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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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馬の耳に念仏

僕には姉がいる。6歳年上の自由奔放な姉が1人。

僕が高校生になった時、姉は写真家として世界中を飛び回っていた。

自由に自分の撮りたいものを撮り、行きたい場所に行き、たまに死にかけたりもしながら毎日楽しそうに生きている。

小さい頃からその性格は変わっていなく、山や川に遊びに行っては、素手で魚を捕まえるわ、探検して迷子になるわ。それに付き合わされた僕の身にもなって欲しいものだ。

母親は、「危ない事は辞めなさい」って毎回言う。

あまりに酷い時は家から出さない事もしばしばあった。その度に窓から脱走したりしてたけど。

父親はむしろ肯定的で、「どうせなら写真でも撮ってきたらどうだ」と言って、姉がカメラを触るきっかけになったのも父だ。姉の性格は父譲りだろうね。

僕も付き合わされて家を出る度に、やめようとか、危ないよとか言ってた記憶があるけど、そんな姉が聞くわけもなかったよ。うん。

ただ、姉が写真家になってからは、めっきり顔を見なくなった。雑誌などで紹介されている姉の撮った写真を見る方が多いまである。

しかし、そんな姉から月に1回手紙が届く。

内容は決まって、

「今○○にいるよ。後はお土産送っといたから!」

みたいな文と、数枚の写真。それから短い感想。

銃撃に巻き込まれたとか、山で遭難しかけたとか、割とよく生きてたなって事件が適当に書かれている。

初めは驚いて顔を真っ青にしていた母も、さすがに慣れた様子で手紙を読んでいる。

もちろん僕も。

何を言っても聞かないからね、あのバカ姉は。

こんな風に姉の性格に文句言ってるけど、実は僕も最近写真に興味が沸いて、就職まで考えてたりする。

僕の場合、撮る方じゃなくて、編集だけど。

シスコンなのかって?

好きと言うより、憧れかな。

常に楽しそうにしてる姉に、影響されたんだよ。

全然違うように見えたって、姉弟だもん。僕ら。


………そういえば、なんでこんな話してるのか言ってなかったね。

会ってもない姉の話、何故か突然そんな話をしたのか。

確かに、もう1年くらい顔を見てない気がする。

寂しくなった……とかだったら話のオチでも良かったんだけど。

その時、ガチャ、と玄関の開く音がした。

「ただいまぁ〜」

緩くて元気な女の声。

珍しく、姉が帰ってくる日だったからだね。思い出したのは。



馬の耳に念仏 : 馬は、念仏を聞かせてもまったく気に留めない。そのように、他人の話が耳に入っても全然心を動かさないこと。

1.上の空で、人の忠告に従う気がないこと。

2.無知なために、高尚なことを聞いても、一向に理解できないこと。

3.自分の利益にならないことなので関心を示さないこと。

今日は話すことない!

一日中ゲームしてた!以上!

深夜翔でした。


また明日……さらば!

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