貯金箱
私はガラクタが好きなので、ハードオフで色々なものを漁るのだけれど、郵便ポスト型の貯金箱をよく買ってしまう。
色の種類が豊富で、背の高さによる違いもあり、並べるとなかなかに可愛らしいのだ。
中古で百円から五百円くらいだけど、定価は知らない。
あとはJA――農協の干支の貯金箱もいくつか持っている。
まだ全部は持っていないのでいつかは全部集めたい。
ネットで買い揃えることも可能だけれど、リサイクルショップで見つけたときの、出会いみたいなものが好きなので、やはり手にとって購入したい。
もちろんオーソドックスなブタの貯金箱も持っている。
これがなければ貯金箱は語れない。
よくブタの貯金箱を割るシーンを想像しがちだが、私にはその経験がない。
持っている物も、おなかの部分に取り出し口があるので、今後も割る予定はない。
他にもいくつか貯金箱を持っている。
宇宙飛行士、うさぎちゃん、ガチャピンなどなど。
いいなと思ったら買ってしまうし、友達もくれたりする。
中学生の頃は、缶のシンプルな貯金箱を使っていた。
これは取り出し口がないので、出すときは缶切りが必要になり、開けたら最後、もう使えない代物だった。
ちなみに、初めてギターを買う為に開けた。
今もあるかもしれないけれど、かつて「十万円貯まる貯金箱」なるものが流行った。
十万円が百万円だったり値段が違うものもあった。
五百円玉を入れていれば、満杯になったときに、その値段になっている、みたいな理論だ。
これは好きじゃなかった。
そういう為に貯金箱を必要としているわけではないから。
貯金するために貯金箱を買ったことは、中学生の頃の缶の貯金箱だけだ。
たしかあれは百円だった気がする。
私は財布に小銭が溜まったら、貯金箱に入れる。
いくら貯めたいとか、計画的なものではない。
そもそも貯金をする目的もない。
順番が逆なのだ。
本来なら、貯金をしたいから貯金箱を買うのだろう。
私は貯金箱が好きだから買う。家に貯金箱があるから小銭を入れる。という流れ。
私にとって、貯金箱はインテリアであり、貯金は副産物だ。
もちろん、ずっしりと重たくなった貯金箱を持つと嬉しくなる。
まあ小銭ばかりを入れているから、そんなに大した金額になっているわけではないと思うけれど。
そんな性格をしているから、貯金箱を買うペースの方が、小銭を貯めるペースより早い。
はたして貯金箱とは何なのか。
私にとって貯金箱は浪費箱なのかもしれない。