マキエル視点のお話(2)
神様と千年ぶりに再会し、説教を食らった日から二か月――。
神様のご配慮により、黒澤 眞一って名前のオジさんをヘルプで派遣していただけるという事で、彼に何の手伝いをさせようか――と、フィードと二人で話し合いを重ねていた……が、決められないでいた。
《なかなか決められないみたいだね》
「「!」」
今日も二人、ああでもないこうでもないと話し合っていたら、突如、神様の声が脳内に響いた。
私と同じタイミングでフィードの体もビクッとしたから、彼にも神様の声が聞こえているみたいね。
「申し訳ございません。フィードと二人、あれこれ考えてはみたのですが、どれもピンと来なくて……」
《そんなに難しく考えなくてもいいんだけど……まあ今回は特殊な召喚方法を用いるから――こういうのはどうかな》
神様は私に一つの案をお示しになった。
『大事な事案のみ細かく指示を出し、それ以外は自由にやらせる』
なるほど!
神様のお手伝いで数々の異世界転移した時に、決まって神様が私に対して行った方法だ。
《僕が君にしてきたことを真似ればいいから簡単でしょ? 仮に君が覚えていなくても君の従者は全て記憶しているから彼に聞けばいいし――》
私は自分が不甲斐ないせいで神様のお手を煩わせてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
いつも私は神様に助けられてばかりだ。
千年経っても変わらない。
「ありがとうございます。その案でやってみます」
《うん。頑張ってネ!》
神様は終始ご機嫌だった。
私が神様の提案を快諾した瞬間は特に。
以前、私は神様の提案を断ったことがある。
その時の神様は、少し機嫌が悪くなったというか、スネた子供の様なそんな感じだった。
私は神様の役に立ちたいと必死だった。
神様の負担にならないよう必死だった。
自分の意見を押し通した結果、神様に多大な迷惑をかけてしまった。
神様の提案通りに動いていれば……と、後悔した。
それ以降の私は、神様の提案を断らなくなった。
寧ろ、神様の提案通り行い、その結果が神様の想定を超えるよう努力した。
だから今回も神様の提案通り行い、その結果が神様の想定を超えるよう頑張るの。
頑張れ、私!
それから、今度ヘルプでこちらに来るオジさんは、私が召喚することになった。
特殊な召喚方法を用いるという事で、練習するよう神様から指示を受けた。
魂だけを此方へ転移させる。
それだけなら簡単なのだけど、元の世界の肉体が死なない程度に魂を残さなければならない。
そのため、魂を分割――と言っても完全には分けない。
納豆のように豆と豆を離しても糸で繋がっている――そんなイメージ。
そして、此方の世界で命を落とした瞬間に元の世界へ魂が戻るようにする。
かなりレアな召喚術だ。
神様直伝の練習方法を一日数回、十日ほど行えばマスターできると神様は仰っていたけど、一日でも早く習得できるよう頑張らなくちゃ――と張り切ってみたものの、神様の予測した通り、マスターするまで十日を要したのだった。




