鬼の念仏
「オラァさっさと飛べよ」
突然ですが、僕は校内でも運がいいと有名です。
正確には運が悪かった事をその日のうちに取り消せるようです。
例えば落とした財布は中身がしっかり残ったままその日のうちに返ってきます。
自販機で炭酸を買い、開けた途端に中身が吹き出してしまった時は、もう一本当たりで出てきたりもしました。
ええ、まぁそんな都合のいい事なんてありえないと思いますよね…実際にあるのだから仕方ありません。
ですが、絶賛ピンチでございます。
何かと言われると、クラスで面倒くさいいじめっ子達に目をつけられてしまいました。
「おい、そこで止まるなよ!そっから飛べよ」
そして何故か階段の上から飛べと命令されています。
学校の階段ですよ?飛べば怪我をするのはわかりきっているのに。しかもやらせる意味が分からない。
とりあえず怪我はしたくないので階段ギリギリで踏ん張って偶然先生が来ることを祈っています。
「ったく面白くねぇな。おら落ちろ」
「ちょっ…」
ドンッと背中に奇妙な衝撃が走り、身体が一瞬の浮遊感に包まれます。
どうやら背中を蹴られたらしいという事を理解したのは落ちてからでした。
「ハハハハハッ見ろ、無様な格好で落ちやがった」
「だっせぇなぁ!渋ってるからそうなるんだ」
数人が僕を囲んで笑う中、全身を襲う痛みに耐えながら何とか立ち上がりました。
左手首が特に痛むので、受身をとった時に捻ってしまったのでしょう。
「ん?もう休み時間終わりか?野郎ども撤収するぞ」
さらにもう1段落とされるのかと思いきや、鳴り響いたチャイムの音に助けられ一人階段に取り残されます。
(はぁ……保健室、行くか)
青くなった手首を見て、さすがにやり過ぎだと思いながら保健室に向かいました。
「で、何故こんな事をした?」
ここは会議室。
俺の隣には生徒指導の先生。
正面には先程俺を蹴り落とした奴と、笑ってみていた取り巻き二人。
呼び出された理由は言わずもがな。
「人を怪我させ、あまつさえいじめのような発言まで。これは見過ごす訳にはいかん」
僕はただやられるだけの人間ではないですよ。
奴らに連れていかれた時にスマホの録音ボタンを押しておいたのです。
後は保健室で手当してもらった部分を見せれば、こいつらが呼び出されるのも時間の問題でした。
「これは疑いようのないいじめだ。分かっているな?」
「すみません」
「俺たちは遊びでやっていたつもりです」
謝っているような雰囲気を出していますが、声色に反省の色が無い。外見だけは神妙にして、実際謝る気はサラサラ無い様子ですね。
「明日、保護者に来てもらってもう一度話をするからな」
最終的にそれでこの場は収まり、明日また保護者を呼んで話すそうです。
その後、何をされるか分からない状況なのを察してくれた先生が、先に奴らを帰らせました。
廊下に出た奴らは、扉越しでも薄らと聞こえるように文句を言っている声が聞こえます。反省のはの字も無いですね、あれは。
先生は僕に再び事情を聞いてから、帰宅にして貰えました。
次の日。
登校したここまではとりあえず無事に来れました。
手首に包帯を巻いている時点で無事とは程遠い気もしますが。
ですが、朝のホームルームで予想外の知らせによって驚きを隠せない状態に。
「えー欠席の三人は昨日帰宅途中で事故にあってしまい、当分登校ができないそうです。みなさんも車には気をつけてくださいね」
まさかの倍返し。
狙ってやったわけではないけれど、知らない所で復讐が果たされていました。ざまぁってやつですね。
悪い事はするなって話です。
鬼の念仏 : 鬼のように無慈悲で冷酷な人が、表面だけ神妙に振る舞うこと。また、柄にもなく殊勝に振る舞うこと。
小説を書き終えてから、何となく上手くできたと感じる時と、ダメな日だと感じる時があります。
今日は後者でした。
どうも、話が意味わからんくないと思う、深夜翔です。
どうも頭が働かない日なようで、話のまとまりがイマイチだと思いました。
残念ながらこれ以上の改善は厳しいので、今日はこのクオリティで申し訳ないです。
それでも読んでくれた方、本当にありがとうございます。
明日はもう少し良いものを提供できるよう頑張ります。
ではまた明日……さらば!




