§『花火を見ようと思っていた』を終えて(ネタバレ自作解説)
約三か月近く連載した『花火を見ようと思っていた』が完結しました。
前作同様、あとがきとは違う、セルフライナーノーツ的なことを書いていきます。
あ、普通にネタバレしますからお気を付けください。
書き終わったのは八月下旬だったような気がします。あまり覚えていません。
夏の間に終わらせたかったのですが、設定を変えるのも面倒だったので、当初の予定通り、各話千文字程度で毎日七時投稿で行いました。
前作の『彼女がいると思っていた』のときはキャラクターを生み出す苦しみがあったのですが、続編ということで悩むこともなくそこが大きな違いだったと思います。
新キャラクターも二名追加しましたが、他のキャラクターと大きく違う設定にしたので難なく作れたという印象です。
前作は主に学校内での出来事を中心に書いていたので、夏休みということもあり、みんなにはいろいろと外へ出かけてもらいました。
学生の夏休みは楽しいですね。本当にコロナが憎いです。
書いていて懐かしい気持ちになったり、たまには行きたいなと幸助たちを羨んだりしました。
この話は二〇〇九年の話なので、その当時に流行っていたものなどを調べて組み込んでいく作業も楽しく出来たと記憶してます。
まだまだ調べたはいいけど使わなかったものとかがあるので次作以降使っていきたいと思います。
今作は横割りを意識して書きました。
クロスオーバー、リンクということですね。
例えば平尾香苗と池袋に行ったときのビームスの服は小川麻衣が選んだものでその紙袋で若松理穂にマンガを貸すといったような、ちょっと怖いものも入れたりして書く側としては楽しく出来ました。
それぞれが一人称だとしても群像劇では全体を知れる、ある意味神の視点のような効果があるので、こういった仕掛けもできるのだなと勉強になりました。
それにしても、人間関係や恋愛においては知らない方がいいことが多いってことですね……。
このクロスをさせる群像劇は、プロローグというある意味オチを書き終えているので、案外書きやすいという感触があります。
それにシーンのクロスは視点は違えど同じシーンですから、新しいシーンを書くより手間が省けて楽です。
ただその反面、そのシーンについては、視点分のエピソードや意味を考えておかなければいけないというのが、他のものと違う書き方になるでしょうか。
同時に書くわけではなく、それぞれのキャラクターごとに書くので、後に書くキャラクターの心情や状況、行動もある程度は設定しておく手間はあります。
逆に何も考えないで書いたけど、これクロスできるじゃん、っていう棚ぼたもたまにあります。
あとはプロローグのように書くだけ書いて、あとから、このセリフを言っているからこういう気持ちなのだろうとか、こういう流れで行けばこの発言につながるなとか、強引に持っていくこともありました。
そういうところがパズル的で面白いです。
『花火を見ようと思っていた』を書いていて、分量がわかってきたという驚きがありました。
各話千文字程度で投稿しましたが、キリの良いところで場面を変更したり、今何文字程度だなとかもわかるようになってきました。
今が千文字超えたくらいでしょうか(約千三百文字でした。あまり正確ではありませんね)。
次回作はある程度のサプライズも用意できていると思いますが、全体的に短いです。
もともと次回作に書こうと思ってぼんやりと構想していたのとは別に、新たに着想したものがあって、そちらを先に書いたからです。つまるところ『花火を見ようと思っていた』の番外編的な、後日談的なものになったからです。
なので一応その次の構想もぼんやりとあります。ただそれは今の私の技量を越えるものになりそうなので、書くまでに時間がかかるかもしれません。
とにかく頑張ります。