ギター
中学二年生の頃からギターを弾いているが、ずっと隠していた。
よく「モテたいから始めた」という人がいるけれど(男性に多い)、私は目立ちたくなかったのでひっそりと始めた。
中学二年生なのに「六五歳から始めるギター〜定年後の新しい趣味〜」的な教本を買って一人で弾いていた。
老眼に優しい大きな文字だった。
一頁丸々使って、男の子が「指に弦の跡がついちゃった」と言って手を見せてくるイラストが書かれたりしていた。
それに沿って練習を始めた。
小学生の頃、クラシックギターを習っていたことがあったので、ギターの基礎は身についていた。
だけどクラシックギターではやらない、弾き語りをしたくてコードを必死に覚えた。
指の皮がめくれ、ひりひり痛くても、弾きたくてしょうがなかった。
ギターは、雑誌の広告ページに載っていたフォークギターの入門セットを注文して買った。
貯金箱を割ってお金を作ったのを覚えている。
届いたギターは粗悪品で弦高が高く、弦を押さえるのにかなりの握力を要した。
指の皮がめくれたのはそのせい。
しかし、それが粗悪品であるとは当時の自分は気が付かない。なんせ比較対象がないのだから。
ただ、そのおかげで良品を持ったとき、弦を押さえる左手の安定感は高かった。
高校生二年生のとき、家に眠っていた近所のお兄さんからもらったエレキギターを、友達がきれいにしてくれて、エレキギターを弾くようになった。
時代にそぐわないベンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」「ダイヤモンドヘッド」を二人でセッションした。
大学生の頃は曲作りをしていた(ここらへんは『オリジナルソング』や『歌詞』に詳しく載ってる)。
ボーカロイドが出てきたとき、買おうか思ったけれど、そこまでではなかった。
それは、物事に真剣に打ち込むことはめったにないので、「曲が作れる」という事実を手に入れて満足したから。
その後、友達に飲みに誘われ、居酒屋についたらその友達のお父さんがいて「俺のバンドのベースが抜けたからやってくれないか」と打診されるまでは、趣味として一人で誰に聴かせるでもなく弾いていた。
ギターが弾ければベースもとりあえずは弾けるが、やってみて思ったのは、全くの別物。
しかしこれは『ギター』の話だから、ベースに関しては別の機会に。
そんなこんなでつらつら「ギターと私」的な話を書いてきたけれど、趣味としては一番長くて深いものだ。
創作と表現が簡単だから自分似合っていたのだろうと分析している。
いつか文章力を上げたら音楽を扱った物語を書きたいと思っている。