牛を馬に乗り換える
物事を決めるのが苦手だ。
自分で決断するにはそれなりの覚悟と勇気がいる。
それがどんなに小さくくだらない事だったとしても。だから他人の意見に便乗するのが手っ取り早い。
「今日は部活内ルールを決めていきます。意見のある人は手を挙げてください」
テニス部が私の所属する部活。
女子だけで46人。男女全体で72人と、この学校では何故かダントツで人数が多い部活だ。
入った時は人数が少なく楽だと思ったから入部したのに、今じゃ全国に行くレベル。私みたいなやる気のない生徒が所属していい部では無い。
今は、新年度一年生が入部して初めての部活ミーティング。男女に別れての話し合い。
それでも教室1つ占領できてしまう。
「始めは外周2周とストレッチから始めるべきです」
部活の中でも比較的強く、やる気のある2年が余計な事を言った。そんなに辛いことはやりたくない。
「初っ端から外周は怪我をする可能性があります。準備体操とストレッチのみでいいのではないでしょうか?」
対して外周の意見に反対したのは3年生。
もちろん真面目にやっている先輩で、やるべきで無い理由もしっかりとしていた。私としては回避出来る案を出してくれただけほっとする。
意見が割れた場合はすぐさま多数決だ。
これだけ人数がいれば、割と多数決も当てになる。
私はやりたくない外周を避けるため、3年の意見に手を挙げた。
「多数決で体操とストレッチのみになりました」
良かったぁ……。これで一安心。
ただしまだミーティングは終わらない。
「先生にガッツリ教えてもらったほうが為になります」
練習内容についてだ。
「私たち個人でメニューを決めて練習した方が勉強にもなるし、何より力になると思います」
部活時の顧問の有無についてだ。
顧問が部活に来てもろくな結果にはならない。
しかもそれじゃあサボれない。
多数決になればそりゃ顧問が来ない方に挙手。
手を挙げた人数は見た感じ五分五分。
部長が数えた結果、ギリギリ来ない方に決定。
「最後に部活動の時間について。終了時刻の変更は出来ませんが、開始時刻は変更可とのことです」
意見があれば、と部長が挙手を促す。
「今より30分早く、平日7時から、休日8時半からはどうでしょう?」
ん〜、時間はそこまで気にしないし何でもいいや。
「それでもいい人は挙手を」
挙手しとくか。
私はてきとうに手を挙げた。朝は割と強いタイプなのだ。えへん。
すると手を挙げなかった2年が意見する。
「そこは今まで通り平日7時半、休日9時からでいいのではないでしょうか」
おっ……そっちのが素晴らしい。
部活の時間が短いのには賛成だ。
多数決になる。私は2年の意見に手を上げ直した。
睡眠時間は変わらないが、より楽な方がいい。
「多数決で今まで通りと言うことで」
ラッキー。手挙げ直してよかった。
こうしてミーティングは終了したのだった。
牛を馬に乗り換える : 劣った方を捨てて、優れた方に乗り換えること。好都合な方に便乗すること。
運動が嫌いだと前にも言いました。
ちなみに私は中学高校とテニス部です。
信じられない?
ハッハッハっ中学の時は部長もしてたんですよ。
まぁ 私を見てくれれば察せると思いますが、ものすごくゆるい部活でしたね。楽しいが第一。これ常識。
………ん?私?下手くそでしたけど何か?(威圧)
どうも、実はラケット競技は意外とできる、深夜翔です。
でも運動は嫌いです。ゲーム楽しい。
それではまた明日……さらば!




