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なんで今更、異世界へ??

作者: 奏多

久しぶりに投稿しました。

前に投稿して削除した作品を、書き直して再投稿しました。

side:百合

私、臼田百合うすだゆりは混乱している。

混乱しているな~と一周回って冷静に・・・。なれてないな、うん。


思い返すに、自宅のマンションでエレベーターに乗ったまでは、いつも通りだった。

通常通り、「三階でございます。」というアナウンス。

スマホを眺めたままの私は周りの様子を見ることなくエレベーターから降りた。

人の気配がしたので、お隣さんかなと顔を上げると


・・・・きらびやかな空間が広がっていた。


目の前には金色の豪華な椅子座る男性。壮年のようだが、体は引き締まり大人の色気がある。

その周りには鎧をつけた騎士らしき男たち。ローブ?を着て、杖を持つ人もいる。

全員に共通するのは・・・こちらを凝視していることだ。



え・・、映画のロケにでも入りこんだ?謝ったほうがいい??


そんな私の混乱をよそに話は進む。


「・・・陛下、勇者召喚を完了いたしました。」


は・・?勇者??

え、これ異世k・・な訳、ないない。


ない、ヨネ。

********************

ゆうしゃ、ユウシャ、優社ってなんだっけ(棒読み)

現実逃避がしたいのに、王冠の似合うヘイカさん(仮)がこちらをじっと見てきてできない。ナンデスカ。


ヘイカさん(仮)は、ニッコリと笑い言った。うわーかっこいいデスネ。


「よくぞ、参った。勇者よ、歓迎しよう。」


・・・・・。


あ、そうだエレベータは?!

慌てて後ろを見ると・・・扉は無く、白い光を放つ魔方陣?があり、どんどん薄くなっていた。

見ている間に消えてしまった。


あ・・これ、異世界だわ。

********************

って納得している場合じゃなかった。


異世界行きたーい!と思ってた時もあったけど、それは私の黒歴史。 

もう中二病は卒業している・・はずである。


なのに。



何で今更。




異世界へ!!なのさーーー!!!

*************************************

side:KING


まだ召喚の間がざわついてざわついている。

先ほど大量の魔力を使い、勇者を召喚したのだが・・・。


なんだか・・・小さい。


一番最初の感想はそれだった。


私はこの国、Sankaiサンカイの国王だ。

この世界では、魔獣の活動が活発になる時が数十年おきにある。それを食い止めるため異世界から勇者を召喚する。

のだが・・・・。


実はこの勇者召喚、「世界を賭けたくじ引き」と各国の上層部では言われている。


・・・もちろん、そう言うのには理由がある。


過去の勇者、実に変わっt・・個性豊かな方々が多いのだ。

まあ、違う世界の人間なのだから習慣や文化の違いがあるのは当たり前なのだが。それを鑑みても、変わって・・いや個性的だ。


王の前で「異世界、キター!!」と叫ぶくらいは序の口である。

友好民族のエルフやドワーフを見て、奇声を発したり。

「ハーレム王に俺はなる!」と魔獣退治を放りっぱなしで、美姫を要求したり・・。

他国の王に喧嘩を売ったり・・・。


以上代々の王の記録もとい愚痴日誌より







・・・・正直、勇者召喚したくなかった。

********************

幸いほとんどの勇者は協力的だったため、今も人は滅亡していないのだが。

(え・・ハーレム王は?だって?美姫たちの『お・ね・が・い』で・・まあ後は分かるだろう)


前回の勇者召喚は、先代国王である父上の時だった。

その時の勇者も、かなり変わっ・・不思議な方で・・・。

・・き、気のせいだろう。

かなり高齢で召喚されたのに戦闘狂だったとか・・普段ついている杖振り回してたとか・・。

私の記憶間違いに違いない、うん。


・・・・今回の勇者はどんな人物だろうか・・。






勇者召喚=世界の運試し☆・・・世界よ、それで本当にいいのか?



・・・・ほんっっっとうに、勇者召喚はしたくないが。魔獣の被害は着々と増えている。


「勇者召喚の手配をせよ」

「はっ!」


私も腹をくくるしかあるまい・・。

さあ、張り切ってレッツトライ。


・・・・どうか、まともな者が来ますように!!!!!!!


魔方陣が白く輝いた。

********************

出てきたのは小柄な少年。私の肩まで背は届きそうに無い。

歴代勇者に多かった黒い髪。瞳は何色だろうか?

事態に気づいていないのか、下を向いている。そばの近衛たちは警戒し、剣に手をかけたが目で制した。

少年は人の気配がしたのか、顔を上げる。そして大きく開かれた瞳は美しい黒色をしていた。

顔は中性的で整っており、ドレスを着れば誰もが美しい少女と思うだろう。

ただ髪は短く、ズボンをはいているため男と分かるが。

・・・戦えるのだろうか、魔獣と。剣が全く似合いそうに無い。


驚いたように私たちを見る姿は、怯える小動物のようでかわいらしい。

そして周りをキョロキョロと見る様子も微笑ましく、私たちはつい見守ってしまっていた。


「・・・陛下、勇者召喚を完了いたしました。」

国仕えの魔法使いが報告する。周りの者もはっと気がついたようだった。近衛たちも緩んだ顔を慌てて引き締める。珍しいことだ。

私は特に副隊長のニコニコとした笑顔に驚いてしまった。

お前、そんな風に笑えたのだな。

周りで気づいたものは信じられないような顔をしている。・・・気持ち、すごく分かるぞ。

めったに笑わない・・いや、敵に対しての嘲笑なら見たことはあるが。基本彼は無表情だ。


一部の者が、本気で怯えているように見える。

・・・よく見ると副団長直属の者達だったのは気になるが・・・。


少年は『勇者』という言葉にビクッと反応した。


「ご苦労。」

労いの言葉をかけてから、勇者を改めて観察する。少年勇者はみるみるうちに顔が真っ赤になった。


・・・か、かわいらしい。


いや、まだ油断はならん。定番の挨拶をしなくては。




「よくぞ、参った。勇者よ、歓迎しよう。」


少年は、零れ落ちそうなほど大きく目を見開いた。


・・・本当に、かわいらしいなあ。

****************************************

side百合

夕車ゆうしゃって何かな・・・?なんて現実逃避をしようとしていたら王様(確定)からトドメを刺された臼田百合です。


前を見るとやっぱり豪華な椅子にダンディー王が座っていた。周りもキラキラしている。


夢だったらよかったのにな・・・・。

小説や漫画でいろいろ読んだけど、当時の私が「異世界トリップもしもしたら~?」なんて妄想していたのは、『妄想』であって、『予行練習』ではない。


と、言うか王様達、背が高い!!


私は身長160センチで日本人の女性としては普通ぐらいかなと思う。

でもこちらでは皆背が高いのか見上げるくらいに高い。男性は190センチくらい?2メートルかな・・。


なんだか周りの目が不思議だけど、突っ立ったままではいけないよね。私一応、社会人だし。


「発言をお許しいただけますか」

と、王様に聞いてみた。

・・・すると周りが信じられないものを見たかのようにざわざわした。


や、やっぱりこちらから話しかけるのは失礼だったかなっ!

ど、どうしよう謝るべきそれとも土下座かn「すばらしい!!」ほぇ?


見ると元からキラキラしている王様や周りも騎士(?)たちが、なぜか更にキラキラ・・いや、ギラギラ輝いていた。


・・・目がーーーーーー!

目がぁーーーーーーーーーーーーーー!!

と某大佐が脳裏で叫んだ。

いやふざけているのでは無くてマジに目が潰れそうなんですが一体何事なの・・。


「まだ幼いのに、なんと礼儀正しい勇者でしょう!」

「今までの勇者とは違いますな!」

「かわいい男の子ね。」

「何より、敬語が話せる!!今回は成功ですね!」




・・・・。

今までの勇者ってどんな人物だったの??すごく気になる。


と、いうか今、可笑しな言葉があった気がするのだけど気のせい?

********************

この状況どうしようか・・と考えていると、王様の横にいた騎士さんが答えてくれた。1つに括った黒髪の青い目が綺麗な優しそうな人だ。

・・・・何故か周りの人がビクついてるけど。どうしたんだろう。


「ここはサンカイ王国、人族の国です。こちらにおわす陛下が治める国。

私は近衛騎士団の副長のアオと申します。アオ兄さんとお呼びくだs「ゴッホンッッ」・・団長、どうしたんですか。むせた?これだから脳筋は・・・。

あ、続けますね勇者様。今回、貴方を勇者として召喚したのは魔獣討伐に協力して頂く為です。」


いったん言葉を切ったアオ副長。

いま、団長(らしき人)に毒を吐いたのは気のせいだよねっ。こんな優しそうな人が言う訳ない・・よね!



って魔獣退治?!



「こちらの勝手で申し訳ないですが、民を守るため力をお貸しください!!」

こちらを見るアオ副長は真剣な表情で、瞳はとても澄んでいた。嘘をついている感じはしない(・・私に人を見る目があるのかは分からないけど。)


だけど私は部活動はずっと文化部だったから、体力もないし力もない。

「勇者」と呼ばれ「力を貸してほしい」と言われても・・どうしよう。協力するのは決定事項だろうけど。知らない国の知らない人々に命を賭けるほど、私はお人よしでは無い。


どう答えようかと思っていると、王様と目が合った。優しい色をした黒い瞳。なんだか懐かしい。

・・・え?懐かしいって?日本人の目の色と同じだから?いや、■■■■■■・・・。


ん?私は何を考えてたんだ??

「詳しいことは状況を聞かないと判断できませんが。私にできることなら協力いたします。」

気が付くと私はそう答えていた。不思議だけど、先程までの躊躇いは無くなっていた。

異世界定番の暗示とか魔法で・・・と言う訳ではないとおかしい確信がある。


そして


『守らなければならない』

と何故か、強く心の中から思う気持ち。


********************

周囲の人々は驚いたようだった。

普通は「元の世界へ帰せ!」とか「異世界だ~~!!」とか騒ぐものらしい。

・・私も自分がなぜ、こんなに納得しているのか分からない。


特に王様や、アオ副長は

「本当に良いのですか?」

「無理をしていないか?」と心配してくれた。なんかすごく良い人たちで逆に心配になる。


異世界勇者召喚テンプレの、「魔王討伐するまで帰れまテン」やら「脅迫」は無いんですね。

・・・え?物騒?

**************************

詳しいことは後に説明してもらうことにした。

とりあえず自己紹介はしたほうがいいよね。


「アオ副長、この国では苗字が先ですか?名が後ですか?」

「アオでいいです。あ、アオ兄s「おおっとこんなところに靴紐が・・・?!」・・・先程から何なんです団長?はぁ・・・いいです。

勇者さま、さっきの質問は同じ意味ですよ。」


優しい見守るような笑顔で笑いながら訂正されてしまった。は・・恥ずかしい。顔が赤くなるのが分かった。

あちこちから笑うのを誤魔化す為か「ッンン」と聞こえたり天井を見上げる人がいたり・・・。

もっと上手く誤魔化して欲しかったな!!


名前のほうが先だと教えてもらったので(アオさんは肩が震えていた・・チクショゥ・・)正面の王様に、名乗った。笑わなかった王様・・・一生ついて行きます!!



「私の名前は、ユリ=ウスダです。よろしくお願いします。」

お辞儀をするとまた感動された。

・・・ほんっとうに、今までどんな勇者が来たの??




「勇者ユリウス、こちらこそよろしく頼む。」


王様が律儀に返事を返してくれた。本当にいい人だ。涙出そう。

と、まあ冗談はさて置き。





・・・・・ねえ、王様。








名前が違うよ?!






つづ・・・かない!!

************************************

登場人物紹介

臼田百合ウスダユリ

エレベーターを降りたら異世界だった、社会人2年目の21歳。女性。

身長160センチ。胸の小ささが悩み。

髪型はボブの黒髪。細身で少年に間違えられる。

最後、名前まで間違えられた人。

王様の瞳を懐かしく感じている。■■■■■■が関係している??

~少年と間違えられていると気づいたとき~

「」←ヘンジガナイ。タダノシカバネノヨウダ


・王様

サンカイ王国のダンディおじ様。勘違いの原因は彼の思い込みも大きい。

見た目は威厳があるが、内心はかなり愉快な御仁。

勇者について、代々の王の愚痴日記を読んでいたため召喚に戦々恐々としていた。(よって判断が鈍った)

金の緩いウェーブの髪に黒い瞳。元々黒い瞳の者は世界に居なかったが異世界の勇者の血が混ざったため居るが数は少ない。

「ユリウス」という名は初代国王と同じなので嬉しい。

しかし、まだ成人してない少年を親元から離してしまったため(違う)責任を感じている。

「まともな勇者が来てよかった・・・。はあ、かわいい」←


・近衛騎士団団長

代々の勇者のことを先代団長から聞いていたので警戒していたがユリが召喚され、「いい子だ~!!」となった。まだ成人してない少年を親元から離してしまったため(違う)責任を感じている。

ユリが副団長の好みドンピシャなことに気が付いており、親のような気持ちでセコムと化す。

「俺が守ってやらないと・・アオは自重しろ」


・近衛騎士団副長

いつもは基本無表情なクールビューティー。

笑うときは敵を拷問するとき、殺すとき。それを知っている直属の部下達・・・。

しかし小動物好きで、もふるときだけは笑顔を惜しまないことはほとんど知られていない。

騎士団長にきつい対応なのはデフォルト。でも嫌いな訳ではない・・たぶん。(作者も不安になってきた)

ユリが恥ずかしがる姿に抱きしめそうになるのを必死に抑えていたら肩が震えた。

「アオ兄さんと呼んでほしい・・。団長ジャマです」

←温度差でグッピーが・・・。


・召喚の間の人々

どんな勇者が来るかと思ったら可愛くて礼儀正しい少年だった(違う)

キョロキョロする姿で心にジャブがうたれ、真っ赤な顔で恥ずかしがる姿にノックアウトされた。

決して笑っていたのではない。悶えていただけ。


・エレベーター

嘘は言っていないよ。


ここまで読んでいただきありがとうございます〜〜(*´∀`*)



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