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Danger Love  作者: 綾瀬ぷーや
2/2

「うわぁぁぁぁぁ」


俺こと、茶月 彼方(さつきかなた)は一人で

自室のベッドの枕に顔を押し付けてもがいていた。


あの後、結局思いを伝えることは叶わなかった。

それどころか「…ごめん、用事思い出したバイバイ!!」


と言って一人で逃げてきた始末だ。


女の子を一人置いて走り去るなんて、最低だと

自分が自分を批判してくる気がする。


「うー…。でもさ、ほんとさ、許して欲しいんだよ。

だって…」



ムクリと起き上がり、とぼとぼ歩いて扉の取っ手をつかみ、廊下へ出た。


「「お疲れ様です!!!」」


途端、部屋の前で待機していたのか数名のガタイのいい

男が頭を下げて俺を敬ってきた。


「いいから、ほんとに。俺の事ほっといてよ…」




自己紹介しよう。

俺は"マフィア一族"の茶月家の三男、茶月彼方。


幼少期から人殺しの技術、あらゆる犯罪組織の内情

など闇社会関係のことを叩き込まれてきたのである。



「ううっ!俺はこいつらのせいで人生のお先真っ暗なのに!!」



じろりと恨めしげに男達を見る。


「やべぇ彼方さんが怒ってる。」


「お前がなんかしたんだろ!」


「謝ろうぜ!ほら!」


「「「すみませんでした!!」」」


勢いぴったりで頭を下げられる。


「おまーらが素直すぎて素直に恨めないんだよちくしょー!!」


素直に頭を下げるこいつらをつい眩しげに見てしまう。


「ご、ご飯食べてくる。着いてこなくていいからな!」


「うっす!」


「影から見守ってるっすよ!」


そういうとこだよ!!と突っ込む気持ちを全力で抑えて、

静かに歩いていくのだった。


*****



「あー、かっなたー!晩御飯もう出来てるよぅ。食う?」



部屋に入るとやけに明るい声が聞こえる。

俺の姉、茶月家次女の茶月 明(さつきあかり)だ。


料理上手で、何かと信用出来る使用人を雇うのも難しい

この闇社会で茶月家の食事面をサポートしてくれる心強い姉だ。


でも、無駄に明るくてうるさいのが玉に瑕(たまにきず)だ。



「食欲無いから少なめで…」


「あー彼方もしかして好きな女の子に振られたの?振られたんでしょー!おねーちゃんの助けを借りないからいけないのだよぉー!」


「貴様デリカシーって知ってる?」


というか、別に振られてないし!告白してないだけ!



「あらら、なんだか騒がしいと思ったら…また明が騒いでいたのね。」


「というか彼方ーお前も珍しくうるさいぞー。」


呑気な声が二つ聞こえた。


茶月家長男茶月 月火(さつきげっか)と、茶月家長女茶月 深空(さつきみそら)


「月火うるせえ死ね。」


「は?てめ調子乗んなよ弟が。」


「弟の軽口に乗せられてる時点で終わってるよ兄貴。」



舌をべーっと出せば、いかにもキレたように笑う兄貴が

いる。(しかし目は笑ってない)



「うるさいよ二人とも。早くご飯にしよ。うざい。」


不自然な最後の悪態を付け足したのはもうすでにテーブルの前に正座してご飯を食べる準備ばっちりな末っ子。


今反抗期真っ盛りなツンデレ妹、茶月 雄香(さつきゆうか)


そして、最後の茶月家兄弟。


「…メシ…」


「おー、やほ、星矢。」


俺の双子の兄貴、茶月 星矢(さつきせいや)


「じゃあじゃあ!みんな揃ったしご飯食べよ!」


「えぇそうね。」


「くそ腹減ったぜ。」


「お兄ちゃん口汚い。うざい。」


「お腹空いた?星矢。」


「…ん。」
















「「いただきます。」」

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