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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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奥歯に物が挟まる

中学3年12月。

どこの学校関係なく全ての同級生、同い年が勉強と言う枷をつけて日々を過ごしていた。授業も範囲を早々に終わらせて受験勉強に移り、自習時間も増えた。あれだけうるさかった休み時間も今や半分の生徒が机に向かっている。

家に帰っても自室から出ることはほとんどない。

そもそも図書館や図書室、塾などで家にいる時間自体が少なくなっているとも言える。

俺は特にそれが激しかった。

「ぁぁぁぁわかんねぇ……」

平日はもはや日課となりつつある図書室での勉強。

残り2ヶ月を前にして不安しかない頭の中。

「恭ちゃん、大丈夫?」

目の前で心配そうに覗くこの女子は幼なじみ。

ほんわか真面目系、惜しいのは眼鏡をかけていない所か。頭が良いかと言われると普通と答えるしか無いが、俺よりは圧倒的に良いと言える。

だからこうして勉強を見てもらっている。

「そーいえば恭ちゃんは高校どこにするの?」

「えっ?!そ、それは……勉強しないと行けないところだ」

「じゃあ勉強頑張らないとね」

嘘は言ってない。

ただ、それはもうかーなり勉強しないと行けない場所ってだけ。先生に何度変更するように言われたか分からんレベルで、だ。

何故かって……教えるかよ。

「あっ、ほらここ……また間違えてるよ」

「げっ……ほんとだ」

「恭ちゃん本当に数学苦手だね〜」

隣で指をさしながら間違えを訂正してくれた。

「ここはこっちの公式を使って……聞いてる?」

「えっはい!!聞いてます!」

あまりに距離が近くて、思わず声が大きくなる。

「しーーっ!図書室だよここ」

「わ、わりぃ」

いやさ、耳元で「聞いてる?」はダメだって。

一瞬、図書室の先生がこっちを見ていたが、何かを察した様子で本棚に向き直っていた。

なんか同情されたみたいでやだな。

「ほーら、集中して!」

「分かってるって」

その後も数時間勉強して、図書室を出た。

俺はこのまま塾に向かうとする。


そして1月が終わりに近づいた頃。

テスト前に一番緊張するであろう出願の日。

受ける学校別に集合する教室へと向かう。

ガラガラと音を立てて教室に入ると、既に一人着席している女子が。

「えっ?!!恭ちゃん!なんでここに…」

「俺もここ受けるから」

「嘘っ!恭ちゃんの成績で?」

「お前…結構酷いこと言ってるからな。そのために今頑張ってるんだよ」

なるべく平然と席に着く。カバンを漁って取り出したのは単語帳。空いた時間も無駄にはできない。

………というのは建前で、単純に二人きりなのが耐えられんだけり

「びっくりした〜そっかぁ、恭ちゃんもここにするんだね〜教えてくれても良かったのに」

言えるわけねぇだろ。

「家から近いってだけだ」

あくまで表情は真面目に答える。

こっそり胸に手を当ててみれば、破裂するんじゃないかと思うほどの音を立てている。

過呼吸で死ぬのか?俺は。

「えへへ、なんか嬉しいな。恭ちゃんも一緒なら頑張れるよ〜」

俺だってやってやる。

単語帳を握る手が無意識に強くなる。こんなところで離れてたまるか。まだ伝える勇気も出てないこんなところで。

「……今日も勉強、見てくれよ」

余計な事を考えるあまり、変な言葉が飛び出る。

「いいよ〜」

たけど返ってくるのはいつもの声。

問題を遅延するために、長引かせるために、たったそれだけのために努力する。

それだけで努力できる。

本音を隠しながら、俺は握った単語帳から目を離さないのだった。



奥歯に物が挟まる : 1. 自分の思うことをはっきりと言い出さない。言いたいことがありそうなのに、なんとなくぼかす。

2. 相手に対して、何か心に引っ掛かるものが残っている。

人間はより良質な睡眠を摂るために日々生きている。私の尊敬する御仁がそう言っていました。

つまり生きることは寝ることである。


どうも、今が1番眠い、深夜翔です。

夜寝て朝起きる。

健康的にも睡眠的にも素晴らしいことです。

生活リズムだけは自慢できる自信があります。

これは誇っても良いと思っています。

寝不足は人類の敵。睡眠は正義。


ではまた明日……さらば!

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