24話 憧れの人(2)
いつも通り短いですが、1か月ぶりの投稿です。
お待たせして申し訳ありません。
「しかし、残念だな~」
「? 何がだい?」
そう口にしたルーミーに俺は聞き返した。
「アタシの予想だと恐らく、シンイチがあの家を出た後に床とか転げ回って悶え苦しんだと思うのよね~♪ そんな行動をするキーファなんて……絶対見たいでしょっ!」
「え? どゆこと?」
意味が分からなかったので、再度、彼女に訊ねてみた。
「え~!? なんでわからないのよ~!」
「いや、だって、悶え苦しむ雰囲気じゃなかったし――」
あの爆弾発言後、キーファさんはずっと黙ったままだった。
今の感情をそのまま吐くと言い争いに発展するから無視を決め込む――そんな感じだった。
だから俺は彼女が怒っていると思ったのだが、ルーミーもサリーさんも否定したんだよな……。
「キーファって恋愛に関してはヘタレでね……そういう話になると挙動不審になるし、前に告白された時なんかパニック状態になってアワアワしたり固まったりしてたからね~♪」
あー、やっぱりな。
キーファさんって俺に似て恋愛下手というか不器用というか……同じ匂いがするんだよな……。
「だから、普段から色恋沙汰に巻き込まれないよう細心の注意を払って行動してるみたいだけど……不意を突いた今朝のあの発言で、キーファはシンイチが自分を女として見ていると思ってしまった。想定外のことが起きて思考停止しために、直ぐに再起動してどう対応したものかと取り敢えず何か会話をとも思ったけど、変なことを口走りそうだったのでだんまりを決め込んだって感じかな。だから、シンイチが出ていった後、緊張が解けて我に返り、自分がシンイチにとった行動を思い出して恥ずかしさのあまり悶え苦しんだはずなのよ!」
なるほどな……キーファさんが無言だったのはそういう理由からだったか。
俺に憧れを抱いていたという話だし、だんまりという対応を取ってしまったことが恥ずかしいと感じたのも理解できる。
だから、キーファさんが俺がいなくなった後に悶絶したというルーミーの推測も強ち間違いではないのだろう。
っていうか――。
「どんどん恥ずかしい感情が膨らんで、俺も身悶えしそうなんだが……」
「あはは! やっぱ、シンイチも恥ずかしかったんだね♪」
「当たり前だろ!」
俺のことを何だと思ってるんだ、ルーミーはっ!
恋愛経験に乏しい中年オヤジなんだから恥ずかしいに決まってるだろ!
そう思ったけど口にはしなかった。
「フフッ、冗談よ。でも、シンイチがキーファよりも恋愛がダメダメということは理解したわ♪」
えぇーっ! 俺ってキーファさんよりも恋愛音痴なの?
………………。
……マジか……ヘコむな……。




