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4話 執筆活動と夢の考察(3)

 最近、残業過多で仕事が億劫になっている。

 残業するのが当たり前な会社。

 1時間くらいなら馴れもあって我慢できた……が、ここ数日、4~5時間の残業が毎日続いており、我慢の限界が近かった。


 両親が生きていた頃は残業が無いと生活費がカツカツだったためガンガン残業やりまくってたが、独り暮らしの現在(いま)はそれほど必要ではないため余計にやる気が出ない。

 異世界へ誘う夢は、そんな疲弊した俺を癒し、精神を安定させ、明日を生きるための力を与えるなど、現在(いま)の俺にとって無くてはならない存在の一つになっていた。




 そんなある日……



 目覚まし時計に叩き起こされた俺は違和感を持つ。

 と同時にそう感じた理由(わけ)を呟いていた。


「異世界の記憶が無いな……今回は行ってないのか?」



 約半年ぶりに普通の夢を見た……気がする。

 何かしらの夢を見た気がするが、思い出すことができない。

 いつも通り夢の中で異世界転移していれば、その内容が記憶としてしっかり残っていたため、記憶の無い今回は異世界転移しなかったと判断したのだ。

 無論、異世界転移はしたが何かしらの理由で記憶を消去された可能性も無いとは言えないが、確率としてはかなり低いと思う。




 自身に起こった、夢の中で異世界転移という現象。

 異常なまでの夢の記憶と共に何の根拠もないが確信めいた何かが自分の中にあったため、異世界転移だと疑わなかった。

 が、検証していくうちに疑問を持ってしまう。



 両親を亡くし、初めての独り暮らしに戸惑い、職場でストレスを感じ、現代社会の中で生きることに疲れた中で、転生モノにハマって、自分もそうなりたいと思ってしまった結果、異世界転移という(そんな)夢をみるようになった。

 もしかしたら本当に神様がいて、こんな状態の俺を憐れみ、異世界転移という願望(ねがい)を叶えてくれたのかもしれない。


 そんな風にも思ったが、実際はチョット異常な精神的な病にかかった状態。

 多重人格者が精神的苦痛から自身の心を守るためそうなったように、俺も精神的ストレスから逃れるために当時俺の頭の中の何割かを占拠していた異世界の夢を見るようになった。

 メンタルクリニックとかでカウンセリングや薬など適切な処置を受ければ元に戻る。

 だから、異世界転()移という()夢を見な()くなる()ことを恐れ、無意識に病院に行くことを避けた。

 そんな風に考えてしまう。


 異世界転移という未知の現象に対する不安を取り除くためにとった今までの行動。

 その結果、ほんの少しではあるが疑問を抱くようになった。

 そしてそれが、今日、異世界の夢を見ることができなかった原因なのではないか?





 俺はその日から、異世界の夢を見なくなった。


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