猿猴月を取る
校庭に向けてダッシュする男子が数人。
後を追っかけるようにまた数人。
その後もぞろぞろとひとクラス全員がやって来た。男女両方いて、皆ジャージ姿。少し待つと職員玄関から、これまたジャージ姿の先生が登場する。
「ほらさっさと並べー出席とるぞ」
体育の授業である。
「早く並んでー!」
声を出しているのは学級委員か体育委員か。
集まって出席を取り、体操をすると丁度よく始まりのチャイムが鳴り響く。校庭でもよく聞こえる。
「今日から高飛びの授業だ。倉庫から道具をもって来て、高さを変えて4つ。右から順に10センチずつ上げていくからセットしてくれ」
「「はーい」」
先生の掛け声で準備が始まった。
重いものを運ぶ生徒、セットする生徒、その他道具を準備する生徒。その中にも適当に集まってサボる生徒もいる。それを見て黙って先生が何かを書いている。成績だろう。
「準備が終わったら早速やってみよう。自分の好きな所に行って順番に飛んでいこう」
こういう時、だいたい集まる人が決まってくる。
女子はほとんどが低い場所。
一番高い場所は男子しか居ない。見るからに運動できそうな生徒ばかり。
「怪我をしないようにな!始めていいぞ」
ピッと笛がなり、先頭から走り出す。一人ずつ。
「お前、ここ跳べるのかよ。危ないし慣らしだってらもう一つ低いのにしたら?」
「は?うるせぇこんなん余裕だし」
後ろの生徒は待っている間喋っている。
いや、どう見ても忠告を無視しているだけだ。せっかくの友達の言葉を無視するのか。そう言っているという事は、あまり運動が得意では無いのかもしれない。しかし、意地なのか腹が立ったのか言い返してそこに留まる。
その間にも順番は近付いていた。前の人たちは順調に跳び上手く着地している。
高さ変えてみるかと言った話もしている辺り、まだまだ余裕そうだ。
「ほらお前の番」
「分かってるよ」
後ろを向いて喋っていた生徒が向き直る。
あんな口を聞いてきた割には顔が少し強ばっている。やはり自分でもできるか怪しいのかもしれない。
「おい、やっぱり辞めといた方が…」
「バカにしてんのか?いけるよ」
そう言って走り出すもその足取りはぎこちない。
いち、に、さん。
歩数を合わせて棒の手前で跳ぶ。
ガチャンッ ドンッ
普通に跳べば聞こえるはずのない重い音が響く。
無理に跳んだ所為で棒の上から落ち、棒は半分に折れて生徒は地面に直撃したのだ。本来なら引っかかっても棒は地面に落ち、生徒もマットの上に着地できるようになっているはずなのに。
「大丈夫か?!」
慌てて先生が駆け寄ると、足が青くなっている生徒が何とか立ち上がった。
「保健室に行ってきなさい。他の人はそのまま続けておいて、ここの人は倉庫から新しい棒を持ってきて」
その生徒はそのまま保健室に連れていかれ、授業はもう1人の体育の先生が引き継いだ。
無理に跳んだ生徒は骨折をしたらしい。
あの時無理に跳ばず、友達の忠告を聞いて辞めておけば良かったのに。
猿猴月を取る : できないことをしようとして、失敗すること。身の程知らずの望みを持ったばかりに、却って失敗すること。
たまに1日ずっと眠い時があります。
朝から晩まで永遠と眠い時が。それが今日でした。
とにかく眠い。まだ月曜日だと言うのに……まぁ暖かかったからね仕方ないね。
みんなもLET'S 睡眠。
どうも、おやすみなさい、深夜翔です。
ではまた明日……さらば!




