一難去ってまた一難
「いってきまーす!」
「最近事故が多いらしいから気をつけなさいよ」
「大丈夫!」
学校に行く朝。
いつものように母さんが注意喚起をする。
事故どころか事故りかけたことも無いのに心配しすぎなんだよな。
俺が通う学校は歩いて10分程度の場所にあるから、自転車で行く必要すら無いんだ。
玄関を出て、門の鍵を開けすぐに右に曲がる。
「うぉっ」
ザバンっと何故か抜けていた側溝に足を突っ込む。
昨日の夜に雨が降っていた影響か、かなりの水が溜まっていた。家を出て早々に膝あたりまで水浸しになった。
「最悪だ……誰だよ開けておいたやつ」
朝から不愉快極まりない。
軽く足元だけ絞って学校に向かう。
今日は割と暖かいしすぐに乾くだろう。
少し歩くと小さな交差点がある。
「おーい!今日は随分遅いな」
後ろから友達の優希が手を振りながら追いかけてくる。
「おー!優希じゃ うわっ?!」
後ろ向いて進みながら手を振り返した途端、ゴンッと音を立てて頭から何かにぶつかり頭を抑える。
「何やってんだよ(笑)後ろ見て歩いてるからだぞ!」
「お前が声かけるからだろ……痛え…」
頭を擦りながら後ろを確認すると、電柱に看板が貼り付けてあった。
「ふざけんなよ……なんだこの看板」
とりあえず昨日は無かったその看板に文句を言ってみる。言ったところで何も変わらないが、恥ずかしさを紛らわせる為だ。
「というかちょっと急いだ方がいいぞ、時間がギリギリだ」
「まじ?」
まだ家から数百メートルしか進んでいないのに、時間が妙に進んでいる。
「走るか!」
「おう」
少しでも遅れると担任がうるさいからな。
この道のいい所は基本あまり車が通らないこと。
T字路も余裕で通過できる。
1つ目のT字路を通過し、2つ目も通ろうとした時、真横から白い何かが突然現れて危うく当たりそうになった。
「うわっ……あっぶねぇ…」
「コラ!危ねぇだろ!急に出てんくな小僧!」
「す、すみません」
出てきたのは白い自動車だった。運悪く運転手がめんどくさいやつで、窓越しに怒鳴られてしまった。
「何引かれかけてんだよ(笑)」
後ろを着いてきていた優希にまたしても笑われた。
今日はついてないらしい…。
やっとの思いで校門までたどり着くと、入口で服装チェックの先生が立っていた。
「おはようございまーす」
普通に挨拶をして通り過ぎようとすると、「おい」と呼び止められる。
「佐賀、お前ネクタイはどうした」
「えっ?ネクタイ……やっべ」
ネクタイをつけ忘れていたらしい。
その旨を伝えると、気が緩んでいるやらしっかりしろと説教が始まる。
優希は気がつけば逃げるように昇降口に向かっていった。見捨てやがったな。
それから数分の時を得てやっと解放されると、昇降口に急ぐ。
下駄箱に靴を入れて学校内に入り、ふと時計を見ると後1分でチャイムが鳴る時間だ。
「おいおいまじか」
いつも間に合う時間なのに、こういう時に限ってギリギリなんだ。
幸いな事に俺らのクラスは1階の手前側だ。走れば間に合う距離。そこで走ろうと足を前に出した瞬間、横の廊下から教頭先生がひょっこりと現れた。
「お、おはようございます」
慌てて足を緩めて挨拶すると、ぺこりと頭を下げて自分とは逆の方向へ歩いていった。
内心ほっとしたところで、キーンコーンとチャイムが鳴り出した。
急げ!
慌てて教室に向かう。
チャイムがなり終わった瞬間に教室に入った。
「佐賀!遅いぞ!遅刻はお前だけだ……」
「先生!違うんです」
「違わない!遅刻は遅刻だ!放課後掃除だからな!」
「そんな…」
今日は友達と遊ぶ約束があるのに……。
半ばゴリ押しでバツ掃除となった俺は、完全に萎えた顔で椅子に座った。
「なんか……今日は随分災難な日だね」
先にしっかりと準備して座っていた優希が、苦笑いでそう言った。
俺は朝から深いため息を着く。
静かな教室の中、濡れているズボンがやけに冷たく感じられた。
一難去ってまた一難 : 災難や危機が次々と襲ってくること。
どうも、遅くなりました。深夜翔です。
ただでさえバイトで忙しかったのに、帰ってきたら妹に写真を移してくれと頼まれて……めんどくさいことこの上なかったです。
時間が無い時に限って時間を取られるイベントがやってくるのはなぜなんでしょうか……(ため息)
とりあえず今日はこの辺で、また明日……さらば!




