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17話 うわっ!? 何か出て来た!?

「そうなのです。とりあえずそうですね。お庭に出ましょうか」


 パンドラはそう言うとふよふよとリビングから外に繋がる大きな扉を開けて外に出る。残された2人は玄関に回り込むとスリッパをはいて庭に出た。


 人が走り回れるような広さはないが剣を振る程度であれば余裕のある広さの庭で合流するとパンドラは言った。


「今回は力を使ってみるだけなのでここで良さそうですね。ツク。剣をタマに渡してください」

「わかった」

「ん。ありがとう」


 パンドラの指示に創は剣をタマに渡す。


 タマは礼を言うと剣を受け取る。ダンボール特有の軽さとしっかりとした作りに創はすごいなと感心しながらタマはパンドラにたずねた。


「パンドラ。これをどうすればいいんだ?」

「昨日言っていた2つで1つの能力を使うのですよ」

「確か……ダンボール・リクリエイトとダンボール・サーチだっけか?」


 タマは昨日の車内で言っていた内容を思い出す。パンドラは全身を使って○を作った。


「ピンポーン。正解なのですよ。まずはダンボール・サーチなのです。ダンボール・ボックスと同じように手に持っている剣に力を注ぎながら使うのです」

「分かった。ダンボール・サーチ」


 タマは力を使うとタマの視界にウィンドウが出て来る。突然目の前に現れた半透明なウィンドウに驚く。


「うわっ!? 何か出て来た!?」

「見えたのですね。それがダンボール・サーチの効果です。ダンボールで作られた物のクオリティを教えてくれるのです」


「誰が評価してるんだ?」

「さぁ?」

「さぁ!? それって本当に大丈夫なのか?」


 まさかの知らないという答えにタマが驚く。さっき言葉を捕捉するようにパンドラは言った。


「で、でも、何となくあってる感じなので大丈夫なのですよ」

「ふわっとしてるなぁ……」


 パンドラの言葉にタマは何とも言えない表情で答える。


「ちなみになんて書いてあるんですか?」

「少し待ってくれ。読めないんだけど?」

「遠くを見るのと同じようにピントを合わせくれれば読めるようになるはずです」

「分かった。何々?」


 タマは出て来たウィンドウに視線を合わせた。最初はぼやけていたが、徐々にピントがあって来たのか文字が見えるようになる。


「『幻獣戦隊グレンジャーに出てくるフェニクス・レッドの剣を模したダンボール製の剣。幻獣機神フェニックスの炎はあらゆる悪と不浄を浄火すると言われている。必殺技は【フェニク・スラッシュ】。細部まで作り込まれたこの剣の力を引き出すことで本物と遜色ないレベルで放つことができるだろう」って書いてある」

「おぉ。凄いですよ。べた褒めじゃないですか」


 タマがウィンドウに書かれた内容を読み上げるとパンドラが興奮した様子で答える。その様子にタマはたずねた。


「そんなにすごいのか?」

「サーチの中の人は意外と辛辣なのですよ。……そうですね。比較対象があった方が分かりやすいかもしれないです。タマがダンボールで作った物はありますか?」

「うーん。そんな物はなかったはず……」

「タマが昔作ったダンボールの鎧ならあるぞ」

「なっ何で持ってるんだよっ!?」


 タマが誤魔化すように答えると創がどこから用意したのか分からないビニール紐とダンボールを繋いだ簡単な鎧のような物を取り出した。


「弾……タマが昔に作ってから忘れて行った奴だからな。剣を探すときに見つけたから懐かしいなと思って一緒に持ってきた」

「ちょうどいいのです。タマ。見てみると分かるのです。ほらほら」


 急かすようにパンドラがそう言うと渋々といった様子でタマは自分の作ったダンボールの鎧を見た。


「わかったって。ダンボール・サーチ。……なになに。『幼子が作った初心者感マシマシのダンボールの鎧を模した何か。強化した場合でもまな板くらいの強度にしかならない。ないよりもマシ』。うわぁ。めっちゃ容赦ないじゃん。確かにあれはべた褒めだなぁ」


 思っていた以上にはっきりと書かれた内容にタマは何とも言えない表情でつぶやく。パンドラは思惑通りの様子で同意した様子で話に食いついた。


「ですよね!? 私が作った時なんか『不器用な神が作り出したこの世のモノとは思えない何か。見たモノの正気度を削る劇物。この世に出ない方がいい一品。誰かに指導してもらうか何も作らない方が良き』といわれたんですよっ! 確かに少し不器用ではありますが、酷くないですか!?」

「いや。逆に何を作ったらそこまで言われるんだよ……」


 思っていた以上に言われているパンドラにタマは戦慄する。タマの言葉にパンドラは頭を傾げながら言った。


「ただの盾ですよ? 出しましょうか? 母様にはやんわりと底の方にしまっておきなさいって言われて簡単に出ないように底の方に封印してますが」

「怖いもの見たさはあるけど、遠慮しておく」

「そうですか。残念です」


 嫌な予感がしたたまはパンドラの提案を拒否した。パンドラも想定していたのかあっさりと引き下がる。


 タマは創の剣を見ながら言った。


「ところで力を引き出すにはどうすればいいんだ?」

「そうでした。ダンボール・サーチはあくまでダンボールで作った物の評価や力を調べる為の力です。本番はこの次。ダンボール・リクリエイトでダンボールで作られた物の力を引き出してみてください。あ。後、ボックスやサーチとは比較にならないくくらい力を吸われるので気を付けてくださいね」

「分かった。ダンボール・リクリエイト」


 タマはそう言って力を注ぐと受け取った剣が眩く光るとともにその刀身に火が灯った。

 6話の車内で言っていた力であるサーチとリクリエイトのお話。

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