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ことわざ大百科 ver.短小説  作者: 深夜翔
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交喙の嘴

「そっちに行ったぞ!」

この街に夜の静けさは存在しない。

車、人、モニター、明かり。

人々が文明を進化させ、いつでも便利で楽しい街を目指した結果、都心というひとつの異質な空気が生まれてしまった。

『眠らない街』とは言い得て妙だ。

そして、そんな街には楽しい事と同時に犯罪という悪が潜んでいる事がある。人や物が多ければ隠れやすい、木を隠すなら森の中だ。

よって取り締まり、犯罪に対処する仕事と言うのが必要なのだ。

「逃げ足の早いやつらだ。後輩、応援を要請してくれ」

「了解です!」

ここにも街の規律を守るために奮闘する警察が。

逃げていた輩を取り逃したようだ。

「しっかしこの辺は路地が多くて困るな。追いかけるのも一苦労だ」

「仲間も現在逃走中との事です。そちらの情報によると、仲間の1人は黒い帽子に茶色のジャケット、身長は170センチくらいで………」

「おい、あそこにいるの……追うぞ!」

「えっ?ちょっ待ってください!」

情報の共有中に先輩の視界にはそれらしき人物が写った。話している最中だと思うが、時間は止まってくれない。ここで見逃すと後から困るのはこちらなのだ。

あっという間に追いかけっこが始まる。

「後輩、ここからは二手に別れよう。お前はあっちから回り込んでくれ。会話はこっちのマイクでする」

「分かりました」

路地に入った逃走者を見て、二手に別れるのが得策だと踏んだらしい。

迅速な行動は警察官には必須の能力だ。

先輩は逃走者である男を見失わないように必死に走る。決して視界から外されてはいけない。

「先輩!どっちに行ったか教えてください!」

路地に入った後の動きが分からない後輩が指示を仰ぐ。

「すまん!1度右に曲がった後はいまいち把握出来ていない……今右に曲がった!」

「………右ですね?分かりました!」

狭い路地を走りながら右と言った先輩。

残念な事に、先輩が走っている方向は現在後輩が走る向きとは逆になっていた。

よって左右反対になっているのだが、追うことに必死の先輩達はその事に気づいていない。

もちろん逆の指示を聞いた後輩は、その指示通り道を右に曲がる。

気がつけば2人の距離はどんどんと離れて行っている。

「先輩!とりあえず路地の出口らしき場所に到着しました」

「分かった、そのまま待機していろ」

もちろんだが、追っている路地と後輩が待機している出口は全くの別物だ。

「見えたぞ!出口だと思う!」

「了解!」

先輩が追っていた男は路地から飛び出すと、そのまま左に走っていく。

後輩の方はというと、

「来た!そこまでです!」

待機していた路地から慌てた出てきた男を綺麗な背負い投げで地面へと叩きつけて逮捕した。

「おい!後輩!どこに行った!くっそ」

路地に出ても後輩の姿が見当たらず、仕方なく男の後を追う。

しばらく鬼ごっこが続いた後、先に体力の限界が来たのは逃走者の方であった。

「おりゃぁ!」

無事に追いついた先輩による強烈なタックルをくらった男は、そのまま手錠をかけられ捕まった。

「危ねぇ……おい後輩!何をしている!」

「はい!捕まえましたよ!」

マイク越しに聞こえるその声は、ミスをしたのとは違った声色。その明るい声に、何かがおかしいことに気がついた。

「………後輩、さっきの交差点に集合だ」

「?はい!了解です」


男をとっ捕まえた2人は、合流地点の交差点に男を連れてやってきた。

「……ちょっと待て、そいつはさっきの強盗じゃねぇか!」

「あれ?その男……さっき情報が送られてきた仲間?」

ここでようやく2人の情報が違っていた事に気がつく。

「まさか、途中から別の奴を追っていたのか」

「……どうやらそう見たいですね」

本人たちは一瞬沈黙した後、

「まぁこれでどっちも逮捕できたしいいか!」

「むしろ予想以上の結果ですよ!」

偶然の結果に大いに喜び思った。

マイク越しの共有は当てにならないなと。



交喙いすかはし : 交喙の上下のくちばしが左右に食い違っていて合わないところから、ものごとが食い違って思うようにならないこと。

最近思うんです。

俺のことわざの解釈、ちょっと違くない?と。

頭の悪さが際立ってますよ、コレ(笑)


どうも、違う気がするけどいまいち分かっていない、深夜翔です。

もしも気になるほど意味が違ったりしたら、遠慮なく教えてください。

感想欄でもTwitterでも問題ありませんので……。


少しの不安を残して、

今日はこの辺で、また明日……さらば!

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