41話 旅支度(6)
パンテーラさんに促されるまま部屋の中入ると、ベスモルトさんと見知らぬ幼女がベッドに座っていた。
面識がない者もいるという事で自己紹介をすることになった。
ベスモルトさんを挟んでパンテーラさんと幼女がベッドに座り、俺を含めた残りは用意された椅子にそれぞれ座った。
ベスモルトさんとパンテーラさん、キーファさん。
どう見ても女性なのに男だと言い張る虎人族とその相棒の豹人族の獣人コンビ、この村の商業ギルドのギルマスで村長の娘――という事で、初対面ではあったが互いに噂程度には知っていたようだ。
そして、ベスモルトさんの隣に座る幼女。
彼女は自身を「グリーンドラゴンのコニス」と名乗った。
エルフや獣人たちに囲まれたこの状況――異世界転移しているという自覚がなければ、見た目は普通の人間なこの幼女の台詞も子供の発言だからと信じなかったと思う。
因みに、グリーンドラゴンは植物系の魔法が得意で、鱗が緑色のドラゴンだという。
レッドドラゴンは火炎系の魔法が得意で、鱗が赤色。
ブルードラゴンは水や氷系の魔法が得意で、鱗が青色。
イエロードラゴンは土や石系の魔法が得意で、鱗が黄色。
パープルドラゴンは毒系の魔法が得意で、鱗が紫色。
シルバードラゴンは金属系の魔法が得意で、鱗が銀色。
ゴールドドラゴンは雷系の魔法が得意で、鱗が金色。
ホワイトドラゴンは光系の魔法が得意で、鱗が白色。
ブラックドラゴンは闇系の魔法が得意で、鱗が黒色。
――といった感じで各々特徴がある、とサリーさんが教えてくれた。
彼女の髪が緑色なのもグリーンドラゴンだからなのだろうか?
知能の高いドラゴンは人語を話し、経験を積むことで自由に人化する者もいるようだ。
正に目の前の幼女、コニスがそうなのだろう。
しかし、人間族はマキエルさんが全滅させたので何かの獣人かとは思ったが、まさかドラゴンだったとは……。
しかも、正確な年齢は伏せたが、この幼女がこの部屋にいる面子で一番上だと宣った。
俺の自己紹介中、「こ奴が件の……」とか呟いていたし。
その手の話ではよくある設定だが、実際にそのベタな状況に遭遇した俺は、「おぉ……」と思わず声を漏らすほど感動していたようだ。
ニヤケ顔になっていたかも知れないな。
「コニスも一緒に連れていきたいが、不都合がないか確認したい」
経緯など、詳しい説明は無かったが、ベスモルトさんにそう尋ねられた。
キーファさんやサリーさんは何も言わなかったし、俺的にも問題なかったので了承した。
俺も、冒険者ギルドに加入し、ランクCの冒険者になったと彼らに伝えた。
「あら。それなら改めて今回の件、私たちがシンイチさんに指名依頼をしましょう。そして、了承を貰ったと冒険者ギルドに報告するけど、いいかしら」
パンテーラさんの提案にキーファさんとサリーさんも賛成だったので、俺はその件も了承した。
どうやら、ベスモルトさんの実家へ向かうメンバーは、ここにいる6人(サリーさんは除外)になりそうだ。




