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 『小鳥もサカる、タカナシブランド』

 このキャッチコピーを知らない奴はこの国にはいないだろう。特に、健康な男子高校生なら。


 株式会社タカナシは国内最大級の『性』関連商品開発・販売カンパニーだ。

 要はエログッズで儲けている会社ってわけだ。

 いや、馬鹿にしてはいけない。性に関係のあるものなら何でもござれ、手を広げたことごとくにおいてその品質の高さで市場を席巻し、今じゃそこらの一流企業なんて目じゃないくらいの年商を誇っている。

 たとえば本屋に行ったとする。ライトノベルのコーナーの端の方に、何だか少しピンクっぽい雰囲気の表紙が並ぶ一角があるはずだ。描かれた美少女たちも、普通より肌色が多めで。

 それらは全て『ジュブナイルポルノ』と呼ばれるジャンルの小説だ。特徴は、ちょっとどころではなくエッチなシーンがたくさん盛り込まれていること。年齢制限はないから小学生でも読める。

 その内一冊を手にとって裏表紙を見れば、そこには小さな鳥のシルエット・ロゴと共に『小鳥遊文庫』と書かれているだろう。

 小鳥遊文庫はタカナシブランドの中でも主力商品の一つで、ジュブナイルポルノ市場の実に八割強を占めている。そんなにも売れた理由は簡単で、とにかく内容のクオリティが高いのだ。ただ乱雑なエロで吊るだけの粗悪品では決してなく、笑ったり泣いたり、時には感動で手が震えるような作品もある。そして読了した者は必ずこう熱く語るのだ。

「あのエロシーンが最高だったんです!」


 株式会社タカナシの社訓は以下の通り。

『エロに甘えるな、そしてエロを最も愛せ』

 初代社長にして現会長・小鳥遊聖夜(せいや)の信念でもあるこの社訓は、何度もメディアに取り上げられている、タカナシブランドを象徴する名文句だ。


 ……という事実を知ったのは、俺が小鳥遊操と関わることになってからだ。俺はそもそも性関連には疎いのだ。

 察しの良い人ならもうわかっているだろう。

 そう。小鳥遊操は、小鳥遊聖夜の孫。株式会社タカナシの跡取り娘なのである。

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