同類誕生説
(もしかして、あいつも私と同じ目にあってたりする?)
「まさかねー。そんなわけないよねー。しかもこんな都合よく見つかる分けないよねー。」
「どうしたの。ぶつぶつ言って。」
「・・・・」
「悠里?どこいくの!?」
つい我を忘れて耀子の声も聞かずに教室に戻ってきてしまった。
(本当にどこのファンタジー物だよ・・・。私が女になって、ほかの人が男になるなんて・・・。)
(いや、まて。私の早とちりかもしれない。私がこんなことになってるから変に勘ぐってるだけかも。)
「ほらー。授業始まるよ!早く移動して。」
学級長の宮崎だ。
「えっと。次なんだっけ?」
「・・・英語。」
「そんなぶっきらぼうに言わなくても良いじゃん。」
「うっさいはやく移動しろ。あ、fastのほうな。」
「はいはい。」
相変わらずである。
後藤はいつもこんな感じだ。
だが、それが面白かったりする。
なんというか、気兼ねがないというか、繕ってないというか。
話す会話の内容は少ないけど、毎日楽しみにしてたりする。
「んー。3組はいつも移動が遅いなー。」
「ほんとまったりしてるよね。」
英語は移動授業で3組に行く。
別に入っちゃいけないわけではないけど、全く移動している人がいないと、入るのに躊躇する。
ガラッ
「おう。4組早いなー。」
「いや、3組が遅いから!」
これもいつものことだ。
私は割りと顔が広いというか人脈が合ったりして、ほかのクラスの人ともよく話すので、学年合同で何かするときもあんまり不安がない。
男だったときは・・・。
ということは今もそうだ。
こういった私の記憶は今の状況とうまく合致しているのでよかった。
問題はほかの人の記憶についてだ。
もちろんほかの人からしてみれば私は前から普通にいる存在になっているのだろうが、それは今のこと。
存在していておかしくない。別になんてことない。もともと道路があったように私がいる状況だ。
ただ、鮮明に何か記憶があるのか。そこが心配でならない。
(まあいい。そんな面倒くさいこと考えていたら頭がおかしくなる。)
「hello!everyone.」
「hello!」
今日はALTの先生同伴らしい。
「hi! YU-RI. Did anything happen yesterday?」
「Too much・・・」
私は英語は嫌いなほうではない。