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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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悪貨は良貨を駆逐する

ここはある王国。

城下町では、週に一度の朝市が開かれていた。

「はぇー結構色んな物が揃ってるな」

「お兄ちゃん、しっかり前見て歩いて」

そんな街に2人の兄妹が散歩をしに来ていた。

一通り眺めて歩いた2人は、噴水のある広場へとやって来ると、近くのベンチに腰を下ろした。

「……お兄ちゃん、やっぱりここの朝市あんまりいい物売ってないね」

「そうだな、まぁ当たり前の事だけどさ」

不思議そうに頭にハテナを浮かべる妹に、兄は笑いながらポケットに手を入れる。ポケットから取り出したのは、朝市で買っていた1冊の本。

「見ろ、これが朝市で売ってた本。こっちは俺がばあちゃんに借りてる本。同じ魔導書だけど、どう見ても違うだろ」

「そうだね……明らかに右の方が綺麗」

「内容もこっちの方がよく書いてあった」

そして、そのまま本を裏返し、裏表紙を見せる。

「ここに値段が書かれた場所があるだろ。驚く事にどっちも同じ値段なんだよ」

「ほんとだ!」

そこにはこの世界で使われている文字で『300』と書かれていた。

「これが同じ場所に売ってたら、どっちを買いたい?」

「もちろん綺麗な方」

「だろ?じゃあ逆にどちらかを売ろうと考えた時、どっちを売りたい?」

この質問に、妹の方も何となく察しがついた。

「汚い方だ!だって同じ値段で売れるんだもん」

「ああ、それがここの朝市にいい物がない理由だ。わざわざ2択で上質なものを同じ値段で売りたくは無いだろう」

「でも、それだったら綺麗な方は高く売れば良くない?」

妹の疑問はとても的を得ていた。しかし、それが通用するのは国外だけなのだ。

「それが普通の国だったらね。ただ、この国は国内全ての物の値段が予め決められているんだ。本はいくら、食べ物はいくらってね。それじゃあいいものを売りたいなんて思う人はいなくなる」

そう、この国は今まさに産業が停滞している最中なのだ。頭の悪い国王が就任してから、街の商売は最悪な状況に陥っている。

「だから僕らが変えないといけない、これ以上国自身が産業発展の邪魔をしてはいけないんだよ。悪質な物に良質な物品が場所を取られる経済は廃止しないと」

「そうだね、お兄ちゃん」

魔導書をポケットにしまった兄は勢いよく立ち上がると、妹の手を引いて王宮へと走っていった。

すると、直後に後ろから数名の兵士が走ってきた。

「いたぞ!全く、王子と姫は世話が焼ける。どうしてああも好奇心旺盛なんだろうか」

そして、2人が駆け出して行った方角へと再び走っていったのだった。



悪貨は良貨を駆逐する : 質の悪い人間が蔓延はびこって、優れた人間が姿を消すということ。悪が栄え善が滅びるということ。 トマス・グレシャムの言葉から。

今回は少し理解擦るのが難しかったので、自分でも意味のわからない文章になったと思っております。

故に、調べた内容で納得のいったものをご紹介します。


『グレシャムの法則 名目価値は同じだが、実質的価値の異なる二種の貨幣が同時に使われるとき、「良貨」は貯蔵され、「悪貨」だけが市場に流通する傾向を生じる。』だそうです。


要は良悪2つの物が同じ価値の場合、悪質な物ばかりが市場に出回ってしまうと言う意味だとか。

理解していただけたでしょうか。これが精一杯の説明でしたので、理解していただけたら幸いです。

もしも間違っているようならご指摘ください。


では今日はこの辺で、さらば!

………どうも深夜翔でした。

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