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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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同じ釜の飯を食う

俺は死ぬのか……。

道端に転がって空を見上げる。

普段ならば無関心の星空が、なんだか笑っているかのように輝いて見える。

夜の地べたは冷たく、街灯の少ないこの辺りでは明るさは星と月のみ。

(まさか現代日本で餓死する羽目になるとは……)

どうしてこんな目に…と言ってみるが、心当たりが多すぎて虚しさを覚える始末。

ニート、無職。家賃を払い損ねて数ヶ月、遂にアパートから追い出され親からも見捨てられ。

引きこもっていたせいで友達も居ない。

これでバットエンドじゃなかったらクソゲー待ったナシ。

(あっ死んだ)

何故か突然とそう思った。

直後、心臓が止まる。……その前に光ったような。

「えっ……ここ何処?」

咄嗟に心臓に手を当てる。

ドクッ ドクッ と規則正しく鼓動している。

「生き…てる?」

安堵よりも驚きが勝り頭の整理が追いつかない。

とりあえず生きている。

それだけは理解した。

「……はぁ。それでここは一体」

改めて見渡すと一面の野原。

寝転んでいたらしく、顔を上げると心地よい風が頬に感じる。

立ち上がろうと手を地面につく。

そして伝わる柔らかな感触。

触れたままそちらを見れば、丸い生物(?)。俺の知識で言ったらスライムって奴か。

「いや待て待て待て待て」

そもそも生きているスライムなんて居るはずないだろ!

未だ手に触れたままのスライム。今にもポヨンと聞こえてきそうなプルプル感。

やめろ、こっち見んな。

「なるほど。夢か転生か。はたまた死にそうな俺を某ゲームみたいに実験個体としてなにかさせられているか。どれにせよ元いた場所とは違う見たいだな」

あまりに「ドシタノ?」みたいな表情でキラキラした瞳を向けてくるスライムに、緊張しているこちらがバカみたいに思えてきた。

一周まわって冷静と言うやつ。

とにかくここでじっとしている訳にもいかない。

スライムを抱き抱えると、立ち上がって歩き出す。

どこにか。

目の前の小さな村に、だ。

あまりに都合が良すぎて、さも当然のように向かっていた。


「ん?兄ちゃん、よそ者か?」

第一村人の第一声。

厳つそうな男の人。武器屋の親父見たいな顔の大きな男に声をかけられた。

こんなんコミュ障の俺にどうしろと。

「えっ…あの…」

「ああ!迷子だな!この辺りはよく街の方からやって来た奴が迷子になるんだよな!」

ワハハハハと大声で笑う。一人で勝手に解釈したよこの人。

「それで?どこの街から来たんだ?」

「その……」

何も分からないが、正直に話しても信じて貰えなさそうだ。

よって、記憶喪失と言うことにして、気がついたらあの辺で寝ていた事を伝えた。

実際間違った事は言っていない。この世界の知識は無いわけだし。

「それは災難だったな。それなら俺の家に来るといいさ!そこまで広くは無いが記憶が戻るまでの寝床にでもしてくれよ!」

「いや…そこまでしてもらうのは」

「遠慮すんなって!俺はこの村の用心棒ダルクだ!よろしくな!」

「よ、よろしくお願いします」

なんか勢いに負けて住むことになってしまった。

大丈夫だろうか。


あれから数週間…?

こっちの時間の概念は知らないけど、俺の概念では数週間。

「よう!今日はいい天気だぞ!俺は見回りに行ってくる」

「じゃあ俺もどっか行ってくるわ」

この数週間でダルクとは仲良くなった。

村の住民とも話すようになって、今では村の一員見たいな感じにまでなっている。

「ポヨンも行くよ」

初めにいたスライム。

流れで連れてきてしまって、何となく抱いていたら懐かれた。名前はポヨンとしてるのからポヨン。

外はいい天気。

東京とは違って澄んだ空に爽やか空気。

心が洗われるようだ。

「あらショウ君。おはよう」

「おばさん!おはようございます。掃除ですか」

「そうよ〜この時期は落ち葉が多くて困っちゃうわ」

「それなら任せてください。"アクセラウィンド"」

風魔法で地面の落ち葉を一箇所にまとめあげる。

「まぁ…ありがとう。掃除って腰に来るのよねぇ〜助かったわ」

魔法。この世界にはそれが存在し、思ったよりも簡単に使える事が分かった。

初めはこっそりと森の奥で練習していたんだけど、制御が上手くいかず一部吹き飛ばしてしまって、結果村人たちに強いらしい事が全部バレてしまった。

意外にもすごいと褒められて、魔法について教えて貰ってここまでできるようになったんだけど。

しばらく村を歩いていると、いい匂いがしてきた。

「おっ少年。今日も元気そうだな!」

「おはようございます。焼き鳥ですね」

「あたぼーよ!少年に教えてもらったこの焼き鳥ってやつは本当に美味しいのな!売れ行きも凄まじいぜ!」

「お役に立てて嬉しいです」

「ほら、一本貰っていけ!」

焼き鳥以外にも、ケーキやクッキー、ラーメン等の元俺の世界での食べ物の知識はここで大いに役に立った。

村の人達は俺に良くしてくれすぎて、なにか返しさなければという使命感のもと提案した食べ物たち。

喜んでくれたようで良かった。

驚いたのは、この世界にも似たような食材が沢山あって、レシピを教えればすぐに作れる環境だったこと。

教えた当初はお祭り騒ぎで村中からいい匂いがしたものだ。

こんな風に俺はこの村にものすごく馴染んでいる。

いい人ばかりだ。コミュ障だった俺でさえも今では第二の故郷のようで落ち着く。

小さな村と言うのもあって、住民全てと仲良くなれた。

返しきれない恩もある。

いつかはここを出る日が来ると思うけど、もう少しこのままでいたいと、心の底からそう思うのだった。



同じ釜の飯を食う : 一つの釜で炊いた御飯を共に食べる間柄という意味で、一緒に暮らしたり、同じ職場で働いたりした親しい仲であること。

最近はゲームのクオリティも大きく向上していると思うのです。

無料のゲーム、ソシャゲ、誰でもできるものではありえないクオリティのものが増えてきていると感じます。

イラスト、画質、操作性からキャラ設定まで、無料とは思えない完成度の高さ。

そんなゲームが多くて、個人的には嬉しい限りです。


どうも、ゲームは人生、深夜翔です。

私は歳をとってもゲームだけはしていたいと切に願っています。

いつまでも好きでいたいですよね。


ではまた明日……さらば!

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