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召喚代行  作者: 咲庸
3/5

3話

 街までは何度かモンスターの襲来にあったが、問題なく倒し魔石共々回収しておく。どうやらモンスターは換金してくれるらしい。


「ほう、ここがリミアのいる街か。中々人の往来があって栄えているな」

「そうかな、ここあまり大きくはないよ」

「俺にとっては大きいんだよ、それでモンスターを換金するところは何処だ?」


 こっちだよ着いてきて、と言うリミアの言葉に従い後に続く。

 街を歩いているとリミアは店の人に声をかけられている。久し振り、今日は何か買わないか、これあげるよ……等々、リミアはありがとう、また今度、と優しく声を返していた。どうやらリミアは顔が広いようだな、それに人気がある。ついでに店の紹介もしてもらった。


 そうしているうちに何とか目的地に着いた。ギルドのようだが、どの世界も似たようなものだなと思いながら中に入る。

 場所を覚えている人がいないと迷いそうなくらいごちゃごちゃしている中を迷うことなく進む我が依頼主は心強い。倒したモンスターを取り出し買い取ってもらう、この世界での通貨の単位が分からないのでリミアへ渡しておく。続いて魔石を売ろうと買取所に向かうと、老女がリミアに抱き着き安心していた。


「リミアちゃん、無事で良かった。遺跡に行ったと聞いて心配していたんだよ……」

「リルばあちゃん、ただいま。心配してくれてありがとうね」


 ふむ、やはりこういうのは心にほっこりくるな……。暫くかかりそうだなと思い辺りを見回す。落ち着いてよく見ると思っていたよりも混雑もしていなく意外と静かであった。時間も混雑する時間ではないからだろうか、と考えているとリミアがこちらに話の話題を向けた。


「この人はゼアル。従者契約して今は私の護衛をしてもらっているの、遺跡もこの人のおかげで何とか出られたわ」


 どうも、と礼をする。リルさんは俺にありがとうと感謝の言葉を話すとこの後はどうするのかリミアに問いかける。


「とりあえず部屋に戻って休もうかなと思ってるよ、頼りになる護衛もいるから」

「そうかい、それじゃあ気を付けて帰るんだよ、ゼアルさんよろしくね」


 任されました、と言うと安心した顔をし手を振ってくれた。何とか信頼は得たようだな。

 リミアの後を追い外に出る。外に出ると日が傾いており、街は夜の雰囲気を醸し出していた。それと同時にギルドが混みはじめていた。これから混みあう時間のようだ。


「ここが国立の学園よ。私はここの研究棟で働いているわ」


 例えるなら国立大学のキャンパスを想像してもらえれば分かるだろう。中々にデカいな、それに広い。

 その後も学園内を案内されながら移動する。正直暗いからよくわからんが一生懸命に案内してくれるリミアのためにも真面目に聞いておく。

 そして時間が時間なだけに、食堂に向かうことになった。


「ここが食堂よ、学園内の生徒以外もお金を払えば利用できるわ」

「ほう、俺も食べられのなら良かった。正直言うと腹が減っていたんだ」


 メニューを見ると定食がメインのようだ。ここは唐揚げ定食にするか。リミアは焼き魚定食を頼んでいた。注文すると1分ほどで完成品が出てきた、早いのは嬉しいが早すぎないか?

 席に着き、食事を始める。お互い黙々と食べる、思っていたより腹が減っていたようだ。

 因みに唐揚げは中々美味しかった。しばらくぶりに美味しい食事を食べた気がするな。


「そういえば、俺ってどこに泊まればいいんだ?」

「何を言っているの、私の部屋以外にあるの?」


 ふむ、なぜ質問を質問で返されたのか……。リミアがいいのであればお邪魔するか。

 寮までは食堂の隣という事もありすぐに着いたのだが、解決しなければいけない問題があった。


「一つ聞いていいか、リミア」

「何?」

「ここって、女子寮じゃないか? ……というかそうだよな」

「別に男子禁制というわけではないのだし問題ないわよ」


 ほら、表面上にはない暗黙のルールというものがあるだろう普通に。今までそのルールが適応されていない世界なんてなかったぞ。入った瞬間に警報なった時もあったくらいだ。

 あ、これは依頼主|(男)と一緒に男のロマンを見つけに行った時だった。


「しかしだな、流石に他の人もいるし嫌がる人もいるだろう? そこに堂々と入れるほど俺は空気を読めないやつではないぞ」

「けれどその場合、私の護衛はどうするの?」

「その辺で気配でも消して周辺の警戒でもしていれば問題ないだろう、近くにいるだけが護衛ではないしな」


 流石にこの人がたくさんいる中で騒ぎを起こす奴はすぐに目立つだろうしな。


「確かにそうね、貴方がそう言うのなら信じるわ。では朝にまたここで、いいわね?」

「了解した、マスター」


 リミアが女子寮に消えるのを見送り、先ほど案内された時計塔に向けてジャンプし空を翔る。

 ここなら全体を見渡せる、それに人目にもつきずらいだろう。縁に腰を掛け一夜が明けるのを待った。




――――――――――――


 朝の陽ざしがカーテンの隙間から入り込み私に当たる。

 それにより目が覚める。昨日はゼアルと別れてすぐに寝てしまった。疲れと守られているという安心感によるものなのだろうか。そんなことを考えながら、顔を洗うために洗面所に向かう。


 食堂に向かうため玄関に足を向けると、朝という時間のために学生が多くいる。同じく食堂に行きそのまま登校するのだろうと思いながら玄関を出る。いつもならこのまま食堂に一人で行き研究棟に向かうのだが、今日は違う。


「思っていたよりも早いな、異常は特になかったぞ」


 後ろから昨日から聞きなれた声が聞こえ振り向く。灰色の髪の男―――ゼアロが頭を掻きながら私の元に歩いてくる。


「いつもこの時間よ。ところで私が心配するのもなんだけど、どこにいたの?」


 彼は時計塔を指差す。


「まさか、時計塔に登っていたの? 」


 それに上り下りが大変だと思うのだが、彼はケロッとした顔で肯定の意思表示をする。


「一々階段を上り下りしてたわけじゃないからな、ジャンプしたからそんなに大変じゃないし」


 彼の身体能力なら不可能ではないと思う。という事は恐らく彼は今さっき空から降ってきたのではないのだろうか。周囲の視線がそれを示しているのだと今になって気付く。


「ほら、さっさと行こうぜ。腹減ってきた」


 平然としている彼の後を急いで追いかけた。


 食堂に着き注文を済ませる。私はいつもと同じ焼き魚定食である。魚は頭に良いと聞いて以来、お気に入りとなっている。元々魚は好きな方であったのも気に入った理由なのかもしれない。

 席に着き、彼の頼んだものを見て少し驚く。


「朝から重くないの?」

「かつ丼のことか。別に朝から焼肉でも全然大丈夫だから問題はない」


 見てるこちらが少し重いのだがとは口にはせず、魚の身をほぐす。ほぐした身を口に入れると、程よい塩気がご飯をすすめてくれる。いつ食べても飽きない、焼き魚は最強だと思う。


「それで今日はどう言った予定で?」

「普段通りに仕事場へ行くわよ、手伝ってくれる?」

「俺にできることであれば極力な。力仕事以外は期待しないでくれ」


 そう話す彼は既に丼は空になっていた。いくらなんでも早すぎでは無いだろうか……。私が遅すぎるのであろうか。そういえば誰かと食べること自体、久しい気がするため私の感覚がおかしいのかもしれない。

 そんな思考を巡らせていると急に彼は立ち上がる。


「ちょっと花摘んでくるわ」

「それ男子が使うと可笑しいわよ」

「食事の場だから気を使ったんだよ。あと気にしてるようだが俺はかなり早食いだから、お前の食べる早さは普通くらいだぞ」


 そう言い残し彼はトイレに向かった。

 私が考えていることが表情に出ているとは、今度からは気を付けないと。私は彼が帰ってきたら直ぐに出れるように食事を再開する。



――――――――――――



 トイレに立ったはいいが、これは大変なことになったな。


「トイレどっちだっけな……、まぁ歩いていればそのうち見つかるだろ」


 そう呟いたのが10分前、今のところ目標は見つからない。

 一体この学園はどうなってんだ、こんな広いなら数m単位でトイレつけないとダメだろ。人数的にも時間的にも間に合わなくなっちまうよ。もし腹を下していたらと考えると鳥肌が立ってきた。早く見つからないかな……。


「おい、そこの男止まれ!」


 俺ではないと思うが無視したとか言われると面倒だから、一応呼ばれた方を向く。

 そこには何処かで見た様な女性が立っていた。

 紫の髪をしたその女性は、俺の前まで来て顔をジロジロと見始める。相手が見るという事はこちらも自然と相手を見ることになる。そこでようやく誰なのか思い出した。ユウ=キリヤのパーティーの斥候だ。

 まさか、あちらから声をかけてくるとはな……。逃げるか、いや地理の無い俺には逃げながらリミアの元まで戻るのは少々無理がある。

 ここは知らない振りをしてみるか。


「あの、自分の顔に何かついていますか?」

「やっぱり、あんたあの時の男ね」

「あの、とはいつの話をしているのか記憶にないのですが……、誰かと間違えているのでは?」

「それは無いわね、顔はしっかりとは見えていなかったけど服が明らかに見覚えがあるのよ」


 ――――やっちまったな。完全に服の事考えてなかったわ、仕方ない逃げるか。


「逃げようとしても無駄よ、私一応斥候だから逃げられるとでも?」


 そりゃそうだろうな、本気出してもリミアに迷惑かけるの悪いし従っておくか。


「それで何か用か、ユウ=キリヤの斥候さん」

「やっぱり当たっていたわね、あとあいつのパーティーは辞めたからその呼び方は止めてくれないかな」

「あっそう、俺はトイレに行くのに忙しいのだが」

「そっちが素ね、その方が話しやすくていいわ。トイレはこっちよ」


 今はトイレが大事なので大人しくついていく。そういえば俺この子の名前知らない。そしてなんか出会う子みんな口調が強い、俺の癒しは何処にあるのだろう。どうでもいい? これ割と重要だよ!


 用を足し現在は逃亡中である。普通に窓から逃げましたよ、はい。最後のガラスをぶち破りました。

 何とか食堂に戻ると、依頼主から怒りのオーラを感じた。


「あらゼアロ、随分遠くまで花を摘みに行っていたのね」

「落ち着けリミア、素直に言うと迷子になった。そして女に絡まれた、今逃げてきたところだ」


 謝罪のために頭を下げようとしたが、リミアは俺の耳を引っ張り食堂を出ようとする。

 普通に痛いな、いつだったかのサイクロプスの蹴りよりも痛いかもしれない。――――それは盛りすぎたな。



 引きずられ数分、研究棟に到着した。リミアの自室らしき部屋に入りそこでようやく耳が解放された。


「ここなら邪魔は入らないわ、それでその女って?」


 おい話聞いてたなら、耳引っ張る必要あったのかよ。そう言い出しそうな言葉を飲み込み先ほどあったことを話す。


「レウカ=スカリイナがね……、よく逃げてこれたわね」

「相手もトイレから逃げるとは思わないだろ、あそこ数十mの高さだったし」


 どこまでトイレを探しに行っているのよ、と頭を抱えられても困るぞ。見つからなかったものが悪い、そうこの学園が悪いんだ。


「食堂を出てすぐ近くにトイレがあるのだけど、見えなかったのかしら?」

「あー、あの人だかりはそれだったのか。何かイベントでもやってるような人だかりだから流してた」


 なるほど、あそこがトイレだったか。覚えておかないとまた迷子になってしまう。


「ここなら関係者以外入れないから追っては来れないでしょう。早速手伝ってもらうわよ」

「おう、適当に頑張るわ」




 召喚に関する質問をある程度され、その後は遺跡での石版などを紙に内容を写したりと手伝いをこなしていると仕事がなくなってしまった。

 リミアはスイッチが入ったせいで、声をかけても反応がない。


 暇だ。

 そういえば召喚印をリミアに付けていなかったな。リミアの左の手の甲に触れ魔力を流す。すると緑色の紋様が浮かび上がる。

 しかし、当の本人は全く気付かない。召喚印も付けたし、呼ばれれば直ぐに駆けつけることもできる。

 その辺見に行って、暇でも潰しに行きますか。


 外に出て周りを見渡す。明るくなってからの景色はやはり違うな。研究棟は本棟からは校庭を挟むためかなりの距離がある。その校庭がかなりの広さなんだが、その距離を引きずられた俺の耳は誇ってもいいのだろうな。

 校庭では授業が行われているためか、人がたくさんいる。近場にあるベンチに腰掛け授業の様子を見る。内容としてはクラス別での模擬戦を行っているようだ。


 魔法ありでの戦いのようだが、如何せん魔法の打ち合いのような戦いが続いている。持ってる剣とか杖は飾りなのだろうか、そんな感想を抱きつつ研究棟の方に戻ろうと立ち上がる。

 この世界の魔法体系も理解できた、どうやら知っているタイプの魔法でよかった。何かあった場合に使えないなんてことはよくあることだからな。


 シュッと空を切る音に気付き、相棒の短剣で弾く。飛んできたものは投げナイフだった。危なっかしい物を飛ばしてきた奴を探すため周りを見渡すと、つい先ほどトイレに案内してくれた彼女が立っていた。

 なんてこった、もう会わないと思っていたんだがな……。まぁ、さっき姿は見えていたんだが。


「何か用か? レウカ=スカリイナ」

「まだ名乗った覚えがないのだけれど、貴方の名前も教えてもらっても?」

「主から教えてもらったんだよ。ゼアロだ、用がそれだけなら帰らせてもらうぞ」

「名前を知るだけならリミアイルに聞いてるわ。用件はそうね、単刀直入に言うわ」


 くだらない事なら即帰ろう。てかもう帰りたい、これ面倒事に巻き込まれる奴だよね。俺知ってるよ、前に本で読んだ記憶があるもん。


「私を鍛えてくれないかしら」

「はい?」

「だから、私に稽古をつけてほしいのよ」

「言っている意味は分かってるよ、なんで俺なんだ。ユウ=キリヤで良いだ……、あぁパーティー辞めたんだったな。言っておくが俺に教えられるより、戦闘専門のやつとか学年のトップとか先輩に聞いた方がいいと思うぞ。これ経験談な」


 俺のではないんだがな。自分で言うのも何だが、俺自身努力型ではなく天才型だ。つまり人に教えるのは苦手だ。座学とかなら何とかなるんだが、実技系のものはどうにも説明できない。


「私これでも最高学年で総合成績は上から3番目だけど実技では1番なのだけど」

「自分で言えるのはそうとう自信があるという事か。仕方ない一回手合わせをして俺に一撃当てられなかったら先の件は無かったことでいいな?」

「ええ、それで十分よ」


 そんな訳でレウカと向き合う。短剣を逆手に持ち体勢を低く構える彼女を見て、自分のスタイルと似ているような気がした。自分も相棒を構え相手の動きを待つ。


 お互い動かずに数分、彼女が動く。

 ナイフを3本こちらに投げてきたため、地面に叩きつける。その隙に彼女は俺との間合いを完全に詰め一撃を狙いに来る。受け止めると彼女は後ろに下がりナイフ追加で2本投げる。こちらも同じく地面に叩きつけナイフを回収しながら彼女を捉えるため視界を巡らす。

 後ろから音が聞こえ反応し弾く、弾いたものを見て急いで距離を取る。その瞬間に爆発が起こり砂煙が辺りを覆う。

 流石と言いたいところだが、無駄にナイフを投げるのは減点だな。相手に使われる事を対処できればいいが、どうなるか楽しみだ。


 砂煙の中からファイアーボールが同時に6つ囲むように飛んでくる。上空に飛ぶと今度は矢が同じく囲むように飛んでくる。上空では無防備という点を狙ったのは有効だろう、魔法が無い世界でならな。


『氷結界』


 囲んでいた矢はすべて凍り落ちていく。煙が晴れると下には土人形が12体俺を囲むように構えていた。


『氷槍』


 一本の氷の槍を創り真下に投げる。

 槍が地面に当たると中心から氷の世界が出来上がっていく。一瞬で氷山を作りその上に着地し彼女の姿を探す。もしかしたら下で凍り付いているのかもな、と思い下を見ていると影が大きくなっているのに気付きその場を離れる。先ほどまで居た所に彼女は悔しそうな表情で着地していた。


「まさか上にいたなんて思わなかったな……」

「余裕で避けられるとは思わなかったけれどね、それ以前に貴方の魔法の規模には驚かせれたけど」

「それくらい追いつめられたとでも思ってくれ、どうするまだやるか?」


 少し考える様子を見せ空間からもう一本の短剣を取り出し構え、当たり前と言った。

 まだまだ、楽しめそうだな。



――――――――――――


 気付いた時には周りには誰もいなく、私一人であった。

 アイツは一体どこに行ったのだろう。

 確かに私自身集中すると周りが見えなくなるのは悪いと思っているが、書置きでも残していけばいいのに。

 左手を見ると紋章が書かれてあり、何故か彼がどこにいるのか分かった。


 取りあえず彼の元に向かう。

 校庭に行くと、氷山ができておりその上で2人が戦っていた。相手は紫の髪を後ろに束ねた女性、レウカ=スカリイナ。

 彼女は両手に持つ短剣で隙の無い連撃を繰り出し、距離を取られるとナイフを投げ攻撃の手を止めない。それをゼアロは余裕の表情で対応していた。


「そろそろ終わりにするか」


 距離が離れているのに彼の声が聞こえた。

 その声と同時に、受け身になっていた彼が攻め始める。

 流れるような剣裁きを受け続けるしかないレウカの短剣は1本飛ばされる。距離を取られるとナイフで追撃をかけるゼアロ。不意を突かれもう一本の短剣も飛ばされる。

 止めの一撃のナイフを投げた瞬間、後ろに回り込み首元に短剣を、氷で目の前で止まったナイフで勝負が決まった。


 私は2人の戦いが終わり何事もなかったように氷山が消えるのを呆然と眺めていた。



――――――――――――



「ほう、止めと思って油断したな」


 魔法が解け始める中で俺の腹部にはナイフが突き立てられていた。


「最後のあがきでやってみるものね、約束は守ってもらうわよ」

「仕方ない、こっちにいる間は見てやるよ。さて家の主様が来たのでまた明日な」

「そうね、明日同じ時間にここでいいかしら?」

「勝手にしろ」


 レウカから離れ、周りを見るとかなりの人だかりが出来ていた。そういえば授業の最中だったな……。レウカに任せて逃げよう。

 召喚転移を使い、リミアの元に転移する。


 俺が目の前に現れ驚くリミア。いきなり目の前に人が現れたら驚くよな、普通。


「問題は無かったか」

「大ありよ、話はきちんと聞くからね」


 了解と言い、研究棟には戻らず寮に向かう。切りのいいところまで終わらせたらしい、仕事熱心で良いことだ。


「今日は部屋に入ってもらうから」

「……善処する」


 どう逃げるか考えながら、帰路についた。



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