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ただの中年オヤジが異世界転移したら  作者: 同調犀
2章 マキエルの村 編
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19話 空間魔術師(3)

 女性と一対一で会話――。


 俺の記憶が正しいならば、そんなシチュエーションはここ何年、一度も無かった。

 ましてや相手は、ポニーテールに眼鏡の知的美人で感じ良さげなエルフの女性。

 緊張して会話どころではない……そう思われたが、その心配は杞憂だった。

 話し上手だった彼女、ルーミーさんのおかげで楽しい会話がいまも続いていた。

 ちなみに、マキエルさんと初めて会った時も現在(いま)と同じシチュエーションだったと後から気付いたが、彼女は見た目が少女だったので緊張することなく会話が出来たのだと思う。


 ルーミーさんは、俺より5つ年上の47歳。

 一瞬、聞いて驚きかけたが、エルフなので勿論見た目は20代前半だ。

 父親であるラウムさんの仕事を手伝うため、この家で二人で暮らしている。

 この辺りで家を建てたいという客が複数いたため、その近くに仮住まいを建てて一時的な拠点としたほうが都合が良いと判断し、家族を残してこっちに来たのだという。

 まだ家は作れないが、彼女も空間魔法が使えるようで、現在、父親に弟子入りしているのだそうだ。

 普段は修行をしつつ、来客があれば接客もしているのだとか。

 だから俺との会話でも、無言が続いて気まずい雰囲気にならずに済んだんだね。



 俺たちがここに来たのは空間魔法について話を聞くためだ。

 ルーミーさんも空間魔術師ということなので、ラウムさんが帰宅するまで、彼女にも空間魔法について話を聞いてみることにした。



 この村で空間魔術師は5人。

 ルーミーさんとラウムさん、そして、ルーミーさんの親戚3人。

 5人共、空間魔術師と名乗ってはいるが、使える空間魔法は家造りに特化したものだけだという。

 家造り以外には使えない……というより、使ったことがないという感じだった。



 話が専門的になりそうだったので、昨日の村長との会話の時と同様、サリーさんにバトンタッチした。



 会話が弾む――。

 どうやらルーミーさんも家造り以外の空間魔法に興味が湧いたようだ。


 彼女はまだ家は作れないと言っていたが、家の模型が作れないだけ。

 物凄く複雑なものまだ無理のようだが、模型さえあれば家は建てられるのだ。

 そんな訳で、ここ最近はずっと模型作りばかりやらされて空間魔法を使うことができず、鬱憤が溜まっていたらしい。



 空間魔法はいくつか知っているが、今回は空間収納系に的を絞って意見を交わす。

 サリーさんには昨夜、空間収納についての知識やアイデアを話しておいたので、会話は任せたままだ。

 俺は二人の会話を聞きつつ、新たにアイデアが浮かべば、その都度、サリーさんに伝える。




「遅くなりました!」


 キーファさんが戻ってきた。

 彼女の後ろには、見知らぬ男性エルフの姿があった。

 恐らく、彼がラウムさんだろう。




 気が付けば、外は暗く、日が沈んで夜になっていた。

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