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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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桃の花のドレス 第3話

「さあ、美代子ちゃんお召しかえするわよ。」

3人官女達は美代子をお城に連れていきます。部屋に着くと桃香は美代子の着ている無地の紫色の着物を脱がし赤い着物に桃色の帯、それから白地に赤い花柄の打掛を着せます。髪は降ろし櫛でとかします。

「桃香ちゃん、この格好は何?」

「雛子様のお召し物よ。」

「そうじゃなくてなぜわたくしが着てるの?」

「それは雛子様の代わりをして頂くためだわ。」

傍でお琴を弾いてる葵が答えます。

「帝が今日来るんだ。雛子様がいなくなったなんて言える訳ないだろう?」

今度は庭で竹刀を振ってる月子が答えます。帝というのは雛子の婚約者の貴族の貴公子の事です。

「ちょっとお待ちになって!!わたくしに雛子様の代わりに帝と結婚しろと言うの?無理よ!!」

「違うわ。」

桃香が櫛をとかす手を止めます。



 美代子が連れて来られたのは謁見の間です。部屋には簾がかかっています。

「こちらの席に座って。」

簾の向こうには座布団が敷かれてます。

「雛子様は殿方とはこの簾を隔ててお会いになるのよ。」

桃香が説明します。

「私達が雛子様の言葉を代弁するの。」

葵が付け加えます。

「美代子ちゃんはそこに座っているだけでいいんだ。やってくれるか?」

月子に尋ねらそれだけならと思い承諾しました。

「でもどうして雛子様は突然いなくなったのかしら?」

美代子が尋ねますが官女達は黙ったまま顔を見合わせます。

「それが私達にも分からないのよ。」

桃香が間をおいて答えます。雛子様はいなくなる前日式の衣装合わせをしていたのですがそこでずっと浮かない顔をしていたそうです。

結婚が嫌で逃げだしたのか、結婚相手に不満があったのか謎は深まるばかりです。

 帝がやって来たのはすぐの事でした。美代子は言われた顔の前で目から下を覆うようにして扇子を持ちます。帝は挨拶をした後何やら質問をして来ました。この度桃香が簾の奥にやって来ては美代子の話を聞く振りをして再び簾から出て帝に話を繋ぎます。

(一体どんな殿方かしら?)

美代子は扇子を降ろしそっと簾の隙間から覗き込みます。美代子はうっかり扇子を落としてしまいます。




「お疲れ様。美代子ちゃん。」

帝との謁見が終わると桃香がお茶を立ててくれました。葵は琴を演奏し月子は庭で竹刀を振ってます。

「ありがとう。」

「だけど美代子ちゃん、扇子を落とすのは良くないわ。」

「ごめんなさい。だって簾の隙間から見える帝があまりにも美青年で。」

美代子は顔を赤くしています。

「美代子ちゃん、駄目だわ。既婚者でしょ。」

琴を弾きながら葵が嗜めます。

「分かってるわ。そういう事じゃなくて。だけど不思議だわ。あんな見目麗しい殿方がいらっしゃるのに雛子様は結婚の何が嫌なのかしら?」

「ひょっとしたら帝に不満があるわけではなさそうだな。」

月子が竹刀を振る手を止めます。

「美代子ちゃん、その座布団の下の何かしら?」

桃香が座布団の下に何か挟まっているのに気付きます。

「何かしら?」

美代子が座布団から退き手に取ります。

「まあ、可愛らしいわ。」

それは西洋のドレスが載ったファッション誌でした。4人は集まって中を見ます。

「わたくし分かったかもしれません。雛子様の居場所。」

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