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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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一挙両得

馬鹿とはさみは使いようとはよく言ったものだ。

あいつは警察官であると言うのに、どう見てもバカ丸出しなのだ。もちろんただの馬鹿では無い。筋金入りの脳筋馬鹿だ。手に負えない事この上ない。

「神谷!中央区の南、バーの店主から連絡だ!」

「分かっている。だからそんなに大きな声を出すんじゃない」

「どーするんだ?立てこもられたらたいへんだぞ!」

「うるさいと言っている」

会話が成り立たない。阿呆に阿呆と言っても聞かないように、馬鹿に馬鹿と言ってもなんの意味もなさない。目元を押さえてこれ見よがしにため息をつくも、当の榊原は何も分かっていない。

「隊長〜?敵は2人、拳銃と魔術よ。監視カメラのハッキングは終わったからすぐに指示は出せるわよ」

俺らのやり取りを楽しむように眺めるだけの如月が、同時に進めていたカメラの位置情報の準備が整った事を知らせる。

「人質の方はどうだ?」

「見える範囲では通報通り4人ね。特に縛られている様子もないわ。……すぐ後ろに非常口があるわね」

「犯人の位置と行動は?」

「入口と少し奥のカウンターにある電話に1人ずつ。こっちの折り返しを待っているんじゃない?」

「………分かった」

俺は今の情報を頼りに作戦を立てる。

人質を縛っていないということは、逃げられる恐れがないと踏んでいるのか、もしくはこちらが物量で攻めてこないと考えているのか。

どちらにしても犯人の注意を引く必要がありそうだ。

「榊原、高野。お前たちは正面からなるべく強引に犯人の確保を狙ってくれ」

「「了解!」」

「林は俺と人質の救出に向かう。如月はバックアップを頼む」

「了解です!」

「おっけ〜」

指示が済むとすぐさま行動に出る。

俺たちが相談していた場所は、通報があったバーの近くに止めてある大きなトラックの中。

外見はどこにでもありそうな普通のトラックだが、中は魔術隊専用パソコンやらの特殊な機械から、会議のできる机に椅子、小さいキッチンや拳銃などをしまった保管庫までが揃った特殊移動拠点だ。

ひとつのみ備わっている扉を通るとバーが視認できる距離の位置。

俺は目線で榊原たちに突っ込めと送り、俺たちはバレないように"透明化"で隠れると非常口に急ぐ。

「おい!お前らなんだ?!」

非常口手前まで来ると、入口の方から男のでかい声が聞こえる。指示通り正面から行っているようだ。

「始まったな。林、ここにポータルを頼む」

「はい…"移動空間短縮ポータル"」

すると壁を貫通したように不思議な空間の穴が空中に生まれる。中を除けば4人の人質と見られる男女と目が合った。

「きゃっ」

「お静かに、我々は警察です。正面で仲間が気を引いていますので、すぐにここを通ってください」

このポータルは便利なもので、扉に何かしらの罠がかかっていても問題なく、音もなく魔術の気配もかなり薄い。隠密にはもってこいの魔法だ。

「人質の確保、終わりました!全員無事です」

「よくやった。林はその4人を如月の所まで送って行ってくれ」

「了解です!神谷さんは………いつもお疲れ様です」

指示を聞いた林は、意味ありげな発言を残し4人を連れて退散して行った。

「さて、俺も行くか」

俺は林が残していったポータルを潜り中に入る。

すぐ横がカウンターだが、中に男は居ない。

柱越しにバーの中を除くと入口に2人、何故か必死に扉を押さえている。

「お、おい!あいつらはなんだ?なんで扉をぶっ壊して入ろうとしてるんだ?!」

「し、知らないっすよ!とにかく扉を開けられないように押さえないと」

なんともアホな連中だ。

俺は堂々と後ろから近づき、

「"拘束"」

あっさりと犯人達を捕まえる事に成功した。

ついでに扉の外の1人にも同じく拘束を使っておく。

「神谷か!捕まえたのか?」

静かになってから扉を開けると、さも当然のように縛られた榊原が疲れきった顔で座っていた。

「よくやったな。高野もご苦労だった」

榊原が落ち着いたのを見て拘束を解く。

「毎回言っているが、何故お前は身体強化でぶっ壊そうとする。もう少し頭を使え。まあ今回はその馬鹿っぷりが役にたったが」

「なんだ!珍しく俺を褒めているのか!」

「阿呆と言っているのだ」

榊原の馬鹿には付き合ってられない。

今回の作戦がなんなのかと言えば、いつも脳筋で正面から突っ込もうとする榊原を上手く使っただけだ。作戦と呼べたものでは無い。

正面から行けとは言ったが、何故扉の攻防戦になっていたのだろうか……。

犯人側も大概アホのようだ。

なんともなく無事に犯人を確保し、トラックに戻ってきた俺たちは、人質に事情聴取をしつつ、休憩時間としていた。

「神谷隊長、結局あれは作戦だったんですか?」

「一応な。毎度榊原が暴走するのを止めていられない。どうせならば注意を引いてもらえばこちらの任務も楽でき、犯人確保の短縮に繋がる。つまり、時間的に得できる」

「……なんか隊長お疲れ様です」

毎度のように榊原の相手をする事を、後輩たちから同情の目で感謝された。

その榊原と言えば、魔力の出力が高すぎるために1度の使用で疲れ果て、睡眠を取っていた。

そろそろ移動開始になる。深いため息をついた俺は、あほ面で寝ている榊原に声をかけるのだった。



一挙両得 : 一つの行動によって、同時に二つの利益を収めること。

話をまとめるのって難しいですね。

小説を書くのは慣れてきても、苦手な部分は変わらないらしいです。やはり練習あるのみって事ですかね。


どうも、小説を書いているくせに話をまとめるのが苦手な深夜翔です。

やっぱり反復が鍵なんでしょうか。

頑張ります!

それではまた明日……さらば!

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