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1.別れもなければ出会いもない

中学生題材の恋愛ラノベです。

良かったら読んでってください。

一目惚れ、そんなことは俺たちにはあり得ない。なぜなら、俺がこれから通う公立海の江中学校では、小学校からメンバーが変わらずにそのまま中学校へと上がるからだ。

「こんなはずじゃなかった。」

入学式の朝、変わらぬ日常に嘆きの念を込めて俺は呟いた。春から始まる新生活、なんてものは俺には訪れない。今になって、中学受験をしてどこか他の学校に行っていれば良かったのかと後悔が募る。新しい制服に身を包んでも俺の気持ちは晴れない。

「あんたもう行くよ!」

母が一階から呼んでいる。まだ式開始まで1時間もあるのにもう行くというのか。5分前行動主義者の最高到達点というのはきっと母のような人なのだろう。まぁいい、どうせ家にいてもこの憂鬱な気持ちが晴れるわけでもない。珍しく早朝の散歩というのも悪いものではないだろう。

「わかった!もう行く!」

玄関から足を踏み出し、俺は変わらぬ日常に迎合してしまった。学校に着くと、入学式前に散ってしまった空気の読めない桜の木が図々しくも葉をつけ、青々と自身の存在を主張していた。

「あんた、写真撮るよ!」

「え、でも桜咲いてないし、別よくね。」

「いいから、こういうのはどんな写真でも思い出になるの!」

全く母親というのは世の中全員こうなのか。こんなぱっとしない息子の写真とって何が嬉しいのかさっぱりわからない。まぁでも、人がたくさん来てから撮られるのも気恥ずかしいのでここは速やかに終わらせてしまおう。俺は手早くピースを作り桜の木の下に立った。

「これでいい?早く撮ってね。」

「はいはい。って、え?」

「なに?どうしたの?」

「いや、あんた女の子の友達なんていたの?」

「は?」

「だから、あそこであんたに向かって手振ってる子。」

何を言ってるんだこの母親は。俺に女友達なんているわけないだろ。小学校からずっと友人関係は男一色。実際、そっちの方が楽だし。いやまじで。彼女とかいらんし。それでなんだっけ。俺に向かって手振ってる子?どれどれ。俺が振り向くとこっちに向かって小走りしてくる美少女がいた。身長は俺と一緒ぐらいで、長い黒髪をポニーテールにしてまとめている。肌は白くてセーラー服がよく映えている。あんなやついたっけ。

「おはよう!朝早いね!」

顔をよく見てみるとやっぱり可愛い。目は大きくて光があり、鼻筋は通っているが主張は控えめだ。忘れ鼻というやつか。それにしても、こいつは一体誰なんだ。

「ああ、おはよう。でさ、失礼かもしれないんだけど、俺たち会ったことあったっけ?」なんともおかしな挨拶になってしまったがヨシとしよう。

「やっぱり!わかんないよね〜!じゃあクイズです!私はいったい誰でしょう!」

そう来たか。ただ、声色で何となく思い当たる節はある。先ほど、俺の友達は男しかいないと言ったが、1人男と言って差し支えないような女がいるのだ。名前は森山さゆか。たしか、こいつは髪の毛は肩ぐらいまでしかなくて、いつも短パンで俺たちと一緒にゲームをしていた。でも、小6の2月ごろから学校に来なくなってそのまま連絡もなく、俺もさゆかも卒業してしまった。まさか、今目の前にいるこの子がさゆかだと言うのか。そんなはずはないと思いながらも、他に想像つく人もいないので、ダメ元で聞いてみる。

「もしかして、さゆか?」

「正解!よくわかったね!雰囲気変わったでしょ!中学デビューってやつ?してみたんだ!」


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