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ただの中年オヤジが異世界転移したら  作者: 同調犀
2章 マキエルの村 編
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40話 旅支度(5)

 サスナーさんからカードを手渡されて真っ先に視界に飛び込んできたのは、カードの右上に独特な装飾文字で大きく表記された「C」の文字だった。


「Cからなんですね」


 俺は思ったことを口にした。

 その言葉に反応したサスナーさんは、冒険者に関するテンプレな説明を始めた。




 冒険者の最低ランクはF。

 俺はギルマス権限でCからなんだとか。

 理由は、マキエルさんの使者だから――ではなく、警備隊の隊長であるシーラさんを瞬殺したから。

 昨日の今日でもう伝わっていたとは……。



 話を戻そう。


 通常、ギルドカードを発行しただけではランクはG。

 身分証明目的で冒険者にはならない一般庶民はこのランクという事らしい。

 Fランクの依頼を一度でも達成できれば冒険者になれる。

 どうやらFランクの依頼は、冒険者になるための試験も兼ねているようだ。


 依頼は自分より一つ上のランクまで受けることが可能。

 一つ上のランクの依頼を三回連続達成(間に同・下位ランクの依頼を受けてもよいが、失敗すれば連続達成回数はリセットされる)でCランクまでは自動昇格、BとAに昇格するにはそれに加えて昇格試験に合格しなければならない。

 最高ランクであるSは、Aランク冒険者が冒険者ギルド本部に認められることでなれるらしい。


 受けた依頼で掛かった費用は全額自己負担。

 また、依頼失敗で生じた損害も、依頼主が請求してきた場合は関わったもの全てを相応に賠償しなければならない。

 賠償できない場合は冒険者ギルドが肩代わりすることになるのだが、冒険者ギルドからの強制依頼を肩代わり分ただ働きするか、ギルドカードを没収されて冒険者ギルドから永久追放のどちらかとなる。


 他にも冒険者ギルドに関する説明を色々と受けたが、忘れてしまった――というより、記憶に残らなかった。

 でも、大丈夫。

 サスナーさんの説明を一音も漏らさず記憶したサリーさんがいるからだ!


 アラフォーオヤジに記憶力を求めてはいけない。






 用事も終わり、少し早めの昼食――ピーヌスさんの手料理を軽くいただいた後、俺とキーファさんは、昨日も訪れた詰所へと来ていた。

 ベスモルトさん達へ俺が冒険者になったことを知らせるため、そして、彼等にキーファさんを紹介するためだ。

 昨日のこと(シーラさんの暴走)もあってあまり気乗りしなかったが、昭和の人間として報連相を怠ることは考えられないのだ。

 幸い、この村の警備隊の隊長であるシーラさんは別の詰所に向かったため、ここにはいないらしい。

 詰所入口に立つエルフの門番さんが教えてくれた。

 彼女に鉢合せした場合の対応に少し困っていたので、正直ほっとした。


 余談だが――。

 この村には六ケ所ほど警備隊のための詰所があり、それぞれに副隊長が一人在中。

 隊長は各地を定期的に回っているとのこと。



 隊長室へと向かい副隊長さんに簡単な挨拶を済ませ、ベスモルトさんの部屋へと向かった。



 途中で狼人族の兄妹に遭遇。


「シンイチ様の匂いがしたので、ご挨拶に伺いました」


 などとポチ兄さんが意味不明なことを口走っていたが、聞き流した。



 これから予定があるという事でポチ兄さんと別れ、ウルさんを加えた俺たちは、再度ベスモルトさんの部屋を目指す。

 すると、ベスモルトさんの相棒のパンテーラさんが部屋の前で扉を開けて立っていた。


「シンイチさんの匂いを感知、こちらに向かわれているようでしたので、待っておりました」

「ど、どうも……」


 俺は苦笑いしながら、こう答えるのが精一杯だった。



 そんなに俺って強烈な匂いを放ってるのだろうか……。

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