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Chapter1 - Episode 21

お待たせしましたァ!

腹ぶっ壊して入院手前まで行ったり、仕事が忙しかったりして時間が取れてませんでした!申し訳ない!

ということでまたよろしくお願いします!


「まずは――」


観察、と言おうとして咄嗟に横へと飛ぶ。

『宿主達の蔦主君』という蔦の熊がこちらへと向かって突進してきたからだ。

お互いに距離を近付ける行動。

しかしながら、相手の方が四足という点で機動力が勝っている。

……蔦人形みたいな移動方法じゃない。


転がりつつ、突進してきたボスの脚の部分を見てみれば、普通の動物の様に動かしているのが分かった。


「序盤のボスなんだから少ないパターンでお願いしたいですねッ」


体勢を整え、突進後の蔦の熊に対して回転式拳銃を2発撃つ。

的が大きく、別段回避もしなかった為命中したものの……HPはあまり削れない。

HP偏重型なのか、それとも蔦人形のような装甲をもっているのかは分からないが、それでも時間が掛かりそうなのは分かる。


攻撃した事で、完全に私の方へと視線を向けた蔦の熊に複数の青白い鳥が群がり爆発した。

それと共に、私は【臆病な花畑】をボスへと向けて発動する。


『――!』

「げっ」


だが、効かない。

否、デバフのようなアイコンが頭上に出現しているのは見えている。

つまるところ、効いてはいるが効力が低すぎるのだ。

……初期段階じゃ部が悪いか。


ここまでで2枚、自分の手札を切ったものの……かなり費用対効果が悪い。

森のフィールドであるのだから、火でも熾せるアイテムを買ってくるべきだったかと思いながら、蔦の熊が動き出すのをゆっくりと待つ。下手に仕掛けると何をされるか分からない。

――動いた。

こちらを向きつつ、前足を大きく地面へと叩きつけ、


「あっぶなぁ!」


瞬間、私とメアリーの足元の地面から無数の蔦が、こちらを拘束しようと触手のように出現したのだ。

どうにかこうにかそれを避けつつ、蔦の熊へと視線を向ければ、叩きつけた前足が地面へと埋まっているのが見える。

……形だけって事ですね!


確かにボスの名前に熊なんて名前は入っていない。

形をその形にしているだけで、実際は何にでも変わることが出来ると考えた方がいいだろう。

試しに地面から出てきた蔦に向かって1発撃ってみると、本体の方のHPが少しだけ削れたのが見えた。


「メアリー!蔦の方がダメージ通ります!」


言うや否や、視界外で爆発音が連続し本体のHPが約1割ごっそりと削れていく。

恐らく弓の連射か何かで蔦を滅多打ちにしたのだろうが……それにしたって減った方だろう。

ギミック色の強いボス……特殊状況下に置いて防御能力、というよりはこちらのダメージにバフが掛かる形だろうか。


……ならいくらでもやりようがありますね。

先程、本体に銃を撃ったタイミングは通常状態。

そして蔦を地面に潜らせ、拘束してこようとしていたのが弱体化……もしくは攻撃受付状態。


「……ふぅ。目で追いつけるなら速度は上々。アタッカーはメアリーだけでも問題ない。なら、私がやるのはそのタイミングを指示する事と、それまでメアリーにヘイトが向かないようにすることだけ」


方針が決まった。

そしてやるべき事も……いや、こちらは戦闘が始まってから変わっていない。


「見て、視て、観て……全部(わか)った上で倒す。いつも通りです」


蔦を引き戻したボスが、またこちらへと突進しようと足を動かしているのが見える。

馬の前掻きのような仕草だ。恐らく、アレが突進の前動作。

幸い、まだ視線はメアリーではなく私の方へと向いている。

ダメージ量ではなく、距離の近さでヘイト量を決めているのか……何にせよ、ありがたい限りだ。


突進してくるボスに合わせギリギリの所で横に飛びつつ、ボスの進行方向に【木の恵み】を発動させる。

斜め後ろの方でかなり大きな激突音と共に、木が倒れていくような音が聞こえた為見てみれば、青白い木が衝撃に耐えられなかったのか、根の部分から横に倒れていくのが視界に映った。


「喰らったら即死、くらいの勢いですね」


実際、耐えられたとしてもほぼ瀕死だろう。

ボスは木にぶつかったのにも関わらず、何も気にしていないかのようにこちらへと向き直り、2本の後ろ足で立ち上がる。

前足を軽く上へ掲げ、


「回避一択ッ!」


まるでハグするかのように、こちらへと突っ込んでくる。

蔦での拘束ではなく、本体による攻撃。

勿論そんなものが直撃したら、純粋なタンクではない私は引き裂かれてしまうだろう。


『――!』

「はぁ!?」


無論、回避しようとする。しかしながら足が動かない。……見れば、ボスの身体の蔦の一部が地面を伝い、私の足へと絡みついていた。

慌てて私は足元に【魔力弾】を放つ。

衝撃と自爆に近い行動の所為でHPが少なくない量削られたものの、その分距離を取る事が出来た。

そんな私の目の前を、蔦で出来た爪が通り過ぎていく。間一髪、という所だろうか。

代わりに、足元に絡みついていた蔦に攻撃したからか、ボスのHPも少しは削れている。

恐らく先程と同様、ダメージを与えられるタイミングだったのだろう。


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