいつを応援するよ」
「うん。知りたいなあ……みんなの気持ち」
「そうだな」
俯くハルの頭を撫でながら、窓の外を見た。
一番星に雲が流れて隠れる。今夜は寒くなりそうだ。
つづく。




