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宇宙のショコラケーキ  作者: Cookie
1/1

いつもどおり

 変わらない街並み、この視線。みんな、私がここを通ると急に振り向く。そして、怯えた顔をして仕事に戻るの。


 [第一章 いつもどおり]

女性A「それでねえっ、うちの子ったらすぐに〇〇さんにしがみついー...」

 私が通り過ぎると、その女たちは急に黙り出した。

女性B「ほっ...他の場所で話しましょうよ。」

女性C「その方が...いっ、良いわよ。」

女性A「そ、うね。そうしましょ。」

 なんで?なんで逃げるように移動するの?...私、何か悪いことしたっけ?

 するとみんなが私に気づいた。

住人A「あっ、ロシレッタの野郎だ!戸締りをするんだ!早く!」

 なんで?

子供B「ママー!こわいよぉ!」

 なんで泣くの?

(ざわざわ...)

 なんで...冷たいの?

 もうこんなとこうんざり!早く家に帰ろう。

 

 *・゜゜・*:.。..。.:*・'。'・*:.。. .。.:*・゜゜・*


 ーナミネーゼ街 3丁目 セネヴィン家ー

 私は、玄関いっぱいに書かれた落書きや悪口を見てため息をついた。

 (...家を出る前より増えてる...。)

 古さびたドアを開けると、ギイッと音が鳴った。

 誰もいない部屋、静まり返った食事場、歩くたび音の聞こえる床ー...。でも私はこれを怖いだなんて1秒たりともない。なんたってここはお父さん、【サイコン・セネヴィン】の作ったお家だもの。たとえ狭かろうが、暗かろうが、ここはお父さんが作った家に変わりはない。

 このドレスだって、お母さんに「欲しい」とねだったら、何十着でも作ってくれた。

 誰がなんと言おうと、この家も服も、自慢の両親が作ったんだ。だから、後悔なんてするわけがない。

 ...ただ1つ嫌なことといえば、この家の落書きと、このドレスのシミ。

 私を除け者扱いする奴らの仕業だ。この服のシミは、コーヒーで故意に付けられたものだ。許せない。今は病死して会えない両親を...この家は、世界に一つの家なんだよ?世界に一つの服なんだよ?

 ーそしてたまに、こう思っちゃう。『全部なくなっちゃえ』って。

 でもそれは私にとっちゃ夢でもない。なぜなら...〈二章に続く


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