飼い犬に手を噛まれる
「今日はお疲れさん。明日は休みだからみんなゆっくりなー」
今週の部活終了!
部長なんて柄じゃないって思ってたけど案外できるもんだな!後輩も良い奴ばっかりだし、結構気にかけてやってるはず。問題ないやろ!
先輩として練習の姿もしっかり気をつけて取り組み、同級生とも後輩とも仲良くしてる。
どんな風にって……片付け手伝ったり、会話に混ざったり、ゲーム誘ってみたり?なるべく溝ができないように立ち回っているんだよ!いやぁ大変大変。
「ハヤトー?帰ろーや」
「職員室に鍵返してくるからちょい待ってて」
「おっけ」
鍵当番もこの後予定があるって言うから変わってあげた。優しいでしょ。
先生からも評価高いし、部活の雰囲気も良い。文句なし。
「待たせー」
さてと…帰宅してゲームするかな。
翌日の休みは1人で買い物に。
ゲームがメンテ中でやること無くて、ちょうど買いたい物があった。近くのデパートで暇でも潰そうと考えたんだ。
「やっぱ休日は混んでんなぁ」
さすがはここらで一番でかいデパート。
人の量がそこらとは違う。
フードコートからいい匂いがしてくるけど、とりま目的を達成せねば。
近くのエスカレーターで2階に上がり目的の店まで歩く。
すると前方に何やら見知った顔が。
「あれ?後輩じゃん」
数人の友達らしき男子と歩いている後輩を発見。
何となく面白そうだとこっそり後ろから着いていって会話でも聞いてやろう。
先に結果を言えば、聞かなきゃ良かった。
「俺の所の先輩さーだるいんよねぇ…」
と、友達らしき一人が会話を振る。
振られた後輩は、
「そんなんどこも同じだって!こっちもめんどくさい時あるし(笑)」
グサッと、何かが刺さる音がした。
あれ……俺、そんなにだるかったん?
友達同士の会話でサラッと出てくるくらいめんどくさかったのか?
気にかけて仲良くしたり、雰囲気良くするために頑張ったつもりだったのに…ダメだったのか。
突き刺さった言葉の刃物が心臓を抉りに来る。直接言われるよりきついよこれ。
俺は買い物に来たことも忘れて近くのベンチで項垂れる。悲しみ。
「あっ!センパイじゃないですか〜久しぶりですね!同じ学校なのに全然姿見ないんですもん!」
「げっ……なんでここに」
妙に馴れ馴れしくかけられた声は、中学時代の後輩だ。中学はテニス部は男女混合で3年の時に教えていた事があるだけなんだけど。
何故か同じ高校に入学してきて、俺をやたら探し回るんだよ。残念ながら高校は男女別だったからな。
「どうしたんですー?そんな絶望してます私…みたいな顔して?彼女に振られたんですか」
「いっねぇよ彼女!煽ってんのか?帰れ!」
そして唯一仲良くできない後輩でもある。
なんせ躊躇いもなく煽ってくるからな。
「じゃあどうしたんです?」
「なんでも……いや、単に後輩の愚痴を聞いちゃっただけだ」
「それって……あ〜自分の悪口聞いちゃったんですね。ドンマイです!」
「少しは慰めてみるか無いの!デリカシーとかさぁ!」
まぁでもこの軽いノリに助かった。
会話してたら元気出てきたわ。
「あ〜あ、せっかく珍しく落ち込んでたのになー。俺は用事があるから、じゃあな」
「あっ、じゃあ後ろ着いてきますね」
「着いてくんっなよ!」
「ツンデレですね〜センパイ。可愛いですよ」
なんかどうでも良くなった。いい意味で。
落ち込むよりも改善してこーや。考えるな感じろってやつ。
部活の事は部活の時に考えよう。
一人でするはずの買い物は、後輩に刺され後輩に付きまとわれて、何故か二人で買い物をすることになっていたよ。
………今日何買いに来てたんだっけ?
飼い犬に手を噛まれる : 「飼い犬」は面倒を見てやっている者のこと。普段から特別大事にしてやっている者から、思いがけず害を加えられること。
ついに……ついにあ行を突破しましたぁーー!!
長かったあ行。さようならあ行。
そしてこんにちはか行!
何となくひと段落って感じしますね。一息も何も無いんですけど。
どうも、一人で謎の達成感を感じる、深夜翔です。
ここまで読んでくれている方、ありがとうございます。一重に皆さんのおかげでございます!
最終話のコメント見たいですけども……
まだまだ続きますからね!
ではまた明日……さらば!




