3話 オリエンテーション
ジャージ姿の男は教壇の前に立つと名乗った。
「はじめましてだ。私は交神科の担任の石丸 琢磨と言う。今日からよろしく頼む。それと近くの席に着いてくれ」
『よ、よろしくお願いします』
担任という言葉にタマだけでなく洋子たちも同じように頭を下げてからタマ達はそれぞれ近くの席に着く。
全員が席に着いたのを確認すると担任の石丸は口を開いた。
「よし。全員席に着いたな。私は君達の授業やこれからの学生生活を支援で会う事になる。今日は今後の授業の形式などについてのオリエンテーションだ。今日来ていない生徒達には別途リモートで説明する」
「オリエンテーションするんだ」
「ああ。全員が同じ授業を受けるという訳ではないからな。一般科目と学園の専用の科目についてと授業を受ける方法を説明するつもりだ。ここまではついて行けているか?」
石丸がそう言うとタマ達はうなずく。問題なさそうなのを確認すると言葉を続けた。
「うむ。問題なさそうだな。続けるぞ。基本的に1年の間で一定の単位を取得出来れば進級できる。それを3年分繰り返したら卒業だな。卒業したら最低でも乙種2級の免許がもらえるぞ。ただし、学生の本分は勉強だ。一般科目は必須科目だからお勤めや長期の依頼以外では出る事をオススメするぞ」
「依頼? そういえば葛葉さんとリラが言ってたな」
石丸の言葉にタマが小さくつぶやく。それに石丸が反応した。
「うむ。環君。覚えていて偉いぞ。九十九士を育成する学園に共通する制度でな。九十九士協会からの学生用の依頼を受ける事が出来る。その依頼を成功させることで九十九士としての経験と卒業に必要な単位を得る事が出来る。もちろん。九十九士協会からの正式な依頼だから報酬も出るぞ。生徒の中には生活費を稼ぐためにたくさん依頼を受ける者もいるくらいだからな」
「報酬……」
石丸の報酬という言葉にタマがつぶやく。
「ん。先生。質問。いい?」
「いいぞ。なんだ? 葛葉君」
話を聞いていた洋子が手を上げてたずねる。石丸が反応すると洋子は口を開いた。
「授業は必ず出ないとダメなの?」
「授業自体にはそこまで比重は置いていないから出るも出ないも自由だ。ただし、夏休み前の7月と年末の12月の2回のテストは必ず受けて貰う。テストで基準を下回ったら単位はやれないから注意してくれ」
「なるほど。もしかして出てないと範囲は分からない?」
洋子は頭を傾げながらつぶやく。それについて石丸は否定した。
「いいや。テストの範囲はテスト期間の前に公表する予定だ。お家によっては滅多にその土地から離れられない者もいるからな。授業に出る出ないは自由だが、国の依頼やお勤め以外では授業には出てくれるともしもの時にお情けを出してくれるかもな」
「なるほど。承知した。ありがとうございました」
石丸の説明に納得したのか洋子は頭を下げる。少ししてから石丸は口を開いた。
「他に質問がある者はいるか?」
石丸の言葉に手を上げる者はいなかった。石丸は言葉を続けた。
「いないみたいだな。説明を続けるぞ。授業自体は一般科目と九十九士専用の科目がある。午前中は一般科目。世間一般の高校と同じ国数英社理の5科目。午後からは九十九士専用科目はツクモ神に関する知識やツクモ神から伝えられた術を学ぶ座学と戦闘や習った術を実践する生存学や戦闘学などの実技の授業が多くある。その内の九十九士専用科目の方は依頼での単位で補う事が出来る。何か聞きたいことはあるか?」
「先生。依頼はどこで受けれますか?」
石丸が言葉を区切ったタイミングで今度は紅蓮が質問する。
「来夏君。良い質問だ。依頼は教員室の前に受付があるからそこで依頼を受けたり報告したりすることができる。他に何かあるか?」
「ありがとうございます。大丈夫です」
紅蓮は求めている情報を得られると頭を下げる。他に質問がなさそうなのを確認すると石丸は答えた。
「うむ。力に慣れたならよかった。それと説明は以上だ。資料は渡しておくが、もしも聞きたいことがあったら教員室に行けば私が答えられる。資料を渡すぞ」
そう言うと石丸は入る時に一緒に持ってきた紙束を今いる生徒全員に渡す。紙束には『授業を受けるためのしおり』と書かれた紙束を受け取る。
「中には午前の授業の日程と午後の九十九士専用科目の申請用紙が入っている。受けたい科目があったら記入してから1週間以内に教員室にいる先生か受付の人に私宛に渡せばOKだ。専用科目の開始は来週からになるから今週は午前の一般科目だけだからしっかり考えてから提出してくれ。これで終了するが、今の内に聞きたいことはあるか?」
石丸がたずねる。タマ達も質問はないのか静観する。反応がないのを確認すると石丸は口を開いた。
「うむ。ないみたいだな。これにてオリエンテーションは終了する。依頼は明日から受けられるようになるから帰宅してもいいぞ。申請書については今日から受け付けるから後で渡してくれてもいいぞ。それじゃあ。解散だ」
そういうと石丸は早々に教室から出て行く。石丸がいなくなるとタマの居る席を中心に洋子とリラが集まると同時に言った。
「タマ。何の授業受ける? 私としては生存学基礎が面白そう」
「タマちゃん。術式基礎の授業とか面白そうですよ」
「「むっ」」
2人の言葉が重なった。
九十九士学園の授業についての簡単な説明と担任の石丸についてのお話。
次は受ける授業についてと学園内の探検の予定。次回の更新は3/29(日)頃の予定です。
ここまで読んで下さりありがとうございました。次回もお楽しみに。




