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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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悪事千里を走る

「いらっしゃい、おはよう」

朝から良い弁当の匂いがする。

このおばあさんは、弁当屋を始めて数十年。この匂いに釣られてやってくるお客さんも珍しくない程だ。

見た目は古い昔ながらの店頭で、レジを打つ。

どこか愛嬌があるおばあさんは、この商店街でも人気が高い。常連客の中には、話をするためだけに買いに来てくれる人までいるくらいだ。

「今日も頑張ってなぁ」

「おばあちゃんも体には気をつけて!」

1度足を運べば、その空気に再び訪れようと思う事だろう。

しかし、そうまいにちが平和なわけでは無い。

ある昼下がり、どう見ても悪そうな男が突然と現れて、おばあさんに大声で怒鳴りつけた。

「おーい!ばあちゃんや!こんな不味い弁当なんか売ってもどうしようも無いんよねー。俺たちはこの正面に新しく弁当屋を開く事になったからさぁ、経営が苦しくなる前に辞めておけよ!」

ぎゃあぎゃあと喚き散らすだけして去っていった男。

次の日になると、正面の空き家がいつの間にか埋まっていた。看板には、『ーーー弁当』と、デカデカと書かれている。

その店主は昨日騒ぎ散らしていた男性。本当に弁当屋を開いていた。

「あらまぁ……」

おばあちゃんは、特に気にした様子も無く、いつものようにのんびりと眺めていた。

「なんだ?あの感じの悪い店は……おばあちゃん、何かあれば言ってな。助けるよ!」

「あれで儲かると思っているのかねぇ……あたしらはおばあちゃんの味方やで!」

お客さんもいつも通り、今まで築いてきた信頼というのはそう簡単に壊せるものでは無い。

それだけでなく、

「あぁ?何でお前のショーもない店ばっかりに人が集まるんだ?てめえらの頭ん中おかしいんじゃねぇのか!」と、おばあちゃんの買い物客にいちいち突っかかってくる始末。

それが1週間も続けば、評判が良くなるはずもなく、次第には根も葉もない噂まで流れ始めた。

弁当屋の親父は商店街事潰す気だ、昔はヤンキーだったらしい、など。

当たり前だが、その店は3週間もしない内に気が付けば無くなっていた。偶然見かけた人によれば、警察が来ていたとか。噂を聞きつけた近所の警官が様子を見に来てくれていたのだ。

「おばあちゃん、いつもの弁当ひとつ」

「まいどありがとう、お仕事頑張ってねぇ」

少しの間騒がしかった周囲、だが互いの優しさが溢れたこの弁当屋は、いつもと同じ空気に包まれているのだった。



悪事千里を走る : 悪い行ないや悪い評判、悪い噂はたちまち世間に知れ渡ると言う事。

あっつい……今って11月で合ってます?

日本だけ別の空間に移動したとかじゃあ無いですよね……暑い…。


どうも、あまりの気温に死にかけている深夜翔です。

おかしいですね、もう12月間近で24度。

四季なんて無かったんや。

みなさんも体調には気をつけて。


読んでくれた方、ありがとうございます。

明日ももちろんあげます故、お待ちしています。

ではまた明日……さらば!


噂は怖い、悪い事はしてはいけない!

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