無駄遣い
私のモットーは「無駄遣い」だ。
これは学生時代、笑いのツボの合う友人と遊んでいるときにモットーにした。
この友達は『歌詞』で書いた、歌詞を送ってきた友人で、私の一人で楽しんでいた根暗な部分を評価してくれて、引き上げてくれた人だ。
その友人と意味もなく曲を作りまくっていたのは、メロディの無駄遣いをするため。
作曲というのは早い者勝ちだ。
この先、桑田佳祐がキャッチーなメロディを書こうが、ミスチルがドラマティックな旋律を奏でようが、私が先に書いていたらオリジナルは私だ。
彼らが書けばお金になるだろうけど、私が書いたらなんにもならない。
これがメロディの無駄遣いだ。
まあ彼らに張り合うことなんてできないけれど。
ただ、こういう根暗な発想を面白いと言ってくれた友人には感謝だと、これを書いていて改めて思った。
あとこの友人とよくやった無駄遣いは、ディズニーの無駄遣いだ。
高いパスを買って、乗り物には乗らずディズニーで非常口のマークを探していた。
これは「夢の国の夢じゃない部分」というのがテーマだった。
非常口のマークをカメラに収めていたら外国人に「ホワァイ?」と言われ、友人が爆笑していた。
確かあれはイッツ・ア・スモールワールドだった。
よくこれに付き合ってくれたなと思う。
今考えたら、ちょっと意味わかんないよな。
話をアマゾンプライムデーに変えよう。
年に一度の感謝デーなのだ。
これはプライム会員に感謝を込めて値下げをしているというものだが、私の解釈は違う。
プライム会員になるといろいろオトクなので、こちらが感謝の気持ちで買い物をする日、というのが私の解釈なのだ。
そういうわけで、私は美顔器を買った。
ベルトのようなもので顎から後頭部を固定して、頬に微弱電流を当てて小顔効果が期待できるものだ。
でもわかっている。
これは無駄遣い。
別に買わなくてもいいものだ。
それ以外は、災害時用の大容量バッテリーと仕事用のリュックという必要なものを買った。
しかし、やはりどう考えても美顔器はなくてもいい。
正直に言おう。
つまりこの美顔器購入という無駄遣いの言い訳のために、学生時代の思い出を話したのだ。
そしてプライムデーの新解釈も全ては言い訳だ。
美顔器購入を正当化するための言い訳なのだ。
美しくなってやる。