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エイプリルフール

 どうやら今日はエイプリルフールらしい。

 それにちなんだ何かを書こうと思ったけれど、普段から嘘をついているので、いざ嘘をつこうと思っても、なかなかいい嘘が出てこない。

 私の書いている小説は全てフィクション、つまり嘘。

 ほとんど毎日嘘を書き続けているわけだ。

 たまに実体験や、実際に思っていることも含まれているけれど、まあ全て嘘と言っても差し支えない。

 そんな嘘にまみれた日々を送っているが、嘘をつくに至った経緯を話そう。


 

 私は中学二年生頃、頭の回転の速い人に憧れ、自分もなりたいと思った。

 どうすれば頭の回転が速くなるか、考えた末に思いついたことが、嘘をつくことだった。

 とっさに嘘をつく。本当のように嘘をつく。

 カイザーソゼのように虚実の入り混じったことができるようになりたいと思った。

 それを続ければ、頭の回転が速くなると思って、嘘をつきづつけた。

 その結果、まぎれもない嘘つきになった。

 頭の回転の速さはどこにいったのか、嘘をつくことが目的になっていたようだ。

 それが大正十年の話。



 私は年齢を公表していない……はず。

 カイザーソゼなんて古い映画の登場人物を出しているけれどカモフラージュかもしれない。車は運転できるから、十八歳以上は認める。いや、待てよ、もしかしたら寿々喜節句はやばいやつで、不良系かもしれない。


 性別に関しても記述したことがない……はず。

 エッセイの中で趣味のことを話しているし、髪が長いことをどこかで書いた気がするけれど、断言はしていない……はず。

 今は性による境目はあいまいだし、性で分けることに意味もなくなっている。

 

 住んでいる地域も書いたことはない……はず。

 ただ、これに関しては、話の内容や雰囲気でなんとなくわかるかもしれない。


 国籍に関しても暴露していない……はず。

 日本語を違和感なく使えているだろうか。

 日本語で日本を舞台にした物語を書いているから、私を日本人と思っているかもしれないけれど、異世界ものも書いている。異世界人の可能性は否定できないかもしれなくもない。


 人数に関しても明文化はしていない……はず。

 書いている小説は、異世界転生、学園恋愛、SFハードボイルド、過去にはホラーな短編。それにこれはエッセイ。

 いろんなジャンルに手を出している。

 果たして一人なのか。複数人『寿々喜節句』がいるのかもしれない。

 

 脳みそについて語ったことはない……はず。

 人間が人間の手で書いたことを前提にしているけれど、発達したAIの作品かもしれない。

 『寿々喜節句』というのはそのAIの名前かもしれない。


 

 果たして私は存在するのでしょうか。

 この小説家になろうの中にしかいない人格かもしれません。

 私に会ったことのある人、います?

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