8話 説明会(1)
目の前の少女はサリーを知っており、その口ぶりから、サリーが言っていた管理者という存在なのでは? と訊ねようとしたら、心を読まれ先に答えられてしまった。この世界の管理者。それが本当なら、俺を今いるこの場所に転移させた張本人というのも肯ける。
「何とお呼びすれば良いですか?」
「んーと……じゃあ、『マキエル』で」
「了解です。マキエルさんはエルフに転生した日本人……なのですか?」
「はい、その通りです」
日本人離れした出で立ちなのだが、石崎 真姫と名乗った通り普通に日本人だった。それと、エルフの特徴である長く尖った耳が俺の想像の半分だった事と、茶髪のショートボブだった事ですぐには気付かなかったが、どうやらエルフで合っているようだ。となると、彼女の年齢も少女な見た目とは異なる可能性が高い。
「管理者ということは、マキエルさんがダブロスを創ったのですか?」
「んーと、ダブロスを創ったのは神様です」
「神様!?」
「はい。ですが、そのままだと誰も動かせないので、私がサリーを作って誰にでもダブロスを扱えるようにしたんです♪」
研究者が着るような白衣姿と管理者という立場から、彼女がダブロスやサリーを生み出したと思ったが、ダブロスを創ったのは神様だったようだ。やっぱり神様いるんだね。それより、神様の創造物に手を加えて改良とかスゲーことをさらりと言ってくれる……
「もしかして、マキエルさんも神様だったりしますか?」
「フフッ、それはないですよ!」
すると突然、トントントンと開けっ放しだったこの部屋の扉を叩くノック音。
「失礼します。所長、よろしいですか?」
「ええ」
俺の視界に映ったのは、銀髪ロングのストレートヘアにエルフ耳、高身長で眼鏡をかけた白衣姿の超イケメン。こういう雰囲気のキャラ、生徒会長とか執事とかそんな感じで色んな作品に登場してそうな、男の俺でも惚れて……否ッ! 素直にカッコイイと認めてしまうほどの超美形! である。
「お部屋の準備が整いました」
「わかりました。ありがとう、戻っていいわ」
「畏まりました。失礼致します」
お辞儀をして彼は去っていった。
「ごめんなさい。本当はこれから向いたいお部屋にあなたをお呼びするつもりだったのですが、ちょっとした手違いでこの部屋に転移させてしまいました。さすがにこの部屋で長々とお話しするのも如何かと思いますので、移動してもよろしいですか?」
「あー確かにそうですね……了解です」
話に熱中し過ぎて忘れていたが、ここは女の子の部屋。見知らぬオッサンが長々と居ていい場所じゃない。俺は彼女の申し出を受け入れた。




