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≪俺は、多分普通な一般人?≫[第0話]

『やっと見つけた…』


 暗い暗い闇の中、声が聞こえる、澄んだ音色の鈴の様な声が。


『やっと見つけたわ…』


 聞き覚えがあるような、しかし思い出すことの出来ない声。


『光一…』

 さっきとは違う声だがこっちの声はハッキリ知っている。


「光一お兄ちゃん、起きてーーー」

 いきなり布団を捲し上げられ、ほかほかの躯体がまだ寒い部屋の空気にさらさる。

 おもわずクデクデとそのばに丸くなる。


「うぐぐぐぐぅぅぅ」

 丸くなるだけでは、寒さは防ぎきれずにうなり声をあげる。

「お兄ちゃん、早く起きないと遅刻するよ!!」

 妹の小さめの足が腰にあてがわれ、ゲシッ、トドメとばかりにベットから蹴り落とされた。


「うぐぐ、妹よもう少し優しく、そっと、女の子らしく、起こそうとは考えなかったのか?」

 床に打ち付けた腰をさする。

「いいのよ、ちょっとやそっとじゃ起きない方が悪いの」

 言うが早いかそそくさと部屋を出えていった。


 すっかりと目も覚めてしまったため、起きて学校の仕度を始める。

 腰はだいぶ痛みも引いた、寝癖を直し、Yシャツに袖を通して、

一階のリビングまで降りる、見るとすでに朝ご飯が出来ていた。


 俺が席に着くと同時に、すでにご飯を済ませた妹は席を立つ。

「じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃ〜い」

 軽く手を振り見送り、ささっとご飯を平らげる。


 特に何も入ってない、軽いバックを肩にかけ、遅刻しないように家を出る。

 自転車にまたがり、ペダルを漕ぐ、行きは下り坂、約10分で学校についてしまうが、

歩くとなるとそうは行かない、30分はかかる道のりである。

 そこそこ急な下りざかを一気に駆け抜ける、冷たい空気が肌をチリチリ刺す。


 いつも通り、授業開始ギリギリに駐輪場に到着、自転車に鍵をかけ教室に走る。

 これまたいつも通りギリギリに着席。

「よぉ」友人に軽く挨拶をして、まもなく授業がはじまる。


 勉強は好きでも嫌いでもないが、テスト前にならなければ机に向かうことは少ない、

かと言って授業中にしっかりと勉強するでもなく、今日もノートをとり、

適当に授業を聞いて、たまに寝てやり過ごす。


 あっという間に昼休みだ。


「待ちに待った〜昼休み〜」

 購買に昼飯を調達しに行こうとした時に、鼻歌混じりに悪友が近づいてきた。


「今日も元気かっ光一君〜」

「総一、お前は元気そうだな、何か用か?」

 こいつは小学校以来の腐れ縁、なにかとつるむ時はいつもこいつである。


「おうおう、元気いっぱいだ、飯はどうするよ?弁当か?購買か?学食か?断食か?、

ついでに俺は学食希望だが」

「一応、購買を考えていたが、学食でいいよ今のところ財布は温かい」

 学校の購買も学食も一般と比べれば安いのだが、購買の方がより安上がりだ。 やはり懐の暖かさで購買か学食か果ては断食か別れてくる。


「じゃあ学食行こうぜ〜急がねぇと席なくなっちまう」

 総一は急かせがなら教室を出る。

「了解」


 学食にはすでにほとんどの席が埋まっていたが、かろうじて一ヶ所だけ空きを見つけ座る。

「俺はカツ丼でもくうか、お前何にするよ?」

「うーん、狸うどんにでもするかな」

「OK任せろ、食券買ってくる」


 総一にお金を手渡すと颯爽と買いに行った。 程なくカツ丼と狸うどんをトレーに乗せて持ってきた。

「へい、お待ち!!」


 出された狸うどんは、ドンブリ一面赤一色、狸の部分すらみえない。


「総一君?これはーなんですかな?」

「狸うどん」

 即答、しかも何を言っているのだ?と疑問な顔をしている。

 まるでこっちが変なことを聞いている錯覚におちいる。


「何でこんなに赤いのですか?」

「サービス!!うどんには七味!!」

 限度というものを知らないのだろうか…


 口いっぱいに広がる辛み、辛み、辛み、辛み、それは全ての味覚を否定し、

赤一色に染め上げ、冬真っ盛りの寒い季節に汗だく、

自分から発せられる湯気で視界がかすむ程。

 結局、唇を真っ赤に膨れ上がらせながらも完食、われながら良く頑張った。

 二度と彼に頼むのを止めようと心に誓った。


「確か、午後は家庭科か〜異様に眠いんだよなーあの授業、

光一君〜私はあの授業で寝なかった例が無い」

「おいおい、俺も人の事言えないくらい寝てるが、大威張りで断言することはないだろう、成績1が付いちまうぞ」

 話しの流れからして分かってもらえるだろうが、

成績1とは赤点である。


「ナーーーーンセンス、私に限ってナッシング」

 オーバーなアクション両手を前でクロスさせる。

「一夜漬でテストやれば平気平気」

 悪友とのそんなこんなのやり取りをしているうちにそろそろ次の授業の時間に近づいて来た。


 結局この後二人とも机に伏した事は語るまでもないだろう。


 

はい

読んでいただきありがとうございます、阿山利泰です。


前回書いたのが?7月くらいで半年以上日にちが空いてしまいました、初の連載ものです。

この元の原稿はかれこれ2年前書いたものです、

元の原稿は読めたものではありません!

手直しと書き足し何とか読んでもらえるかどうか…

意を決して出してみました。


これからもがんばって完走目指して行きますので

応援よろしくお願いします。

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