解語の花
「"美人"と"可愛い"は違うんだよ」
俺は至極真面目な顔でそう言った。
「おい、何言ってんだこいつみたいな顔するな!」
「何言ってんだお前」
「声に出せとは言ってねぇよ?!」
この眼鏡……冷たいヤツだな。
「いいか、俺は誰彼構わず可愛いとほざく全国の男子諸君に物申したいわけよ」
「ああ」
「可愛いってのは仕草、服装、声。全部作る事が出来る女の武器なんよ……。だが美人はな、生まれ持った特性だと思うわけ。よって美人が神。アンダースタン?」
「はいはい。理解した」
なんか流された気がするけど、言いたいことは言えたから満足。
「んで突然なんだ」
「いやさ……さっきそこで生徒会長とすれ違ったわけ。凄かったよね、オーラって言うの?気品が他とは違うんよ。あれこそ美人ってやつ」
「そうか」
「それでさ〜モテるって噂あるじゃん。いや確かにモテてるんだろうけどね?近くにいたヤツらがさ、"ほんと可愛いよな〜俺、告白してみよっかな"って。分かってないよなぁ。あの美人を可愛いで表現している時点でオワコンよ」
「………ちなみに、生徒会長のフルネーム知ってるか」
「あったりめぇよぉ!この学校で知らない奴なんて存在しないだろ!」
ゴホンっとその名を口にする前に声の調子を確認する。呼ぶ時は最大限の敬意を持って丁寧に口にせねば。
「榎本 小実先輩です。ってお前も同じ苗字なんだから知ってるだろ!あの生徒会長と同じ苗字のんて羨ましいっ!変わってくれよ!」
「はぁ……知ってるならいい」
ため息つかれた。なんなんだ一体。
「そうだ、今日学校午前放課で午後から立ち入り禁止だって」
「知っている」
「午後遊びに行ってもいいか?」
「………生徒は全員強制放課か。今日は予定があるすまん」
「そっかー仕方ないな!」
こいつの家は休日とか学校が早い日は遊べないんよな。
考えてみれば不思議だけど、人には人の理由ってのがあるんだろうな。
深追いは辞めておこう。
「ただいま」
友人の生徒会長話を聞かされた。
美人……ねぇ。
あいつの夢を壊したくは無いから、絶対に今日は家に呼べないな。
リビングに入ると、だらけた格好でソファに寝転ぶ姉の姿が。
「あれぇ〜優くん今日は遅かったね〜」
「姉さん、飯は」
「食べてない〜作ってぇ」
制服を中途半端に脱いでぐだっとしている。
「ねぇねぇ何してたの〜?彼女〜?」
「だったらどうする」
「なっ……ほんとに彼女なの?!ううっ……優くんのバカ…お姉ちゃんというものがありながら」
「うどんでいい?」
「ありがとう〜」
俺の名前は榎本 優。
このダメ姉は榎本 小実。………生徒会長だ。
「はぁ……」
「今お姉ちゃんの方見てため息着いたでしょ!」
美人は生まれ持った……何?笑わせる。
美人も作れるだろう。どう見ても他の人からすれば学校のあの生徒会長とこのダメ姉が同一人物だとは思わんからな。
「卵は?」
「欲しい!」
むしろこの堕落っぷりが誰にもばれていないのが不思議でならない。どっからあの演技力が出てくるんだ。演技部にでも入ればいいのに。
世の中の美人を羨む男子諸君。
見ろ、これが現実だ。
外見に騙されてはいけない。それだけは伝えておく。
解語の花 : 「言葉を解する花」という意味で、美人のこと。
どうも、話す内容が無くても頑なに本文には触れない、深夜翔です。
見返してみても本文に触れたあとがきっていくつありましたっけ?もはやみなさんも私はが本文に触れるとは思っていないでしょう。
なんだか怒られそうなので少し触れるとはするならば………今回はとりあえず美人が出てくればどんな話でもいっかなって!(笑)
取ってつけたような感想ですみません。反省してます。
ではまた明日……さらば!




