得手に帆を揚げる
球技大会は毎年、年に3回行われる学校行事でバレー、バスケ、サッカー、ハンドボールの4種目をクラス対抗で競い合う。
毎年の事ではあるが、体育祭と違って得意な人が一定数いて経験者の人数制限もないため、対象の部活に入っていたり経験があったりする人が待ってましたと言わんばかりに意気揚々と前に出てくる。
ゲーム内容に経験者の得点減少はあるものの、人数制限も縛りもない。つまり全力で上に立つことを許される時間でもあるのだ。
「しゃっぁぁあああやるぞーー!!!」
特にハンドボール部の生徒達は、普段前に出る機会がない上に、体育祭では球を投げる競技全般に人数制限があり、のびのびと参加できるのは球技大会のみである。
もはややる気がありすぎて逆に近寄り難い空気を醸し出している。
「あっちは経験者3人だ。俺は全員経験者だから、相手の経験者を封じれば余裕だ」
バスケ、バレーはそもそも人数が他よりも少ないのもあって経験者のみチームが存在する。
その圧倒的な力量に、作戦は大抵相手チームの経験者を封じる意外に考えていない。
如何に弱点を着くかが勝負の鍵を握っている……らしい。
サッカーは競技人数が多いこともあり、余ってしまった生徒が集まりやすい。逆に捉えれば、経験者が活躍しやすい。集まって話し合う場面では率先してリーダーとなり作戦を考えている。
と言うよりも、勝手に数人で決めている。
まぁ初心者が口を出せるわけもないか。
こうして普段活躍の場面がない生徒が、こぞって主導権を握りに行くのが球技大会と言う行事だ。
興味もないこちらからすれば、大変ありがたい限りで、作戦会議の時間はサボることができる。
問題は試合になった時、初心者にも容赦なく文句を言う経験者が恐ろしく怖いことくらいか。ミスった時の「あいつが戦犯だ」みたいな空気に耐えるのはさぞ強いメンタルが必要なのだ。何故できることを前提に考えるのだろう。
自分が得意だからといってそれを押し付けるのはやめていただきたいね。こちとら体育は万年成績2ですから。
「よし、できるだけ勝っていこうな」
最後にリーダー兼経験者からの一言でこの時間は終わるのだった。
何事もなく球技大会が終わることを、今はただ切に願うしかない。
得手に帆を揚げる : 得意とすることを発揮する好機が到来し、勇んでことに当たる。また、待ってましたとばかり調子に乗る。略して「得手に帆(帆柱)」とも。
どうも、せっかく暖かい1日だったのに明日雪かもしれないと言われ絶望している、深夜翔です。
雪で喜べるのは小学生まででしたね。
今じゃ寒い、移動面倒、後処理だるいといい事なし。やめて欲しいと切に願っています。
事故や怪我には十分に気をつけたください。
ではまた明日……さらば!




