表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/113

ガイド

 大学生のころ、本屋で「ブリティッシュ・ハードロック」というシンコーミュージックから出ているディスクガイドをなんとなく買ってしまった。

 当時聞いていたイエモン――吉井和哉がデビッドボウイのファンって事で、勉強しようと思っていて、手に取ったのがきっかけ。

 レコードジャケットと収録曲、有識者による解説、そして時々コラムが書かれている。全部で五百八十二枚のディスクが紹介されている。

 今出ているものは新装版となっていて、なぜか収録曲が書かれていないが、そのかわりオールカラー。

 私のは古いもので、収録曲が明記されている。そっちの方が私としては好き。

 学生時代にはサブスクがなかったので、ブックオフやディスクユニオンで中古のCDを買い漁って聴き漁った。

 

 色々な曲を聴いていると、これはハードロックなのか? と思える曲にも出会った。

 キングクリムゾンやカルメン、グリーンスレイドなんかがそうだ。

 ハードロックって言ったらハードロックなんだけど……なんか違う? みたいな。

 それで調べてみると、「プログレッシブ・ロック」なるジャンルを知った。

 メロトロンを使っている楽曲はそれだけで、プログレッシブな感じがする。


 当時の音楽はジャンルが重なっている部分が多い。

 というより、ジャンル分けそのものは本当はナンセンスなものなのだろう。

 ただジャンル分けする方が商業的にもメリットは大きいし、新しく聴き始める私のような人間にもとっつきやすくなるので、意味はあるのだろう。


 それでシンコーミュージックの「UKプログレッシブ・ロック」という本を買った。

 ベガーズオペラとかムーディーブルースとかピンクフロイドなんかをそれで知った。

 とにかく難しいジャンルだ。プログレッシブとは言ったものだ。


 新しい(時代的には古い)音楽を知れることに楽しみを感じ、じゃあヨーロッパのハードロックがあるのなら、アメリカにもあるはず、と思って探したら「アメリカン・ハードロック」があった。

「ブリティッシュ・ハードロック」の中でもブルージーな曲が多かったのでのそんなロックがあるのだろうと思ったら案の定「ブルース・ロック」があった。

 じゃあ日本は? と探せば「日本のロック」というディスクガイドがある。

 そんな感じで結局、シンコーミュージックのディスクガイドは十三冊持っている。他の出版社のものも合わせると、二十冊くらいだろうか。

 

 これだけディスクガイドを買って解説を読みながら曲を聴いても敵わないものがある。

 当時リアルタイムで聴いていた人の話が何よりも一番面白いのだ。 

 私は友達のお父さんとバンドを組んでいる。還暦を越えた人たちだ。

 彼らが若かった時代の曲を聴いていると私が話すと、楽しそうに当時を思い出すようにおすすめの曲や、かっこいいギタリストを教えてくれる。

 

 真のディスクガイドは当時の人だ。

 たぶんこれは音楽に限らないだろう。

 小説や映画、アニメやお笑い、エンタメ全体に言えると思う。

 私も将来、何かのガイドになりたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 私は自然探索に付き合って、いろいろ教えてくれるガイドさんと友達になりたいです。 (自分では努力しない横着者)
2021/07/09 16:45 退会済み
管理
[良い点] 面白い趣味! 何かについて詳しい人は面白いし、そういう人になりたいですよね
[良い点] いいですね! 解説書と違い人に聞く話には「熱」が入るんですよね。 入りすぎて止まらなくなる人もいますが、、、。 世代を超えて共にできる何かがあるのって、羨ましいです。 [一言] 当時の人し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ