農場のお姉さん
僕とココは、同じ施設で暮らしている。
二人とも、自分が何歳なのか知らない。
施設の他の子たちもだ。
時々、農場のお姉さんが僕たちの施設にやってくる。
お姉さんは、来るたびにおいしいものを持ってきてくれる。
僕たちの部屋の掃除もしてくれるんだ。
お姉さんは掃除をしながら、ときどき綺麗な声で歌ってくれる。
僕とココは、その歌を聴くのが大好きだ。
たまに一緒に歌ったりもする。
僕たちはいつもお姉さんの後をついて回る。
今日もお姉さんが来てくれた。
あれ?
ココは、どこへ行っちゃったのかな?
せっかくお姉さんが来てるのに。
僕はココを探した。
すると裏の方からココの叫び声がした。
どうしたの、ココ?
目を凝らして見ると、お姉さんがココの首を掴んで、鉈を振り上げていた。
うそでしょ。
お姉さんの振り上げた鉈が、ココの首を落とした......
お姉さんは、次に僕を見て、近づいてきた。
一歩、一歩近づいてくる。
血だらけの鉈を持って......
扉はいつも閉まっていて、僕たちは外へ出られない。
やめて!
お姉さん、僕を殺さないで!
必死に逃げ回ったけれど、とうとう僕はお姉さんに捕まってしまった。
お姉さんは、無表情で鉈を振り上げた。
ああ、僕もココのように殺されるのか。
今日は、私の兄が王都から帰って来る日だ。
父は、近くの駅まで迎えに行った。
母と私は、兄の好きな料理の準備で忙しい。
何度やっても、鶏を締めるのは好きになれない。
暴れて大騒ぎするし、血だらけになるのも気持ち悪い。
今日も二羽、締めた。
兄の好物が、鶏の煮込みだから、お代わりしてもいいように多めに作った。
喜んで食べてくれるといいな。
私は、ゆっくりと鍋をかき混ぜた。




