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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第九十六章 期待外れのメンバーシップ?
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第千二百話

 



 さすがに本格のお店でJ-POPって言うのも、あれなのかなあ。

 それともたんにトシさんが私に最愛を歌わせるつもりじゃあないだけなのかな?

 いずれにせよ、レクチャーを受けた曲は別のもの。

 ピアノマン。

 なにに驚いたってさ。順序が狂ったけど、トシさんってばピアノが上手いんだよ。

 カナタも教えてもらったら――……いやあ、また嫉妬スイッチが入るかも。

 私にはいまいちわからず、その逆もまたしかりなのかも。

 お酒が飲めて、昔はタバコも吸えた。横浜市は受動喫煙禁止に積極的なようで、小規模店舗は届け出を出したら一時的に全面喫煙も可能なのかな? 順次実施してるようだけど、この店は完全に禁止にしたみたい。

 軽食と音楽が店の売り?

 じゃあ音楽って、どんなもの?

 それにはなにかの意味があるの?

 意味を見出すのはいつでも、お客さんのほう? やっている側は、たんにお金儲けのため? あるいはそれぞれにどういうものかのイメージを持つだけ?

 わかんないなあ。さすがに。人の数だけ答えがあるようなものに、たったひとつの枠組みを与えようとするほうが無理がある。

 ただ音を聴いていたい人もいるだろうし、好みがやまほどある人もいるのだろう。逆に好みが狭すぎて深すぎる人もいたりさ? いろいろあるだろう。

 歌になるとさ? 旋律に歌詞が加わる。

 楽器にしたって、微妙な違いが音の感じに違いを生む。

 コンサートホールなんかだとさ? 観客が与える音への影響を踏まえた設計だとか、コンサートまわりの話ではありがちだ。掘り下げるとどこまでも話ができるのだろうし、じゃあ「聴きたいな~」ってふわっと入る人が知ってるかっていったら、知らなくてもいいような話なの?

 どうなのかなあ。

 コンサートの最中にスマホの着信音を鳴らすくらいのアウトなことはしないとしても、コンサートを楽しめる材料があればあるほどいいんじゃない?

 じゃあ逆に言えば、それを知らなきゃ楽しめないの? まず楽しんで、モチベをあげてから、そのモチベでいろいろ知りたいなあっていう人はさ? コンサートに来ちゃいけないの?

 問いかけが問いかけを生む。

 都度都度、答えは人によって変わる。

 でもって、そんなことでぐるぐる迷走したところで、時間がただ過ぎるだけ。

 私の答えを見つけることしかできないし、みんなはどう思っているのかなあって思うだけじゃあ答えは永遠にわからんのです。わかりゃあせんのです! ねー。わからないんだってさ。やだね。やだから私、ピアノの練習したよ。

 一朝一夕でどうにかなるもんじゃないし、やっぱり無理だよねっていう展開を期待しているであろうスタッフは普通にお店でだべってるし?

 おい! 仕事しよ!? 高校生ひとり、プロのミュージシャンに面倒を任せて放置プレイはさすがになしでしょ! やる気ぃ! だしてよぉ! テレビに勝つとかなんか燃えてた、あの頃のみんなの熱気はどこへ!? 消えちゃったのかな!? まだまだいけるってば!

 もちろん何度か「おぃいいい! せめてカメラ回そうよ!?」とか「ちょっとやってみてよ!」とか足掻いた。尺が稼げるんじゃないかという淡い期待もあった。放送では乗らない気しかしない頑張りでも、私は足掻いたよ……ッ!

 迫真の気合いで番組の尺を埋めようともがいたところで、ピアノが弾けるわけがないよね。

 ギターの練習はちまちま進めてるけど、まだまだコードが覚えられない。中間試験でびびってるいまなら、むしろ捗りそうですけどね! 自信満々で確証を抱いている場合ではないね!?

 ピアノはまた別。鍵盤がね? 重たく感じるの。それに自分の指がさびだらけの金属のように思える。油をさしたいけど、無理。まずどの鍵盤を叩けばいいのかわからないし「乱暴だなあ、おい」とトシさんにダメ出しもされるし。

 うちのお父さんとお母さんが子供時代に、タレントさんが社交ダンスや楽器に挑戦する番組をやったらしい。相当の時間をかけて、ガチで挑んだという。

 もっといえばさ?

 戦場のピアニストだっけ。あとは~。ララランドあたりかな?

 ハリウッドは役者の層が厚い、というのはハリウッド幻想なのかなあ? わかんないけどさ。

 まったくの未経験からプロのトレーニングを受けて、全世界に披露する映画で学んだ演奏をお披露目するという。もちろん、ある程度の期間が必要だ。アクション映画なら、実際の銃器を利用した発射訓練したりさ? 不可能な作戦を実現させちゃうミッション・インポッシブルな映画の役者さんは、スタントを自分でやりきるぶん、最近怪我しちゃったらしい。

 そこまでしちゃう業界なのだと思うとさ?

 半端ないし、逆に言えばやろうと思えばできるわけだよね。

 映画がサイレントからトーキーに切りかわった時代をモチーフにしてる雨に唄えばって映画じゃさ? 声が残念な女優さんに、声もしゃべりも達者で歌が抜群な人がアテレコしてた。

 ごまかしようはあるんだ。ぶっちゃけ。

 ドラマだってさ? 手元を映さずにオケを流せば、弾いているように見えるし。手のアップはピアニストさんに弾いてもらって撮影してはめ込めばいい。手の形が近ければ問題なし。

 映画じゃねつ造映像もののネタがかなりあったと思うけど、いまどきフェイクニュースで完全フェイクの画像をでっちあげられそう。機械音声の技術が増せば肉声さえでっちあげられそうだしさ。技術の進歩が進むほど、いくらでもごまかせる。

 殺陣の稽古でおでこに思いっきりたんこぶできても、CGで消せちゃうという。お金はかかるだろうけど。

 逆に言えば、ごまかせる時代だからこそパーソナリティの価値があがるのかもしれなくて。実際に役者さんが弾いてみせるからこそのクオリティを見出す人が増えるかもしれない。

 そのあたりを皮肉かつユーモアたっぷりに描くワンカットのゾンビ映画があったよね。女優さんの涙が目薬だった~! みたいなネタ。あれなんか、手間なくできる手段だ。かかるのは目薬代。そんでもって、泣きの芝居なのかなあ。絵が作れりゃいいじゃんって話なのかもね?

 どっちがいいか。どっちが求めたいものなのか。

 それは最初の問答と同じで、答えがないの。正解はないんだよ。自分の中にしか。誰かの答えに迎合することはできてもね。それが唯一無二の答えにはならない。強いて言えば私にとってはトムさま超絶最高で素敵すぎでついてくし観るし、ゴズリングはピアノを弾いてこそ、あの映画のラストを最高に輝かせたと思ってる。私の中の結論はこれでいい。いまは。いずれは変わるかもしれない。より、好きになる形で。それだけで十分。

 意地でも運指を学ぼうとするけど、単純に曲を覚えて弾くだけじゃあね? 楽譜どおりに弾くとしても、浅すぎる。理解が欠片もできてないから、やっぱりお店で弾くクオリティにはならない。

 人差し指と中指が絡まって演奏をミスってから「んあああああああ!」と吠えたときだった。


「どう? 調子は」


 橋本さんじゃなくてディレクターさんがカメラマンさんとふたりして、にやにやした顔してみてるわけ。


「どうもこうも! できるわけないでしょ!」

「いやいやいやいや。春灯ちゃんがそう言うと思ってね!? 番組はもちろん計画を用意してましたよ!」


 くわっと噛みついた瞬間に、待ってましたとばかりにフレームインする橋本さん。

 いやな予感しかないんだってば! この番組は私を弄りたくて仕方ないみたいだから!


「計画って……穏やかじゃないよね?」


 初回がスカイダイビング。しかも立て続けに海に行って尻尾魚釣り。そしてその次は街ロケのはずがマグロの解体。予算のかけ方が絶対おかしいし、私に黙ってプランを立てる意味がわからない!

 なんで毎回ドッキリ形式なのかな!?


「春灯ちゃん真面目だから! いつ辞めるのかなって待ってたくらいだよ?」

「はあはあはあはあ! ほう!? へえええ!?」


 腕を組んで、必死に考える。

 ちらっとトシさんを見ると、すぐ隣に座っていたはずのお兄さんはカウンターに移動して結露たっぷりの冷えたグラスを受けとって、めいっぱいに注がれているコーラを一気飲みしてる。

 さすがにバイクで来てるから、お酒は我慢してるみたい。ノンアルコールでごまかすとかしないのね。あとコーラを一気飲みすると漏れなくゲップするのでは。

 そうじゃない。

 コーラとげっぷがフリとか絶対やだ。さすがにそれは。ビジュアルも売りのひとつですから! げっぷはさすがに! いやそういう芸風もあるにはあるんだけども。まだ早いかなと! どうなんでしょうかね!?

 いけない。げっぷから離れるんだ。

 ピアノ、バー。そして計画?


「え。わかんない。え。なに? やだこわい。え!?」

「そういうリアクションはいいんで」

「待ってよ軽く流さないでよ!? 私かなり不安だよ!?」

「空が飛べて、魚を釣れる九本の尻尾が生えてるわけでしょ?」

「なんか悪意があるんだよなあ!? 別に私の尻尾は釣り竿じゃないからね!?」


 橋本さん、絶対台本に乗っかってる。私の知らない台本に! 番組サイドだけじゃなく、ゲストのトシさんやお店の人まで知ってる台本に!

 ああもう断言するなら、私以外の全員が知ってる台本に乗っかってやがりますよ!


「そのうえ歌も歌えて! 現在ギターの猛練習中! ただいまをときめく女子高生ですから! 学業も忙しい!」

「……おぅ?」


 待ってよ? ううん?

 やな予感しか膨らまないよ? いまのところは!


「そりゃあたしかに歌手で高校生だけど」

「タレント業もますます盛りあがっていきたい! 春灯ちゃんが盛りあがるイコール! 我々と我々の番組もまた盛りあがるわけですから!」

「――……んん?」


 そろそろ回りくどくなりすぎてきたのでは?

 しかもピンとこないまま話が続いているぞ? 必死に悩んでいる私をカメラがばっちりおさえてますけれども!

 フォローしろと。なにかリアクションをせいよ、と。訴えたそうにこちらを捉え続けていますけれども!


「また無茶ぶりするのはわかってるの。それはわかってる。さっきまでピアノの練習をね? してたけど、それも十分無茶ぶりだったよね? でもそれ以上がくるっていうのはわかってるんだ」

「いやいやいや! 慣れてきたねえ、春灯ちゃん!」

「喜ぶべきところなのかなぁああああ!」


 唸るように言いながらも、必死に考えるし、ついでに説明を添えてリアクションまでしてみせるけれども! わからない! ここからさらなるステップアップが待っているとして、それがなんなのかがまったくわからない!

 ここのところ、アマテラスさまも学校もシュウさんたちも、清川さんさえも、ステップアップをしないと私のりきれそうになくてテンパってる! なんだ!? なにがくるんですか!


「じゃじゃじゃじゃじゃじゃあ! じゃあねえ! 言おうかなあ!」


 なにそのじゃあは! 多いそのじゃあは! なにをモチーフにしているのか明白すぎるんですけど! どうでしょうっ! どうなんでしょうっ! ありなんでしょうかね!?


「言ってください?」

「じゃあ言っちゃいましょう!」


 ディレクターさんとふたりで掛け合いをする橋本さんの笑顔よ。

 うっとうしいわあ。めんどくさいわあ。すくなくともいまはほっといてほしいわあ。

 そうもいかないのが、このお仕事なのでした。

 がっっっっっっっっっっでむ!

 やってる場合じゃないですね。


「こちらにフリップをご用意しました!」

「おおぅ!? 初展開なのでは!?」


 わかりやすくテープで隠してるよ! テープを剥がしたら文字が出るヤツでしょ? 知ってる! 無茶ぶりの内容が書いてあるんでしょ? わかりきってるんだよ! それくらいの手口は!


「いま、なにも読めないですよね?」

「丁寧にテープで隠れてるからね! ただ……フリップめいっぱいに、大きなテープで隠してるところみると、行数は少ないね!?」

「想像してますねえ! さあっ! 当たるんでしょうか、外れるんでしょうか!」

「いらないでしょ! さすがにその焦らしは! 見ればわかるもの!」

「じゃあなんて書いてあるんですかっ!」

「大人のまさかの逆ギレ大人げなさすぎるのでは!? そしてテープで隠してあるから読めるわけないよねっ! だからってドヤ顔されるのも解せないけどね!」


 橋本さんの顔芸ひどい。ギャグ漫画か、CGで誇張しすぎてるんじゃないかとか、漫画みたいにデフォルメした体型の芸人さんみたいな、わかりやすい顔するの。表情筋が豊かだからかなあ? 忍びで鍛えたから? いずれにせよ、それだけの能力を私をおちょくるためだけに使われるのって、なんかこう……切ない気持ちになるよね。


「じゃあめくっちゃいましょう!」

「待って待って待って! 素敵なお店に連れてきてまでして、空でピアノ弾けとか言わないよね!?」

「ピアノを空に置けたらいいですねえ、それ! 次の企画はそれにします?」

「ちがうちがうちがうちがう! そうじゃない! そういう話じゃないし、フリでもないから! テープめくろ!? あと空のピアノは一旦忘れよう! ね!?」

「えー?」

「じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃあ! じゃあ! 私がめくっちゃおうかな!?」

「いいの? それやると回避できないシステムだよ?」

「聞いてないよ!?」

「いま言ったもの。さあさあさあさあ! ふたつにひとつ! どっち!?」

「えええええ!?」


 いつの間にか二択に追い込まれてるぅうう!

 ひどい! それが忍びのやり方かっ!


「……めくる」

「だよね? じゃ、思いきりどうぞ!」


 失ったぁあ! 逃げ場をぉ!

 って、流れなのはわかってるの。わかってるけど、なんでだろう。

 心が泣けてくるんです。仕事って、たいへんだね……。


「せいやっ! はあ!?」


 思いきりテープを剥がしたら、出てきましたよ! 文字が! 私への無茶ぶりが!


『挑め! 青澄春灯オーケストラ!』


 待って。


「待て待て待て。待って? え? ちょっと……よく、意味がわからないなあ?」

「実は私たち、あえて先ほどひとつの要素を省きました。春灯ちゃんといえば!? そう狐!」


 せやろか?


「狐といえば!? 化かす! 化かすといえば!? 変化! でも番組は仕入れています! 春灯ちゃんが変化が苦手で、分身もできない代わりに、可愛い尻尾の化身を連れて歩いていると!」

「……おぅ?」


 まだぴんとこないよ?

 ピアノバーにそぐわないハイテンションとテンポでたたみかけてきてはいるけれども。

 もうちょっと情報が欲しいよ?


「そこで青澄春灯ちゃんにはっ! ぷちちゃんたちとオーケストラを結成して、番組でお披露目してもらいたい!」

「え、じゃあ……ピアノは?」

「春灯ちゃんが弾けばいいんじゃないっすかね」

「――……ははは」


 あははははは! 思いきり笑いながら、橋本さんの背中を強めに叩いちゃったよね!


「そのための仕込みにしてはゲストが豪華! あとおかしいと思ったの! みんなくつろいでるもん! なぁにぃ!? ディレクターさんとカメラマンさんが橋本さんと三人で絡んでるけど!? じゃあなんでADさんは他のスタッフさんたちとのんびりしてるの!?」

「スカイダイビンぐとマグロのときに思いのほか予算使い過ぎちゃったんで、次からスタッフの数が減ります」

「せちがらああああああい!」


 全力でのけぞって叫ばせて? 許してくれないかなあ。


「え。肝いり企画のために予算を大事に押さえておくとかではなく?」

「もし、仮にそうだとしても言わないよ。春灯ちゃんをだます手段が減っちゃうもの」


 やだなあって肘で二の腕突かれて、私は久々にビンタしたい衝動と戦う羽目になりました。

 おのれ!

 オーケストラ回りの企画はあれか! 中継ぎか! それにしちゃあ私とぷちへの稼働の負担が重くない!? きぇひひシェフのハロウィン出し物へのいい練習になるから受けるけどぉ!


「実際そのとおりだし。まままままままあ! 春灯ちゃんならできるって我々信じてますから! どでかい企画も着々と準備してますから! 春灯ちゃんに内緒でね!」

「教えよう!? 私にも!」

「だめだよー。うちの番組は春灯ちゃんを弄りたい!」

「最低だよ!」


 ぎゃあぎゃあ騒いで収録が終わる。

 夜までかかる見込みで捉えていたのに、時間もちゃっかり押さえられているのにもかかわらず。

 撮影終了、ありがとうございましたーって言いあうなり、じゃあここで飲んでいこうってわいわいと盛りあがるのってどうなの?

 局とかよそでの仕事はもっとピリッとしてるけど。

 のびのびとしすぎなのでは?

 撮影終わりに橋本さんに疑問をぶつけたらさ? ディレクターさんと肩を組んで言うわけ。


「最近いそがしいんでしょ? キミってば、相変わらずいろいろ巻き込まれてるみたいだし」

「俺らからののんびり時間のプレゼントってことで」


 仕事ですることなのかなあああ!?

 って思いはした。思いはしたけど、高城さんが調整して用意してくれたのだと思えば、ね。

 苛々するだけ損。

 損なんだけれども、でもなあ。


「春灯。もうちょい時間あるから付きあえ」

「はあい」


 いいのかなあ。

 初めて来たお店で、ここまで好き勝手させてもらっちゃうなんて。

 ピアノに戻ったトシさんに呼ばれて、練習というよりトシさんの演奏で歌う流れになった。

 夜までずっとこんな調子みたいだ。

 いっそ清川さんにメッセージ送っておこうかな。

 こっちこれる? って。来てくれたら大歓迎だ。

 お店の人にお酒だなんだと出してもらって、すぐにでも出来上がりそうな大人たちを尻目に、トシさんとふたりで音楽の時間。

 なんだなんだと顔を覗かせるお客さんも来そうだ。扉の外から覗いてくる人が、さっきから結構いるから。

 いっそ客寄せになれるのなら、貢献していこっかな。

 若干解せないものの、橋本さんたちの言うとおりだ。

 最近テンパってばかりだし、目の前のことにきちんと取り組むって決めたのだ。

 いまは楽しんでいこ。

 慣れないピアノに苦心しまくった指は、今日はもうほどほどにしてくだしいって私に訴えてきてるけれども。

 歌い足りない。全然ね?

 じゃあもう歌っちゃうか! 好きに時間を注ぐこと自体、大好きだ。

 ぷちたちが素敵なものを見せてくれたんだもの。

 昂ぶってるよ。いまだに残ってる。この熱を思いきり味わいたいんだ。

 いまはただ、それだけ。

 それだけでいいの。




 つづく!

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