君待ち花*花
一面、青々とした草が伸びる草原。
そのまん中。
一輪の花が咲いている。
そよ風にゆらゆら揺れながら、咲いている。
どこか寂しげで。
どこか儚げで。
どこか、誰かを待っているような。
そんな雰囲気を感じる。
ゆらりゆらゆら…
すると、青い鳥が種を持ってきて。
その一輪の花の傍に種を植えた。
鳥が種を植えてどこかへ飛んでいくと。
天から雨粒が降ってきて、大地を濡らす。
すると、一輪の花の傍から芽が出てきた。
あの青い鳥が植えた種から、芽が出てきたようだ。
芽はにょきにょきと伸びていく。
その芽はほどなくして、蕾をつけた。
天から降り注いでいた雨が上がった瞬間──
ふわっ…と。
蕾が花開いた。
君が、咲いた。
一輪でゆらゆらと咲いていた花。
そのとなりには、新しく花開いた君。
寂しげだった一輪の花は、どこか嬉しそうで。
そよ風に揺れる、二輪の花。
その花たちは、どこか楽しげで。
どこか、幸せそうで。
虹かかる青空の下。
二輪の美しい花が、微笑む──…
タイトルの「花*花」は、なんとなーく「はなはな」と打ったら「花*花」って出てきたので、かわいーからそのままタイトルにしました(笑)
お立ち寄りくださり、ありがとうございました。