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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第九十九章 おはように撃たれて眠れ!
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第千八百二十話

 



 朝から妄想したハイカロリーな考え。

 けっこう過激というか、突飛というか、こじらせてません?

 自覚はあるんだ。

 BONESというドラマなら? ジェファソニアン法医学研究所に勤める大富豪のひとり息子ホッチンズは、陰謀マニア。フリーメイソン、秘密結社、政府にまつわる黒い話が大好き。わくわくしちゃう。

 クリミナル・マインドなら? スペンサー・リードはあらゆる知識を持つ天才児だけど、デレク・モーガンに初期シーズンほど突っ込まれるくらい、世間的には微妙な話題にも興味津々。

 そうした性質を持つキャラクターがアメリカのドラマじゃちょいちょいでてくる。端役にも多い。事件を起こす人にもいるし? 浅くて薄い関係者としても登場機会が多い。

 シリアスなドラマなら現実逃避の記号として。あるいは現実に、社会に虐げられている社会的立場の記号として。

 コメディなドラマなら? 道化として。

 いま見るとBONESのメインのふたりはマジョリティとしての振る舞いが多い。目立つ、というほうが適切かな? 私の主観でね。

 科学を基軸にするテンペランス・ブレナンはジェファソニアン法医学研究所で働く法医学者だ。セキュリティの高い研究所で、政府の依頼を受けて骨の調査もする凄腕。

 彼女の科学的知識を頼るFBI捜査官のシーリー・ブースは? スクールでの「勝者」だ。アメフトでエース、チアの一番いけてる子と付きあい、オタクタイプを虐げて、恋愛もセックスの経験も豊富。

 ボーンズという俗称のあるテンペランスは人の生理を理解し、情熱的なセックスも、知性を刺激する相手とのデートも嗜む。ブースは仕官して活動した経験があるスナイパーで、きつい体験をしたり、結婚はしなかったけど昔の彼女との間に愛する息子がいる。それでもまあ、たまには羽目を外すこともある。昔の彼女と身体だけの関係になったりしてね。

 ただしテンペランスはビッグバンセオリーにおけるシェルドンくらい、心の機微に疎い。理由付けとして提示されるのは? 彼女が両親に置き去りにされて、孤児となった経験があるから。お兄さんはいるけど、長らく連絡を取っていなくて、劇中で再会を果たす。それくらいの関係性。

 ブースもブースで、息子を大事に想うし、元彼女からは結婚を断られたそうだ。ひとりの人間として、自分には不足しているものがあるのではと悩み続ける。それが事実かどうかは劇中でご覧いただくとして。

 そんなふたりと対照的なキャラクターが後のシーズンで登場する。

 心理学者のスイーツ博士だ。

 テンペランスは心理学を下に見ている。心理学の領域での実験は、信ぴょう性に乏しいものがあり、エビデンスとして利用するには難がある、という向きもあるみたいでさ? そのあたりを踏まえてのものかな?

 ブースにしてもそう。スイーツを前にすると、いかにもアメフト部のいけてるけどいやなヤツみたいになる。典型的! って笑っちゃうくらい。普段のブースは素敵なんだけど、スイーツがそばにいると途端にいじめ野郎になるの。

 スイーツ博士にしても、わりと道化な描かれ方をしているように見えるシーンが多いんだけどね。ただ、彼と関わるなかで、ふたりがどんどん変化していくのが、地味に面白い。

 ほどけていくんだよね。

 人と接することでさ?

 自分のなにかがゆっくりと、確実にほどけていくんだ。

 自分の中で頑丈に結ばれた紐が、だれかと出会い、世界に触れて、刺激を受けて、ゆるやかにほどけていく。

 だけど人生は長く、自分というものさえ不確かで、そのわりに頑丈だからさ?

 ふやけてやわらかくなって、塊じゃなくなっていくまでにはかなりの時間がかかる。

 たとえば、ブース。

 息子さんとの変えがたい距離感。元カノと息子と三人で家族になることを、元カノが望まなかった自分の不足。軍で派遣された任務でのきびしい体験の数々。

 あるいは、テンペランス。

 親に捨てられ、置き去りにされたことによるショック。そこから生じる自己否定。里子としてのつらい体験。人と話し、セックスもするけれど、心までは明かさないし明かせない孤独感。

 それぞれ、容易には変わらない。

 むしろ永遠に変わらないかもしれない。

 もちろんBONESはドラマであり、そういう弱さや痛みこそシーンで取り扱うテーマになるからね? ドラマがふたりをほっとくわけがないんだけど!

 いろんなことをきっかけにして、弱さや痛みが明らかになったり、刺激されることでふたりの距離感が変わったり、事件で窮地に立たされたりするんだけどさ?

 ひとつひとつのトピックスから生じる不安や孤独や痛みを、なにかで解消するとして。

 それがスポーツをするのとか、だれかと遊ぶとかさ? 趣味に興じるとか。なにかを収集してみたりとか。映画やドラマ、漫画やアニメ、小説をのんびり眺めたりとか! 旅をしてみたり、おいしいご飯を食べに行ったり、作ったり! それか、お酒を呑んだり、賑わう場所に行って大勢に混じってわーって騒いだり、一夜の出会いを楽しんだり?

 いろいろある。

 お酒の一本槍で依存しているケースもあるし、それが薬物となっていたりして、どちらも社会的な問題になっている。

 自分より弱いと定めた相手へのバッシングや暴力というケースさえある。

 自分を苦しめたと感じるもの、その根をたどって見いだすテーマを敵視するのも、それに似てる。あるいは理解しがたいものでもいいかもしれない。

 それか、他者性かな。

 過去に自分を傷つけた他者性を否定する。拒絶する。攻撃する。

 逆に強く同化しようとしたり、共感を試みようと肩入れしまくったり? そんなケースもあるという。好悪のどちらか、あるいは無関心でいようと、どれかに強く振り切れるの。

 そういう風に自分を捉え直すと?

 私の社会批判や陰謀論じみた考えって、とどのつまり、過去の私がしんどくて、こじれた考えに結びつけた痛みたちなんだよね。

 もしかしたら、まぐれ当たりで一面的には的外れじゃない部分もあるかもしれない。

 けど、朝の噴き出るハイカロリーは、八つ当たりをするための枠組みだ。

 しんどい人たちや、いま大変な人たちへの支援が増えたほうがいい。それはだれかや社会の枠組みに八つ当たりすれば達成できるわけじゃない。

 それでも! と噴き出る、その怒りをほどいてみたい。

 刀は鞘へ。気持ちをなだめて、問いかけたい。

 私にできること、ないかな。

 私にできないこと、なんだろな?

 だれかに呼びかけたほうがいいこと、ないかな?

 解決できない問題は、小さく小さく切りわける。それこそ達成可能なレベルにまでね。目的として意欲がもてるものから、こつこつできることを増やしていく。

 シオリ先輩が前に、おっきなプログラムはちっちゃなちっちゃな、ひとつだけできるプログラムの積み重ねでできあがるって教えてくれた。細かく言うと、とか、いまのトレンドだと、とか、いろいろ違いはあるそうだけど! いまの私には、そういう考え方もありじゃないかって教えてくれたんだ。

 ちっちゃなちっちゃなできることを増やす。それを組み立てて、組み合わせての合わせ技で、ちょっとだけちっちゃなことをできるようにする。それを続けて、やがてどでかいことをできるようにする。

 そんな感じだ。

 ひとりでできないことも、ふたりなら? 三人なら? 集団なら? 社会なら。

 それとだいたいおんなじ感じだ。

 できるべき、やるべき! みたいなのに固執するとしんどさが永遠に続くこともある。

 だれかを変えようとするのは? 永遠の苦しみの始まりまである。

 そこから、自分のやりたい、やってみたいに焦点を移動したい。

 だ、け、ど!

 朝のハイカロリーなこじらせ思考の内容は?

 やだやだ! 私あれ許せない! と、焦点の移動を拒む。

 たぶん、拒むだけの理由がある。それは否定せずに、素直に受け入れたい。じゃなきゃ、話を聞くどころじゃなくて、理由もわからない。

 自分が相手なのに、なんか変だよね?

 でも、そんなものかなーって思ってる。

 どうしても達成できないものは、アプローチの仕方を変えてみる。条件を変えてみるのも手。

 ぷちたちを変えるのは? なし。

 寝るときの密集も制御できない。個人的には、みんなそれぞれにちっちゃな金色雲ベッドを用意して寝てもらうのも手かと思うのだけど、周到に準備して、かつ、勧めるときは楽しめる演出をしないと「ママ、いやなんだ。一緒に寝るの」と突っ込まれてしまう!

 いやとかじゃないの! のびのび寝たいだけ! きみたちのキックやパンチが地味に痛いだけ! こういうのも、私のしんどさが凝縮してできた糸だ。

 どうよ。

 眠る時間、ただひとつでこれだけとっちらかるんだよ?

 もうね。ちっとも冷静ではいられないよ。

 こういう糸が集まって、一本の糸になるの。

 それはたったひとつの冴えたやり方なんかじゃほどけない。糸になってから経過した年月の分だけかかると見てもいいくらいだ。

 ぷちたちとの睡眠時間は一緒に寝るようになってからの年月分くらいじゃない? と軽く見積りたいけれど、そうはいかない。ぷちたちを私が産みだした年月分にかかるし、私の睡眠にかかる年月分へも繋がる。こども時代のあれやこれやに繋がるまであるから?

 なんと! 私の年齢分の重さまで繋がりかねない。

 わーお。

 でも、焦らずに。

 その重さのぶんだけ、年月のぶんだけ、真っ正直に背負い込まなくていい。

 目的はそこにない。

 自分にできることを増やしていけばいい。

 小さくていい。

 もっとちゃんとしてとぷちたちが私を叱ったその日から、謝って、求めてくれて、一緒に過ごして目指しているんだ。済ませる道のりじゃなくて、ちゃんと一緒にいる道のりを。

 ただ、一緒にいると、ね。相互にいろいろあるもので。

 どうしたらいいかなあ。

 朝ののんびり時間にソファに寝そべりながら、半分寝つつテレビを眺める。ぷちたちがアニメ映画を観ていた。田舎に引っ越した娘ふたりとお父さん家族とふしぎなふしぎないきものの、例のあれ。

 下の子がちっちゃな白いいきものを追いかけて、とうとう出会う。

 おっきないきもののお腹に着地。おおきな声をだされて、下の子も、ぷちたちも大はしゃぎだった。何度も何度も観た映画だけに、ふり返る。ちびの頃ほど私もきゃっきゃと楽しんでた。

 ふっと意識が揺らいで、気づいたらもう猫バスがでていた。

 ふかふかの椅子にお姉ちゃんが腰掛ける。


「あったかそー」

「いいなー」

「ああいうの、宝島にないのかなあ」


 ぷちたちが思いを馳せるなか、私はふと思ったわけ。

 前に騒動の対処でおおきな九尾の狐に化けたことがあった。

 ドラゴンボールで悟空が悟飯と親子で精神と時の部屋で修行するとき、ずーっとスーパーサイヤ人になってたことがあった。

 私も九尾の狐に化けて寝たら、どう?

 ぷちたちがもふもふにひっついても、乗っかっても、よじ登っても?

 びくともしないサイズになったら?

 ありじゃない?

 あ、でも寝返りを打って潰しちゃわない?

 そこはサイズや体重、あとは寝方の工夫次第でどうにかならないかな?

 そもそも、化けたときの体重ってどれくらいになるんだろう。わからないぞ?

 わからないけど、でも突破口にはなるかもしれない。

 繰り返し忘れずにおきたい。睡眠中の事故は起こりえる。対策ができれば、案外すやすや安眠でいけるかもしれない。寝返り問題はいまだってあるわけだし!

 ドヤっている場合ではない。


「んんんんん」


 我ながらお父さんにすごく似てるうなり声をあげちゃった。

 エンディングが流れていて、ぷちたちがご機嫌に歌っている。

 それはいい。

 うとうとしては寝て、起きてはうとうとしてを繰り返して時間があっという間に過ぎる。

 痛感するね。安眠できてねえ!

 身体がだるくて仕方ない。あと、お腹が重たい。なんで、と思ってみたら、ふたりほどぷちがのしかかっていた。


「なにしてるの?」

「お腹の音きいてたの」

「ぼこぼこいってるー」

「お腹すいてるー?」

「こわれてる?」


 ちょ、ちょい! 壊れてるって!

 べつにお腹くだしてないですよ? ただ、すいてないこともないかな。

 気がついたらもう昼前だった。


「だいじょうぶだよ。ふたりはお腹すいたの?」

「「 べつにー? 」」


 ああ、そうですか。

 別にですか。


「お昼はそうめんでもいい?」

「「「 えええええええええええ!? やだ! 」」」


 リビングにいたぷちたちが全員そろってブーイング。

 楽なんだけどなあ。そうめん。茹でて冷やして終わりなんだもの。

 でも、わからないでもない。私も小学生の頃、お母さんが毎日のようにそうめんを出していたときはしょっちゅう文句を言った。

 代わり映えしないから、飽きるんだよね。

 わくわくしない食卓がいやだった。

 いま思うと「そんな無茶いうなよ」って感じなんだけどさ。

 でも、手がないわけじゃあない。


「きみたちはまだ、そうめんのポテンシャルを知らない……」

「てきとうなこといってるー」

「それっぽいながれでごまかしたいんだー」


 がくっときちゃった。

 別に止めはしないんだけど、どこで覚えたのかな!?


「いやいや。ほんとに! おつゆにね? うずらの卵を割って入れたり。しその葉を刻んで入れてみたり。梅の果肉を刻んで練って、混ぜてみたりすると? ななな、なんと!」

「「「 んんん? 」」」

「それにねー。ごま油をちょろっと垂らすと、これもまたおいしいんだなー! あなどれないぜ? そうめん」

「「「 ほ、ほんとに? 」」」


 興味を惹かれている。

 私の垂らした提案というエサを慎重に見定めているけれど、釘付けになってもいる。


「ほんとほんと! うっし。じゃあ、おつゆのバリエーションで楽しんでみよっか!」


 お腹に乗っているふたりをソファに下ろしてから、よいせと立ち上がる。

 お絵かきしたり、なにか文字を書いてみたり。そういうことをしてみたら、みたいな考えがないでもない。ほかにも、泥遊びでしょ? 粘土もあるよね。食べる子がでてきそうだから要注意だけど。

 そういうお遊戯的なの、余力があったらしてみたいのに元気が常にない。ついでにいうと私がしたいのであって、ぷちたちは別だ。この手のことは握手方式。私が「おねがいします!」と手を差し伸べても、ぷちたちが「や!」と拒否ったら? はい、そこまで! だ。

 自分でやってみて、面白くできて、ぷちたちの興味を刺激できたらいいけどね!

 やるの! と駄々をこねるのはちがう。

 おつゆで例えるのなら?

 そうめんを大量に茹でる前に、おつゆをいくつか作って味見をしてもらうのもありだ。


「おつゆの底力を探しに行きたい人は、さあおいで?」


 みんなを促して、キッチンに向かう。

 それぞれに尻尾や太股に飛びついてしがみつく。

 こういう機会が増えたから、夏だし、ホットパンツ率があがっている。

 素肌だとそれはそれで大変。ぷちたちの力加減はまだまださじ加減が微妙。痛いときも多い。

 このあたりも課題。

 さて、いろんなネタの出しどころだ。

 おつゆは鰹だし。鰹と相性がいいものは大体合う印象がある。

 トマトを使うのも面白いかも。サバ缶と合わせるのもいいな。

 がっつり濃いめに熱いおつゆにして、つけそうめんなんてのもありじゃない?

 つけそばもつけうどんもおいしいんだもの! つけめんはラーメンのノリで濃いめの油多めな印象があるけど、そばやうどんのつけつゆは鰹だしのおつゆの濃いめ! に、具材の脂! って感じがいい。

 私の知ってる脂っぽい具材だと、豚肉や牛肉あたりかな。鴨肉でもいいけど、さすがにちょっと背伸び気味。ぷちたちの人数分となると気張りすぎ。肉そばや肉うどんのようなお肉でいい。じゅうぶんおいしいから!

 気持ちがつけつゆに向かう。

 冷たいおつゆなら作るのが楽ちんなんだけど、でもねー。つけつゆは具材が入るから、そのぶん食べ応えがあるんだよ!

 鰹だしのあっついおつゆに、椎茸の組み合わせがすごく好き。こりこり歯応えがする程度に熱を入れてさ? 細切りになんかしないで、そのまま! 石突きはさすがに切り落とすけどね。

 薬味のセットに練り梅を足すのもいいなあ。なんたって、鰹だしと梅の相性ときたら! もう! たまんないんだから!

 ただ、ぷちたちに受けるかっていうと微妙なんだよなあ。

 鶏団子やつくねみたいに食べやすいものを考えたほうがいいな。

 しその葉は在庫がある。揚げて天ぷらにしてしまうのも手だ。つけつゆにちょっとつけて食べるの。さくっとふわっと。ポテチ感覚でいける。揚げちゃえば繊維もしつこくないし。

 どうせ揚げものをするんなら、おナスも揚げたいなあ。

 おいしいんだよなあ! つけつゆに揚げナス! 肉厚じゅわっと、かみ応え抜群! 噛めば噛むほどおつゆが口いっぱいにでてくるんだ。

 焼いたネギは人気が高い。刻んだネギでもいい。タマネギもありだ。おつゆにわーって浮かんでいると、それだけで気持ちがあがる。ただ、まだぷちたちにとって野菜は好き嫌いが激しいハードル高めのものだ。

 大皿に揚げ物や具材をのせて、好きに取ってもらう形にしてさ?

 アレルギーはないから、野菜とお肉はつゆを煮込むときに一緒に熱を入れちゃうのも手だ。ぷちたちの器には入れなければいい。

 それだと十中八九、飲んだ時点でバレるけど。きらいな子は特に敏感だ。そのあたり、タバコとよく似てる。無理なものほどすぐ気づく。そういうものじゃない?

 リビング組を尻尾や足にひっつけて、冷蔵庫を開ける。

 お父さんが仕事先で買ったりもらってきた山菜が新聞紙にくるんで野菜室に入っていた。つけつゆにそうめんで山菜は憎い組み合わせだ。ただ、ぷちたちに受けるかっていうと疑問。天ぷらにしたらおいしそうなのをチョイスしちゃおう。

 わさびを混ぜちゃうのも実はいいサプライズになる。

 つゆの味を見てもらってから、つけつゆサプライズにしよう。

 よし、決めた。

 せっせとちょい足しネタの準備を済ませて、やっすいけどおいしいつゆをお水で割って、みんなに試してもらう。はしゃいでいたら、和室でゲームしていたカナタと他のぷちたちがぞろぞろとやってきて「あー! ずるいー!」と混ざり出す。

 器を並べて試食をしてもらっていたら、カナタが私をじっと見つめていた。


「どしたの?」

「あの、さ。もしも兄さんが昨日の事件現場で春灯を呼んでいるっていったら、どうする?」


 ええ……?

 いやな予感がする?

 それか、みんなを呼んだほうがいい気がする?

 んー。いろいろあるんだけど。


「お昼食べてからでもいい?」

「もちろん」


 真顔でうなずくカナタのお腹が盛大に鳴った。

 つられて私やぷちたちのお腹も鳴る。

 あくびじゃないんだからさ。

 こりゃあ、なおさらご飯たべなきゃね。

 食いでのある具材を用意しよう。元気がでるヤツがいいな!

 ほどけてないし、ほどける見込みの立たない糸が私を縛る。

 けどその糸は私そのものでもある。

 断ち切るのではなく、ほどいていきたい。

 それには一にも二にも、元気が大事!


「話はおいしいそうめんすすってからね」

「「「 おっおう! 」」」


 ぷちたちが喝采をあげる。

 みんなの足元で、私がお盆に載せたたくさんの器の中身が減っていた。

 おつゆを飲んだからっていうだけじゃないんだ。

 こぼれてた。わりと、豪快に。

 あれ?

 つけつゆにしたら、こぼすんじゃね?

 お洋服が濡れちゃうんじゃね?


「――……」


 ま、いっか!

 拭けばいいさ! 洗えばいいさ!

 はっはっはー!

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!




 つづく!

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