第百三十三話
カナタの機嫌が悪いのなんで?
「あのお?」
「……」
スルーですよ。こんなことなかったんだけど。
部屋に二人きりなんだからどうしても意識しちゃうんだけどなあ。なんで?
思い当たる節もないので隣に座ってじーって顔を見てみました。お母さん直伝、男の秘密は黙って見つめて観念させろ、です。使い方間違ってる気がするけど、トウヤもだいたいこの手でいろいろ白状するので使ってみたのですよ。
そしたら、カナタが居心地悪そうに身体を向こうに向けたので、ソファを立ってカナタの向いた方向に回り込んで座ってみます。そして見つめる作戦再開です。
回り込むのが三回目になってとうとう観念したのか、そんな目で見るなと言われました。
「どうしたの?」
「……別に」
「嘘ですよね?」
「……まあ」
なんなの? 昔のゲームの主人公か何かなの?
「カナタくーん?」
手を握ろうとしたら拒絶されました。
あれ。やっぱり拗ねてるよね。
「なに怒ってるの?」
「怒ってない」
別に、というけど。だったら手くらい繋いでくれると思うんですよ。
んー?
「ちょっと複雑なだけだ」
「複雑って、なにが?」
「……だから」
だから、なんだろう。まるで見当が付かないんだけど。
「青組の」
「ん? 体育祭のこと?」
「……応援団の、振り付け」
居心地が悪そうにあらぬ方向を見ながら言われて、やっと合点がいった。
「ああ。青組の振り付けが男女でくっつくのが気になってるの?」
「まあ、そうだ」
私の顔を見られない理由はなんだろう。っていうか、そもそも。
「なんでカナタが青組応援団の振り付けのこと知ってるの?」
「そ、それは」
慌てているところを見ると、そのあたりにやましさがありそうです。
ううん。
「ラビ先輩が調べてたとか?」
「そ、そうだ、それだ」
そんな、今思いつきましたみたいな顔しても。
「っていうか、そうなんだ。ラビが調査させた……スマホで撮影したことに南先輩は気づいていたぞ」
「おう……」
私の中でどんどん南先輩がすごい人になっていくんだけど、それはそれ。
「じゃあ見たんだ、振り付け」
「……」
むすっとした顔をして俯いてる。
ああ、やっぱり気にしてるんだ。羽村くんが振り付けについて気を遣って聞いてくれたけど、ちゃんと答えておいてよかったかも。
「んっとね……練習用に動画撮ったの。一緒にみよ」
「なんでだ」
「いいから」
カナタにくっついてスマホを取り出す。
表示される動画には羽村くんと木崎くんが笑顔で音楽に合わせてポーズを取る光景がおさめられているんです。そこには男女がくっつく要素、一切なし。っていうか、この二人がすっごく幸せそうな笑顔でポーズを取っているのがシュール過ぎて。
「ふふ……あははっ」
「な、なにを笑っている」
最初は見られなかったけど、私が笑っているのが気になったのかな。やっとカナタが画面を見てくれた。それから目をまん丸く見開いている。
「これは?」
「んー。青組の応援は三つのチームに分かれて踊るんだけどね? これはあんまり踊るの得意じゃないチームの振り付け。私もここに入る予定です」
「……じゃあ、くっつく踊りは?」
「そっちは南先輩とうちのクラスメイトが踊るやつ。っていうかいつ偵察にきたの?」
「と、投票の時って聞いたが」
「じゃあ撮り逃しだよ。その後に、ダンスで揉めてた二人が考えた折衷案の一つがこれですよ」
「……そうか。そうだったのか」
あからさまにほっとされてる。
「よくみて? 曲が終わるとね?」
動画の最後、曲が流れるのが終わった途端に二人そろって仏頂面になってすぐさまフレームアウトするんですよ。
笑いながら南先輩が入ってきて、テイクツーいくよーって言って終わり。
「楽しそうだな」
「ですよー。カナタが心配する要素ゼロですよ?」
「……べ、別に」
「してたよね、心配。なんの心配してたんだか」
じっと見ているとますます居心地が悪いのか、それとも思い悩んでいた自分がはずかしいのかな。仏頂面になってそっぽを向いちゃった。
なんだかなあ。可愛いんだからなあ。こういうところ。
「一緒にたくさんくっつくやつ踊ってみる? 南先輩とクラスメイトが踊ってるのも動画に撮ってあるの」
「べ、べつに」
「私とは踊ってくれないのでしょうか」
「そういうわけじゃない」
じゃあ踊ろうよ、と言って手を差し伸べたら「仕方ないな」ってさ。てれてれしながら手を握ってくれました。
いつもは優雅に振る舞ったりかっこつけたりしてるくせに、こういうところで慌てたりするの好きだなあ。
しばしば足を踏んでしまったりしてタマちゃんに怒られたりしたのですが、それでもカナタは笑って楽しんでくれたのでした。
◆
前日の夜を幸せに過ごせたおかげかな。
脳天気に構えていたから、メイ先輩と南先輩から部活のグループメッセージを受けて部室に来て私は顔が引きつりました。
「部の対抗リレーだったらメイが走ればいいじゃない」
「いや、男子を助っ人に頼んでラビと走ってもらえれば優勝間違いないから。だからルルコから男子に頼んで欲しいの」
「えーやだー」
二人が揉めてるんです。
部屋の真ん中で髪の毛を弄る南先輩をメイ先輩が説得しようとしてるんだけど、うまくいかないみたいです。部屋にはラビ先輩とシオリ先輩もいたけど、二人の会話を見守っていた。それはそうだよね、間に入れそうな気配がまるでないもん。
「メイが頼めばいいじゃん。なんでルルコが絡まなきゃいけないの?」
「だから、何度も説明してるでしょ。目星をつけた男子がルルコのこと好きだって聞いたから、こうしてルルコにお願いしてるの」
「って言われてもなあ」
切実な声を出すメイ先輩に対して、南先輩は気乗りしない様子です。
「いつもの笑顔でお願いしてくれたら話はまとまって優勝も決まる。万々歳でしょ」
「やだ。別にルルコ、その子のこと興味ないもん」
即答だ。っていうか南先輩、いつもは自分のこと私っていうのにメイ先輩と話している時は名前呼びしてるんだ。仲いいからかな?
「たった一言いうだけじゃない」
「お願い聞いたから付き合って、みたいな絡まれ方されたくないし、リスクも負いたくないなあ。だってリレーで勝たなくても生徒会と繋がってるこの部の予算は十分あるもん」
「そ、それはぶっちゃけすぎじゃない」
「でも事実でしょ?」
ぐぬ、と言葉に詰まるメイ先輩。
反応を見る限り、南先輩の指摘に思い当たるところがあるのかもしれない。
それでも勝ちを求める気持ちがあるんだと思う。
「二年連続、文化祭のミスコン一位でモテモテの実力を活かして欲しいの」
そうなの? ミスコン二年連続一位なの?
思わず驚いた顔をする私にシオリ先輩がなにも言わずに頷いた。
けれど……その事実を認識した時には身体中がぞくっとしたの。まるで部屋の温度が十度近くさがったような冷気を感じた。
南先輩を見てどきっとした。
初めて見たよ。南先輩の眉間にはっきりとした皺が浮かんでいるの。
「二度と言わないでよ、それ」
ぞっとするくらい低い声でした。
いつもの笑顔で言われるからこそ、全身にひやっとした汗がにじみます。ああ、これが南先輩の地雷なんだって痛いくらいに感じたの。
「ミスコンに呼ばれたのも一位に選ばれたのも先輩に誘われたこの部活でいろんな男の子のお願い聞いてたからだし」
語られる内容の重さがすごい。
「頼めばなんでもしてくれるって男子に思われるようになって変な依頼を名指しで持ちかけられたこともある。手を繋いでとかデートして、とか。変なのは全部断ったけど」
「え……」
メイ先輩は本当にびっくりした顔で南先輩を見つめている。
「そしたら変なのに酷い陰口たたかれたりしてさ。うんざりなんだよね」
「そんな目にあってたの? なんで言ってくれなかったの?」
「だって嫌な話だもん。言ったらメイ、全員ぼこぼこにするでしょ? それもきっと保健室送りレベルに違いないよね。それは止めなきゃだめじゃない?」
にこにこ笑顔の冗談に空気が和らいだ。
さっき感じた冷気は嘘みたいに消え去ったのだ。
顔が強ばったメイ先輩の緊張さえも和らぐ。
「う……それは、たしかに」
「だから頼りたくなかったの。わがままだけど、私の力でなんとかしたかった。負けたくなかったから」
「ルルコ……」
にっこり笑顔で言われるから、余計に重たい。
そりゃあメイ先輩もなにも言えなくなっちゃうよ。
強固すぎる防壁を前にメイ先輩がたじたじだ。
っていうか誰でもなにも言い返せないと思う。
でも……ちらっと見たらシオリ先輩は俯いていた。なんでだろう。南先輩の話をシオリ先輩だけは知っていたんじゃないかって、直感してしまったのは。
「ごめんね? しんどい話をして」
「……私こそ、ごめん」
「いいよ。必要とあればなんだってするからさ。ルルコがメイの立場なら、同じ事してたと思うし」
友達の、ううん。親友の告白に動揺しきりのメイ先輩が縋るように南先輩を見た。
「じゃあ、なんで……だめなの? 負けちゃうかもしれないんだよ? ルルコは私と同じ、ううん、私より負けず嫌いじゃないの? ちがうの?」
それがいやだから、そこだけは一緒だと思うからこそ、という声だった。
「だって見たいものがあるんだもん。だから今日のお願いは断固拒否するしかないよね」
悪戯っぽい南先輩の笑顔に人差し指が寄り添う。同性なのにときめくくらいに似合っていた。
「それは、なに?」
「メイがラビくんと二人三脚するところかな」
ハートマークついてそうな声だった。それは突拍子もない発言で、だからこそ固い空気を粉みじんにしてしまった。
みんなの視線が南先輩に集まる。
「……え?」
さすがのメイ先輩もこれには真面目ムードでいられなかったのか、聞き返している。
「な、なんて?」
「だから。ルルコはメイがラビくんと二人三脚するところがみたいの」
やっぱりついているよね、ハートマーク。
メイ先輩と肩を並べる南先輩は、メイ先輩の隣に立つ強さを間違いなく持っていた。
揺るがない。その姿勢は素直に尊敬するし、ぶれない強さにも憧れる。ああ、この人が私たちの応援団長でよかったなあって思う。
同時に怖い。笑顔でぶれずにそんなことを言えてしまう強さが怖い。この笑顔が自分に向いた時、どんなお願いごとが口から飛び出るのかを考えるとね。怖くて仕方ありません。
心に深く刻みつけておこう。南先輩の笑顔には要注意だって。
「だめ?」
可愛らしい問い掛けでほっとするべきか悩む。
南先輩の素敵な笑顔に似合う仕草なんですけれども。
きっと、みんながほっとするのわかっていて南先輩はそう振る舞えちゃえるんだろうなって思ったし。
ここが落としどころだけど、あなたはどうするのって、笑顔に書いてあるような気がしてならなかった。
メイ先輩の強さとは違う、大人にならなければ生きにくいからこそ得られた強さのように思えるから南先輩は強いんだなって思ったのだ。
「だ、だめっていうか」
笑顔が怖いって思ったことなら、この学校に入って何度かある。笑顔の意味について考えたことだって一度や二度じゃない。
けど南先輩のそれは別格だった。
一言も言葉を発せない。
だってさっきまでの空気は間違いなくド修羅場のものだった。けれどそれが今では和やかな空気になってしまっている。慌てているメイ先輩にはもう凹んだ気配もないし、南先輩だって気にした素振りもないけれど。
間違いなくさっきの空気はド修羅場のものに違いなかったのだ。
ラビ先輩もシオリ先輩もお互いに黙って見守るだけ。当然だ。三年生がこんな風に話し合う瞬間に立ち会ったの、はじめてだ。そうそうあってもこまる。いつも見る二人は私とトモよりもっとずっと仲がいいから。
「あ、ハルちゃん。ほっといちゃってごめんね、メイと二人でみんなを呼んだのは他でもなくて、部活対抗リレーの話がしたかったからなの」
南先輩に呼ばれて戸惑う。なんて反応すればいいのかもわからなかったから。
「あ、う」
「ああ、さっきの話ならいつものことだから、気にしないで」
その言葉によりメイ先輩がほっとしている。
私がメイ先輩でもそうなるよ。
遠回しに告げられた許しの言葉であり、なんでもないと言っている姿勢に満ちていたから。
でも穿った捉え方をしてみれば、それは暗くて沈んだ闇に満ちた言葉だった。いつもの笑顔でいてくれる南先輩が心強くて、その心強さが怖かった。シオリ先輩の教育係だと聞いたことがあるけれど、南先輩の刀が氷属性である真の理由がそこにあるような気がしてならなかった。
「それよりメイ、どうなの? だめなの?」
「ど、どうしてルルコはいつもそういうお願い事を急にするの」
「えー、いつもー?」
「いつもです!」
隙だらけの笑顔、甘えるように抱きつく仕草。計算尽くだ。間違いなく、計算尽く。でもそれに甘えてしまうのが人だと思う。
強くて気高いメイ先輩にも弱いところがあるんだなあって意外だったし、それがいつも一緒の南先輩っていうのもなんだか妙に納得しちゃう。
すごいなあ。ただただすごい。
「あれ? ハルちゃん、もしかして困ってる?」
「い、いやあの、そんなことはっ」
ラビ先輩の笑顔とも、闇落ちしていたシュウさんの笑顔とも違う。
南先輩の表情に演技なんて見えない。だからこそそのありようが強すぎて、どう向き合えばいいのかわからない。
「え、えっと」
「あ、露骨に困ってる」
「そんなことないですよ!」
あわてて言い返すと、南先輩の瞳が私を捉えていた。
笑顔が消えて、どこか困った顔になる。その表情は見たら何かしてあげたくなるような魅力に満ちていた。だから思ってしまう。この人にはなんでも言いたくなるし、受け止めてくれる気がするし……なにかしてあげたいって気持ちにならずにはいられない。
なるほどなあ。ミスコン一位も納得だ。
メイ先輩が甘えちゃうのも当然だと思う。この人は世界に対して自分がどうあるべきか、そのルールを作りあげているんだなあって思うから。
「買いかぶりだよ」
囁かれた言葉は、獣耳を通じてかろうじて聞こえたものだった。
「え――……」
「メイ、なにがだめなのー?」
問い返そうとした時にはもう、南先輩はメイ先輩に抱きついて甘えていた。まんざらでもない顔をしてメイ先輩があれこれと言い訳を並べている。
こうしてみると不思議な二人だ。今日の修羅場を見てわかったのは、見かけ以上に南先輩が強いという間違いのない事実。そしてメイ先輩がともすればその強さに甘えることもあるってこと。
三年生怖い。ラビ先輩達二年生も十分怖いけど、三年生はひょっとしたらそれ以上に怖いかもしれない。
「メイがラビくんと走ればみんな盛り上がるのにー」
「だから! それは……はずかしいし、その」
一目でわかるくらいテンパるメイ先輩。
「いや?」
「い、いやじゃないけど、だって、勝てないかもしれなくて」
「こわいんだ? ラビくんと二人で走って負けるのが」
弛緩した空気で投げられる微笑みの爆弾。
そんな言い方をしたら、負けず嫌いのメイ先輩のことだ。
「そ、そうじゃない! やるなら勝つわよ!」
って言うよね。
「ふふーん。聞きましたよ-?」
「うっ」
南先輩の笑顔にメイ先輩がたじたじであります。
「見たいなあ。メイとラビくんの二人三脚」
「い、いや待って! 待ってよ、またいつもみたいに乗せる気? その手には乗らないわよ、私とラビだと体格違うし不利なの!」
「そーかなー? メイもラビくんも足速いからいけると思うけどなー」
「さすがに体格と性別を揃えた陸上部には勝てないわよ!」
「そんなことないない。大丈夫だって。それともラビくんと走りたくない理由でもあるの?」
「うっ」
にこにこ笑顔でいる南先輩にメイ先輩が弱り果てる。
うまいなあ。うまい。
南先輩はメイ先輩の弱点をきっと知り尽くしているんだろうなあ。
「ねえ、シオリはどう思うー?」
「ボクはルルコ先輩にいつだって全面的に賛成です」
まるで弱みでも握られているんじゃないかっていうレベルで即答でした。
「ラビくんはー?」
「メイと走れたらいい思い出が増えますから、大歓迎ですよ」
「ハルちゃんはどうかなー?」
こ、この流れでどうするか聞かれても。
南先輩に乗っかった方がいいのは目に見えているし、そんな私の思惑なんてメイ先輩はお見通しだった。縋るような目つきで見られるから困るんだけど、そんなメイ先輩の目元を南先輩は両手で覆ってしまう。しかも良い笑顔なの、ものすっごく良い笑顔なの。
「どう? 見たくない? メイがラビくんと走ってるところ」
その聞き方ずるい。
「どちらかといえば……見たい、なあ」
ごめんなさい。ちょっと……いや、かなり見たいです。
「はい、多数決」
幸せ一杯の笑顔で南先輩が言いました。
絶対に語尾についているんだろうなあ、ハートマーク。
「ルルコ……」
「いいじゃん。前生徒会長と現生徒会長が走るなんて面白いし」
「ルルコぉ……」
「いい加減さ。先輩のこと引きずって、校内ではラビくんと一定の距離を保とうとするなんて見てられないよね。ラビくんが名前呼びするの見るたびに胸が苦しくなるもの」
「うっ」
どんどん並べられるメイ先輩包囲網。
「ぶっちゃけ付き合ってるんだからもっともっと開き直ればいいのに。同じ高校にいられるの、あと一年もないんだよ?」
「それは、そうだけど……」
「メイらしくないから、そういうの嫌いだな」
「ううっ」
ずばっと抜かれた伝家の宝刀で真っ二つにされたメイ先輩が見えた気がします。
「じゃあ決定! ルルコ、ダンスの練習してくるから。またね」
笑顔で立ち去る南先輩ちょうつよい。
残された空気には気まずさなんてなくて、メイ先輩は「またやられた!」と悔しそうに髪をかき乱しているだけ。
すごいなあ。南先輩やっぱりすごい。
「敵に回すと怖いから気をつけてね」
「えっ」
シオリ先輩の言葉にどきっとした。
「勉強になるけどね……出来心でルルコ先輩の真似しても敵しか作れそうにないから、やる気も起きないけど。あの人って味方にしたら頼もしいけど敵に回すとおっかないから、気をつけて」
その言葉には頷くしかありません。
「ああ……結局終わってみれば、いつも通りルルコのペースだった」
「あはは。ほら、メイ。気を取り直して」
シオリ先輩が眼鏡のツルを指で動かす横で、ラビ先輩の笑顔は崩れませんでした。メイ先輩をなだめるところも、結局メイ先輩がそれを拒絶できないのもなんだかほほえましい。
こうなってくると思わずにはいられません。
ルルコ先輩とペアで踊る羽村くんは大丈夫かな?
つづく。




