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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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桃の花のドレス 第2話

「美代子ちゃん、美代子ちゃん。」

美代子は誰かに名前を呼ばれ目を覚まします。

「どなた?」

美代子は目を開けます。

「良かったわ。目が覚めて。」

「桃香ちゃん?!」

横たわる美代子を桃香が覗き込んでいました。

「大丈夫?」

「ええ。って何で桃香ちゃんがお話してるらっしゃるの?!」

美代子は驚いて飛び起きます。

「それに桃香ちゃん、わたくしと背が変わらないわ。」

目の前にいる桃香は人形ではなく美代子と同じくらいの身長です。辺りを見渡すと麻の着物の物売り娘や烏帽子を被った平安貴族風の男性が通りかかります。


「危ないわ!!」


突然桃香が美代子の腕を引っ張り道の端にやりました。

「お嬢さん方、道の真ん中で突っ立ってると危ないですよ。」

先ほど美代子が立っていた道に男達が牛車を引いて通ります。

「桃香ちゃん、ここは平安時代のような場所だわ。」

「ようこそ、美代子ちゃん。ここは人形の世界よ。」

「人形の世界ですって?!」

「ええ、私が呼んだのよ。」

「桃香ちゃんがわたくしを?なにゆえ?」


「桃香お姉様!!」

「姉上!!」


桃香と美代子の元に二人の女の子がやって来ました。桃香と同じ白い振り袖に裳衣と打掛を着ています。しかし2人は桃香とは色違い。1人は青色、もう1人は黄色です。

「貴女達、ひょっとして葵ちゃんと月子ちゃん?!」

二人は自宅にいる3人官女そっくりです。 「そうよ、よく分かったわね。」

青色が葵ちゃんで黄色いが月子ちゃんです。

「君、もしかして美代子ちゃんか?!」

月子が尋ねます。

「美代子ちゃんっていつも雛壇のところにやって来ては私達と遊んでくれた3姉妹の一番上の美代子ちゃん?!」

「嘘だろう?すっかり大人になったな。」

男言葉の月子は驚いています。

「そうよ。私が連れて来たのよ。」

「桃香ちゃん、なぜわたくしをここに連れてらしたの?!」

美代子は先ほど聞きたかった事を尋ねます。

「そうだわ!!雛子様がいなくなったのよ。」

「雛子様が?!ってどなたですの?」 

「あら、美代子ちゃん忘れちゃったの?」

「そうだよ、君達が名前付けてくれたじゃないか。」

美代子は少女時代を思い返します。妹達と一緒に雛人形に名前を付けた事を。


「桃香ちゃんに葵ちゃん、月子ちゃん。お雛様は雛子様にしましょう!!」


一番上の段のお雛様にも名前を付けていたのです。

「雛子様が行方不明って何かあったの?」

「ああ、今朝突然。」

毎朝雛子を起こしに行くのが官女3人の仕事です。

「今朝もいつも通り桃香お姉様と月子と一緒に雛子様の部屋を訪れたのよ。」

しかしそこには誰の姿もなかったのです。

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